週刊OSM 500

2020/02/11-2020/02/17

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500回を迎えました。ありがとうございます!

私たちについて

  • ついに週刊OSMは500回目を迎えました!2010年7月23日に前身である Wochennotiz は14個のドイツ語ニュースでスタートしました。この10年間、読者の皆様から様々なフィードバックをいただいたおかげで、週刊OSMは清澄を続けて現在では9言語で配信することができるようになりました。読者の皆様に感謝申し上げます。地図産業では大企業の力が強い状況ですが、OpenStreetMapコミュニティの努力によって「自由な地図」の重要性は広く認識されるようになりました。今週の記事も楽しんでください!

マッピング

  • iDエディタ開発者のBryan Housel氏とJOSM開発チームは、再びMaxarの画像レイヤーが使えるようになったことをそれぞれツイートしています。しかし、画像を自動的に取得しようとするサービスによって使用量が急激に増加したため、画像の提供サービスが停止されており、現在復旧に向けた変更が行われています。
  • VespucciのTwitterアカウントは、アプリをインストールする際、Google PlayストアからではなくオープンソースストアF-Droidからインストールすることを勧めています。Google Playストアのアプリは数ヶ月分古いバージョンが公開されているそうです。
  • 免税店のタグ付けに提案されたduty_free=*承認されました。
  • memfrob氏が、三次元地形上にGPSトラックデータを重ねて鳥瞰表示できるオープンソースの3Dウェブマップを探しています。
  • Mapillaryは、不正確な地図を使った場合にかかるコストを見積もるために配達ドライバー達への調査を行い、結果をまとめました。
  • ProtomapsのリリースしたMinutely Extractsは、PBF形式でOSMデータをダウンロードできるサービスです。サービスの持つデータは、OSMのデータベースから1分ごとに取得されるため、マッパーは編集をアップロードしてすぐに最新のデータを利用できるようになります。bdon氏がサービスの内容を説明する記事を書いています。

コミュニティ

  • Martin Koppenhoefer氏は、2年前にデータワーキンググループがクリミア半島をロシアの一部としてタグ付けした決定をOSMF役員会が覆したことは、”on the ground”ルールに反していると考えています。メーリングリストでOSMF役員会に対して質問を投げかけたところ、この件に関する議論だけでなく、係争中の国境タグ、”on the ground”ルール、実際のモノがないデータをOSMに投入すること、などに関する議論も巻き起こりました。
  • タグ付け提案の投票にある「棄権」をどのように扱うべきかという議論が続けられており、Daniel Capilla氏がこの議論への参加を呼びかけています。
  • OSM米国の年次総会が開催されました。理事の任期を変更するため定款を改正する議案は、必要な投票率に達しませんでした。理事選挙ではJubal Harpster氏、Daniela Waltersdorfer J 氏、Alyssa Wright氏、Martijn van Exel氏、Minh Nguyen氏が当選を果たしています。
  • アリゾナ州立大学のShawna Bjorgan氏は、YouthMappersとUSAID GeoCenterが募集していたリモートでのインターンに参加したレポートを書いています。
  • OpenStreetMap米国が月刊ニュースレターの2月号を公開しました。米国コミュニティ内のニュース、イベントアナウンスなどがまとめられています。
  • pic500ロシアのValeriy Trubin氏がマッパーへのインタビュー記事を公開しています。ニューラルネットワークやAIについてGeorgiy Potapov氏へ、OSMのデータを使ったSputnikという地図サービスについてSergey Zaichenko氏へインタビューを行いました。

OpenStreetMap Foundation

  • picture 500OSMF理事のJoost Schouppe氏がOSMF少額支援プログラムを始めることを発表しました。しかし、現在は支援先を選考する委員会が設置されていないません。現在、選考委員会の設置に向けたメンバー募集が行われています。申し込み期限は3/8です。
  • 1/30に行われたOSMF理事会の議事録が公開されています。主な議題は帰属表示のない地図について、OSMFに入会したもののマッピング活動がない場合の対処について、多様性に関するワーキンググループの設立について、などがありました。
  • OSMやOSMFで使われるサービスやソフトウェアはFOSSポリシーに則ったオープンなものにすることを目指していますが、現実は厳しい状況です。OSMF理事のTobias Knerr氏は、オープンな実装を進めるためのFOSSポリシー委員会に参加するボランティアを探しています。

