週刊OSM 438

 

2018/12/04-2018/12/10

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Pierre Béland氏がデータ品質向上のためベテランマッパーにタスクへの参加を呼びかけています 1 | © OpenStreetMap contributors

マッピング

  • 初心者でも簡単にPOIを追加できるよう、Jean-Louis Zimmerman氏がストリートビュー画面上でデータ編集するインターフェースを提案しています。このアイディアは、Richard Fairhurst氏による Deriviste に触発されたものです。
  • HOTはコンゴ民主共和国北キブ州のエボラ流行への対応を続けています。Pierre Béland氏はデータ品質を向上させるためベテランマッパーにタスクへの参加を呼びかけています。
  • dktue氏は緊急通報の受付センターへのタグ付けemergency=control_centre提案しようとしています。このタグは既に200箇所以上でタグ付けされていますが、使用はドイツ国内に限られています。
  • John Paris氏は領土紛争のある境界のマッピングポリシー提案の第4版発表しました。領土紛争のある境界のマッピングはデリケートなことですが重要な情報でもあります。彼は提案に対するフィードバックを求めています。
  • 多くのコミュニティではWikiページを使ってハイキングコースとそのリレーションのリストを用意しています。Cascafico氏はこういったWikiページの更新を簡単にするためにOSMのデータを取得してWikiの形式に変換するツールを作成し、ユーザー日記で紹介しています。

コミュニティ

  • OpenStreetMapニジェールコミュニティはニアメにあるフランス語デジタル大学でOSMやQGIS、オープンデータといった地理空間情報に関する3日間のワークショップを開催しました。
  • SotMアメリカ2018でデータ分析ワークショップが開催され、Jennings Anderson氏がレポート記事を公開しました。このワークショップではOSMデータの分析にJupyter notebookが使用されており、記事ではosm-waybackとosmesaを使ったデータ前処理、CSVファイル作成、Jupyterへのデータ読み込みなどが解説されています。
  • Mapboxが旧MapzenのValhallaチームメンバーを雇用しましたが、その後に元々MapboxにあったProject-OSRMのメンバーのほとんどが退職していったようです。しかしMapboxはこの2つの経路検索エンジンについてどのように維持していくのか公式な発表はありません
  • Tim Couwelier氏が道路カテゴリーに関する記事を書きました。この記事では、OSMの道路分類方法と公的な道路分類方法の違いについて解説されています。公的な道路分類では、道路建設の当初の目的に応じてカテゴリー分けされています。一方OSMでは、実際に使用されている状況に基づきground-truth原則によりカテゴリー分けされています。

OpenStreetMap Foundation

  • Nicolas Chavent氏が、米国HOT社がOSMF理事会の支配を徐々に進めようとしていると、OSMFメーリングリストに意見を投稿しました。現在のOSMF理事会メンバー7名のうち3名は米国HOT社の元理事であり、今回のOSMF理事立候補者7名のうち2名は米国HOT社の議決権委員です。
  • データワーキンググループはクリミア半島をロシアに属すると判断しましたが、OSMF理事会はこの判断を取り消すことを決定しました。そのため、クリミア半島はロシアとウクライナの両国に属する状態のままになります。OSMF理事会の決定にはいくつもの異見が出ています。Ilya Zverik氏は、この決定はOSMのGround truth原則に反していると述べています。OSMF理事会が決定したプロセスに透明性が欠けていると言う人もいます。Richard Fairhurst氏は、OSMF理事会はワーキンググループのサポートをこれまでに何度も失敗していることにも言及しています。

イベント

OSM人道支援

  • OSMデータを使って地域の災害リスクを見積もるプロジェクトについてHOTブログに解説記事が掲載されました。46か国以上に適用する見込みです。
  • コンゴではエボラ出血熱などの対応にマッピングがおこなわれていますが、データ品質を向上する取り組みが進められています

地図

  • OpenStreetBrowserがバージョン4.2になりました。表示中の地物をJSON, GeoJSON, XML形式でエクスポートできるようになります。OpenStreetBrowser Dev上に独自リポジトリを持っている場合、Gitブランチからカテゴリーを読み込むことができるようになります。Twitterフィードが動かなくなったので、最新ニュースはブログに載せるようにしました。
  • Qwant検索エンジンはプライバシーに配慮していることを謳っています。同社はあらたにQwantマップのアルファ版をリリースしました。QwantマップはOSMデータとオープンソースツールを使っています。現在はフランスで正しく動くように調整されていますが、世界各地でも正しく動くように協力者を求めています

オープンデータ

  • チューリッヒ市(スイス)は建物の外形と屋根の3DモデルデータをCC0ライセンスで公開しています。

ソフトウェア

  • Martijn van Exel氏はストリートビュー画像を撮影してTelenavのOpenStreetCamに投稿する方法を説明しています。
  • Jiri Vlasak氏がLiveJOSMプロジェクトを紹介しています。このプロジェクトはDebianベースのLinuxライブシステムで、あらかじめJOSMといくつかのJOSMプラグインがインストールされていて、マッパソンなどのイベントで使われます。

