週刊OSM 317

08/09/2016-08/15/2016

PIC

OpenStreetMap 12歳の誕生日ケーキ、 ナシュアバンガロールエッセンにて 1 | © Nakaner, Alan Bragg, Jinal Foflia, Softgrow CC-BY-SA 3.0

マッピング

  • ドイツ語メーリングリストで、右左折制限タグや高速道路の出口タグをリモートマッピングする提案がNikhil
    Prabhakar氏(Mapbox社)からありました。ただし、あまり反響はありませんでした。シュトゥットガルト(現状ではリモートマッピングに必要なMapillary画像がほとんどありません)、ヴォルフスブルク、ベルリン(アウディやVWの本社がありますが、あの会社も?)から始める計画とのことです。Mapbox社はカナダでも同様のタグ付け活動を進めています。
  • Mapboxペルー社がアヤクチョ市でMapillaryイベントを開催 しました。イベントでは、徒歩、自転車、自動車などで8000枚以上のストリート写真を撮りました。
  • イギリスのイースト・ミッドランズ州で、あるマッパーが行政区画未定地域のboundary=*タグを編集 しました。変更セットの議論にコメントを書き込んだところ、「編集に忙しいのでコメントに回答しない」という”自動応答”が書き込まれ、大きな批判を呼びました。
  • Martijn van ExelさんによるOpenStreetView (OSV)の解説記事です。OSVはTelenav社が運営するストリートビュープロジェクトです。 車載OBD2インターフェースを介して走行情報を取り込むことにより、高精度の位置情報が得られるとのことです。システムのフロントエンドとバックエンドがオープンソースであるのもMapillaryにはない特徴です。
  • 測定機器を使って高精度GPSデータを計測している姿は、傍から見ると怪しいものですが、ポケモンGoがちょうどよい言い訳になるとのことです。

コミュニティ

  • ニューハンプシャーで行われたOSMの12歳誕生日会の様子です。
  • OpenCage DataによるPekka Sarkolaへのインタビュー です。フィンランドにおけるOSMコミュニティについて述べています。
  • OSMの12周年記念会がキガリ(ルワンダ)、ダブリン(アイルランド)、コペンハーゲン(デンマーク)、モスクワ(ロシア)、ニューハンプシャー(アメリカ)、ロンドン(イギリス)、バンガロール(インド)、エッセン(ドイツ)、テヤテヤネング(レソト)、チュニス(チュニジア)で行われました。
  • OSMフォーラムの管理者であるLambertus氏にコンタクトできなくなりました。そのためフォーラムの管理ができない状態です。新規にフォーラムを立ち上げることについてメーリングリストで協議中です。過去データの移行については未定です。
  • Pascal Neis の 「How did you contribute to OpenStreetMap?」にヒートマップカレンダーが表示されるようになりました。

インポート

  • Facebookがエジプトで自動認識処理で道路データを作成しましたが、クオリティが非常に悪かったため、データワーキンググループによりリバート されました。変更セットの議論はここなどで確認できます。

OpenStreetMap Foundation

  • データワーキンググループが中国語翻訳者を探しています
  • OSMFのメーリングリストアドレスmembership@osmfoundation.orgがGmailでスパム扱いされてしまいました。もうOSMFを退会してしまおうかとSven Geggus氏が愚痴っています。

イベント

  • BarCampタコラディ2016が8月27日にタコラディ市(ガーナ)で開催されます(会場未定)。今年度のテーマは「娯楽と起業のプロ意識」です。

OSM人道支援

  • Ranmani Huria は Mapillary を使ってダルエスサラームのストリートビューを作る為にガーミンや Mapillary 社と協力しています。このストリートビューの画像は様々な用途に使うことができます。

地図

  • Netzpolitik.org の Markus Reuter が OpenStreetMap プロジェクト Surveillance under Surveillance を紹介しています。これまでにマッピングされているすべての監視カメラをインタラクティブな地図で表示できます。
  • Mapbox GL ベースマップを自由に使うために OpenStreetMap のデータを使って自分でホストするライブラリ OSM Liberty
    日常的にクールなデザインの地図を使うユーザーのために OSM Bright からフォークされました。
  • Stamen は OSM ベースの全世界対応地形マップ公開しました。協力者歓迎のリポジトリが公開されています。
  • OSMの標準サーバにアクセスしてHTTPリファラを返さないブラウザに対しては、優先度を下げる予定であるとアナウンスがありました。負荷が高い外部サーバーに対してはすでに対処済みです。特にFastPokeMapの負荷が高すぎでした。
  • Lukas Martinelli の「南極大陸が本当はどんな形をしているか」というツイートに Martin Raifer が過去のブログ記事を紹介しています。

switch2OSM

オープンデータ

  • Christoph Hormann は JAXA の陸域観測技術衛星「だいち」による世界の数値標高モデル AW3D30 をレビューしました。AW3D30 はフリーライセンスで公開されています。
  • Goethe-Institut の Michael Horz はドイツにおける最近のオープンデータに関する議論をまとめました。OSM ベースで構築された Mapnificent の価値も話題に上がっています。
  • IBM と Mapbox がコラボレーション事業を発表しました。この事業では、IBMのワトソンアナリティクスに Mapbox を統合することで、ビジネス向け地理空間情報解析が可能となり、次世代データ分析をユーザに提供できるとのことです。