イベント

  • pic5002020年3月14日にサンクトペテルブルク市(ロシア)でGISミーティングが開催されます。
  • pic500欧州の5か国から50名の学生がルーマニアに集まりクライシスマッピング実施されます。また、OSMの品質管理ツールの講習会も実施されます。
  • pic500 無料でオープンな地理データやソフトウェアのカンファレンスPista ng Mapaは5/27から29にかけてフィリピンで開催されます。
  • SotMバルチック2020が3/6にリガ(ラトビア)で開催される予定です。発表はすべて英語で行われます。
  • pic500 オープンナレッジやオープンデータに関する国際会議Open Belgium 2020が3月6日に開催されます。参加を検討している方は、osm.beがお手伝いします
  • pic500 OpenStreetMapベルギーは3/23にOSMF理事長Allan Mustard氏とのミーティングを開催する予定です。参加者の募集が行われています。
  • pic500 Manfred Stock氏は、ケープタウン(南アフリカ)で開催されるState of the Map 2020での発表申し込みや学術発表の概要申し込みの期限が迫っていることをお知らせしています。

OSM人道支援

教育

  • Ryan Lambert氏がPostGISでOpenStreetMapを使う方法についての動画公開を始めました。6本の動画が公開予定で現在4本が公開されており、残り2本もまもなく公開されます。

地図

  • pic 500 Michael Schön氏の作成したGeopediaは、位置情報をもったWikipediaの記事をOpenStreetMap上に表示させることができます。背景地図はBing航空写真やGoogleマップに切り替えることも可能です。
  • pic 500 新型コロナウィルスが拡大していく様子を、多くの関連情報と共に視覚化できる地図をMapboxが作成しました。
  • アートグループNeploho(ロシア後で「悪くない」の意味)は、モスクワ内で初めてのデートをする場所として人気のある場所を表示するオンライン地図を作成しました。
  • チェルノゴルスク市の地図にOSMが使われています

オープンデータ

  • pic500 3月7日はオープンデータデイです。世界中でオープンデータに関する様々なイベントが開催されます。

ライセンス

ソフトウェア

  • 3DCGソフトウェアBlenderでOSMデータを扱えるようにするプラグインblender-osmが無料でダウンロードできるようになりました。
  • pic500 OSMデータから生成した都市で遊べるシューティングゲーム”Generation Street“はSteamでダウンロードできます。開発者のRoman Shuvalovによると、近いうちにソースコードをオープンにする予定とのことです。

プログラミング

  • CGImapのバージョン0.8.0を開発者のmmd氏がアナウンスしました。CGImapはOSM APIの機能をC++で実装して高速化したものですが、今回のバージョンアップでAPIの大半をカバーできるようになりました。
  • Rostislav Netek氏らがラスタータイルとベクトルタイルの性能を比較した論文を発表しました。地図をズームや移動したときの、サーバからのダウンロードサイズや速度を比較したところ、どちらも一長一短との結果が得られました。

リリース

  • 長年WeeklyOSMの編集に携わっているWalter(別名wambacher)氏の運営するOSM Software Watchlistは引き続き更新されています。彼はBoundaries-mapの運営も行っていますが、こちらは将来運営ができなくなる見込みです。
  • OsmAndのiOS版がバージョン3.12になりました。経路の詳細情報を表示する画面が追加されています。
  • ウェブ地図のフレームワークOpenLayersがバージョン6.2.0になりました。マウスホイールによるズームやテキストレンダリングが改善され、POIのシンボルをより柔軟に配置できるようになったほか、様々な改善が行われています。

ご存知でしたか?

  • Key:coveredのWikiページでは、建築物に覆われた道路でlayer=-1をタグ付けすることが適切でない場合のタグ付け方法が説明されています。
  • OSM関連のTwitterアカウントがまとめられたWikiページがあります。
  • ロシアのトラムマップと、バス専用レーンマップ
  • iDエディタの開発ブログが2019年11月から公開されており、追加された機能の説明やコミュニティのニュースなどが書かれています。
  • picture_500 Windyでは様々なモデルから生成された多くの気象情報がアニメーション表示されます。もちろん、背景図はOpenStreetMapです。

メディア掲載

  • アルゼンチンの地方紙El Territorioに、OSMの河川データマッピングに関する記事が掲載されました。ミシオネス州ではすべての河川がマッピングされており、その大半はMiguel Stefañuk氏が何年もかけてジャングルに足を運んで調査し、河川の名前は地元住人から確認したとのことです。