リリース

  • 最近iDエディタが立て続けに更新されました。バージョン2.12.0ではMacユーザーがトラックパッドで指2本を使ったジェスチャー操作が実装され、崖や海岸線のウェイに方向の表示やサイドバーのサイズを変えたり非表示にする機能などが追加されました。その後すぐに細かなバグを修正したバージョン2.12.1にアップデートされています。
  • HOTタスキングマネージャーが更新されました。レイアウトの変更、マークダウン形式のサポート、エキスパートモードの実装などが主な変更内容です。
  • Simon Poole氏がVespucciエディタのバージョン12を公開しました。ボタンで地物を追加できる simple action mode の搭載やMaprouletteのサポートが追加されています。

ご存知でしたか?

  • OSMのデータ品質向上を目指すUpliner氏によって作られたBuildingsToolsは建物のトレースを簡単にしてくれます。ユーザーはBのキーを押してからマウスを2,3回クリックするだけで簡単かつ正確に建物をトレースできます。長方形だけでなく円形の建物にも対応し、Ctrl-Alt-Bを押すと作成される建物ポリゴンをカスタマイズするフォームが表示されます。
  • OSM Streakではゲームをプレイする感覚で毎日編集を続けられるよう考えて作られたサービスです。毎日ちょっとした課題が出され、ユーザーが編集をするとポイントが加算されていきます。万が一連続した編集が途切れた場合、連続編集ボーナスは最初からスタートとなりますが今まで取得したポイントは消滅しません。
  • OSMのデータ品質を改善するために利用できるツール一覧
  • MAPS.MEで建物に住所を登録する方法

メディア掲載

  • ドイツ語の単語は複数の語を繋げて長くなることが知られていますが、これは通りの名前でも同じです。こちらのニュース記事ではOSMデータから最も長い通りの名前を調べ、Bischöflich-Geistlicher-Rat-Josef-Zinnbauer-Straßeが最長だと紹介しています。通りの名前に最もよく登場する単語は同率で詩人として知られるゲーテとシラーの名前だそうです。

その他の “ジオ” な事柄

  • Daniel Huffman氏はタイプライターで地図を作った時の工程を説明しています。
  • 1800年以前にヨーロッパからインド、東インド諸島を旅した東インド会社の船の航路をJelle van Lottum氏が視覚化しました。ここで使われたのはCLIWOCが持つ航行記録のデジタルデータです。
  • Christof Spieler氏が米国47都市の交通網について解説した書籍のレビューがCityLabに掲載されました。記事には交通マップがたくさん載っています。
  • Martijn氏はTelenavがオーストラリアで開催するOpenStreetCamのコンテストをアナウンスしています。クリスマスイブまでの投稿トップ2名と来年1月末までの投稿トップ3にはAmazonギフトカードが贈られます。OpenStreetCamはMapillaryのようにストリートビュー画像を投稿できるサービスでOSMデータのエラーや不足部分を補うために使う事ができます。
  • ApacheライセンスのマルチモデルデータベースシステムArangoDBのバージョン3.4がリリースされました。新しいバージョンではGeoJSONがサポートされ、新しい検索エンジンArangoSearchが搭載されています。
  • 欧州文化遺産会議2018で、地域の文化スポットをクラウドソースで集めるウェブアプリ Cultural Gems紹介されました。初期データにOSMが使われています。
  • Katharina Przybill氏が、提案された標準タグを使ってマッピングされているのかを評価指標として、OSM履歴データを解析しています
  • Matt Daniels氏はOSMベースの地図に人口を3D表示させました
  • 2017年にプエルトリコはハリケーン・マリアにより大きな被害を受けました。停電被害や森林被害の状況を解析した動画をNASAが公開しました。

まもなく開催

場所名称開催日
AlicePoliMappers Adventures 2018: One mapping quest each day2018-12-01-2018-12-31everywhere
online via IRCFoundation Annual General Meeting2018-12-15everywhere
ケルン・ボン空港Bonner Stammtisch2018-12-18germany
リューネブルクLüneburger Mappertreffen2018-12-18germany
ノッティンガムPub Meetup2018-12-18united kingdom
ReuttiStammtisch Ulmer Alb2018-12-18germany
レンヌRecensement des panneaux publicitaires2018-12-23france
ライプツィヒOpenStreetMap assembly2018-12-27-2018-12-30germany
デュッセルドルフStammtisch2018-12-28germany
Greater Vancouver areaMetrotown mappy Hour2018-12-28canada
ビエッラIncontro mensile2018-12-29italy
ハイデルベルクState of the Map 2019 (international conference)2019-09-21-2019-09-23germany

Note: ここであなたのイベントを見たい場合は、カレンダーにそれを 入れてください。そこにあるデータのみが、週刊 OSM に表示されます。 カレンダー 内で都市や国に言及するのを忘れないでください。

This weeklyOSM was produced by PierZen, Rogehm, SK53, SunCobalt, derFred, geologist, k_zoar, muramototomoya.