ライセンス

  • Tobin Bradley は Mapbox と OSM2Vectortiles のライセンス論争(以前お知らせしました)について、彼の個人的な意見を書いています。

ソフトウェア

  • -karlos- は(以前お伝えした) OSM Go から OSM Earth へと計画を拡大しました。

プログラミング

  • Mapzen は、ルーティングサービス「Valhalla」で利用している国別の歩行者通行制限について詳しく説明しています。ルーティングデータタイルの作成には Mjolnir ライブラリが使われています。
  • Geofabrik は提供しているシェープファイルの構造と、無料で扱える範囲を変更しました。移行期間は旧バージョンも提供されますが、期間が過ぎると新しいシェープファイルだけの提供になります。無料のシェープファイルにはサイクリングやウォーキングのルートが含まれるよう拡張されています。
  • Google Summer of Code の作業をする Zabot は OSM2World で建物への映り込みを制御する方法を書いています。

リリース

SoftwareVersionRelease dateComment
OSRM Backend5.3.22016-08-09バグ修正
Naviki Android3.45.32016-08-11エラー修正
SQLite3.14.12016-08-11キャッシュ処理改良、–rbuオプション修正
JOSM107862016-08-12Java 7対応終了、新機能”Paste at source position”、geo:形式URL対応
Mapbox GL JSv0.22.02016-08-12大規模改修、新機能、バグフィクス
Mapillary Android2.382016-08-12機能拡張、バグフィクス
Mapillary iOS4.4.92016-08-12バグフィクス
OsmAnd+ for Androidvar2016-08-12新UI、POI検索機能改良、編集機能改良
PostgreSQL9.5.4 ff2016-08-12バグフィクス
Maps.me Androidvar2016-08-15オリンピック会場POIデータ追加

Provided by the OSM Software Watchlist

ご存知でしたか?

  • taginfoに「プロジェクト」ページができました。これは、OpenBeerMapのようなカスタム地図や、JOSM等のエディタがどのようなタグに対応しているのかをtaginfoに表示するページです。Jochen Topf氏の解説記事をどうぞ。

その他の “ジオ” な事柄

  • Astro Digital は NGA Maps Actually ハッカソンで優勝しました。彼らは多くの衛星画像を自動解析して OSM で欠落している建物を検出しています。
  • Google マップがパレスチナの表示を削除してしまったと多くの人から批判の声が上がりましたが、その批判は必ずしも正しくないと、ワシントンポスト紙が説明しています。
  • 7月からGoogleマップにオレンジ色で「areas of interest(人が集まるエリア)」が表示されるようになりました。ですが、この機能は必ずしも真実を反映していないとAdrian Lobe氏(ドイツ語新聞Frankfurter Allgemeine Zeitung社)は考えています。Googleがこっそりデータをいじって、人々を誘導しようとしているのではないかと疑っています。
  • Google は Google マップを改良するためにユーザーが店の営業時間や店内の騒がしさなどの情報を追加するよう奨励しています。

まもなく開催

場所名称開催日
CochabambaOpenStreetMap: Nuevas Tecnologías e Investigación en Ciencias Sociales19/08/2016bolivia
Kyoto京都国宝・浪漫マッピングパーティ:第2回 特別編 サントリー京都ビール工場、恵解山古墳、ねじりまんぽ20/08/2016japan
DerbyDerby23/08/2016united kingdom
BonnFOSS4G 201624/08/2016-26/08/2016germany
DuitamaToma de trazas GPX transporte Público Duitama25/08/2016colombia
BonnFOSS4G 2016 Code Sprint Part II27/08/2016-28/08/2016germany
Kanagawa武蔵新城マッピングパーティー 新城テラス27/08/2016japan
AiglunOpération libre27/08/2016-28/08/2016france

Note: ここであなたのイベントを見たい場合は、カレンダーにそれを 入れてください。そこにあるデータのみが、週刊 OSM に表示されます。 カレンダー 内で都市や国に言及するのを忘れないでください。

This weekly was produced by Nakaner, Peda, Rogehm, derFred, k_zoar, mgehling, muramototomoya.