その他の “ジオ” な事柄

  • BBCラジオの「インサイド・サイエンス」が英国陸地測量部を訪問しました。彼らの調査方法のいくつかにはOSMマッパーと共通するものがあるようです。
  • 英国の団体Ramblersは、英国陸地測量部の地図から削除された小道を調べるプロジェクトを実施しています。このプロジェクトに対し、OSMが関与できるかどうかchris_debian氏が意見を募っています。
  • Jack Dangermond氏(ESRI創業者兼社長)が、 Geospatial World 誌にGIS技術の広がりに関する記事を投稿しました。スクリプト言語を介した機械学習などへの活用、ウェブプラットフォームの利用によるデータの民主化などについて言及されています。
  • Googleマップは、領土問題があるエリアでは閲覧者によって国境線の表示を変えていることに関する記事が Washington Post 紙に掲載されました。国境線や地名の表示は、GoogleおよびAppleは現地の法律に従うと回答されています。Microsoftは国際司法裁判所等の判断に従うとのことです。
  • ナッシュビル市(米国)在住のPaul Kang氏が精力的にGoogleマップに地域の情報を登録している活動がGoogleマップのブログで紹介されました。
  • 太陽電池のマッピングに関する記事がウェブサイトClimate Home Newsに掲載されました。太陽電池の設置場所を正確に知ることができれば、衛星データと組み合わせることで現在の発電量を正確に予測することができるようになります。Dan Stowell氏らはOSM英国コミュニティと協力してマッピングを進め、英国内で12万個以上の太陽電池をマッピングすることができました。
  • 人権を守るための衛星技術の活用が、逆の結果をもたらすこともあるとの記事がForbes紙に掲載されました。紛争が発生していたスーダンに対し、人権支援団体は国際社会からの監視の目があることを示すために紛争地域の村の衛星写真を公開しました。しかし、この村での紛争は逆に増加する結果となってしまいました。これは報復措置によるものではないかと述べられています。
  • SevenCs氏が開発した航海チャート表示アプリがアップデートされ、サードパーティー製地図を表示できるようになりました。OSMの表示もできます。
  • スマートウォッチ用Android “Wear OS”が搭載されたSuunto 7のレビュー記事がDC Rainmakerに掲載されました。ユーザガイドを見ると、Mapbox地図を使っているようです
  • GIS関連のおすすめブログ集2020年版がFeedspotに掲載されました。
  • Yandexパノラマ(ストリートビュー)に新しい地域が追加されました。なおパノラマ写真をOSM編集に使用することは許諾されています。
  • appleinsiderにGoogleマップとAppleマップの比較記事が掲載されました。以前はGoogleマップ一択だったものの、現在ではほぼ同じレベルであると評価されています。
  • EUTELSAT 5 West B人工衛星に搭載された欧州静止航法オーバーレイシステムEGNOSが稼働を開始しました。欧州地域でのGPSデータ精度向上に役立ちます。
  • 宇宙が寿命を迎えるまでにどのような現象が起きるのでしょうか。

まもなく開催

場所名称開催日
トリノFOSS4G-it/OSMit 20202020-02-18-2020-02-22italy
ハノーファーOSM-Sprechstunde2020-02-19germany
Ulmer AlbStammtisch Ulmer Alb2020-02-20germany
レンヌAtelier découverte2020-02-23france
⾼砂市たかさごで オープンデータソン!2020-02-24japan
SingenStammtisch Bodensee2020-02-26germany
ハノーファーOSM-Sprechstunde2020-02-26germany
デュッセルドルフDüsseldorfer OSM-Stammtisch2020-02-26germany
リューベックLübecker Mappertreffen2020-02-27germany
ブルノÚnorový brněnský Missing maps mapathon na Geografickém ústavu2020-02-27czech republic
トゥールーズContrib’atelier OpenStreetMap2020-02-29france
ブダペストBudapest gathering2020-03-02hungary
ロンドンMissing Maps London2020-03-03united kingdom
ハノーファーOSM-Sprechstunde2020-03-04germany
シュトゥットガルトStuttgarter Stammtisch2020-03-04germany
Praha/Brno/OstravaKvartální pivo2020-03-04czech republic
ドルトムントMappertreffen2020-03-06germany
リガState of the Map Baltics2020-03-06latvia
尼崎GPSで絵を描いてみようじゃあ~りませんか2020-03-07japan
レンヌRéunion mensuelle2020-03-09france
グルノーブルRencontre mensuelle2020-03-09france
台北市OSM x Wikidata #142020-03-09taiwan
トロントToronto Mappy Hour2020-03-09canada
ハンブルクHamburger Mappertreffen2020-03-10germany
チューリッヒ115. OSM Meetup Zurich2020-03-11switzerland
ハノーファーOSM-Sprechstunde2020-03-11germany
フライブルクFOSSGIS-Konferenz2020-03-11-2020-03-14germany
ケムニッツChemnitzer Linux-Tage2020-03-14-2020-03-15germany
ルムニク・ヴルチャEuYoutH OSM Meeting2020-04-27-2020-05-01romania
グアルダEuYoutH OSM Meeting2020-06-24-2020-06-28spain
ケープタウンHOT Summit2020-07-01-2020-07-02south africa
ケープタウンState of the Map 20202020-07-03-2020-07-05south africa

Note: ここであなたのイベントを見たい場合は、カレンダーにそれを 入れてください。そこにあるデータのみが、週刊 OSM に表示されます。 カレンダー 内で都市や国に言及するのを忘れないでください。

This weeklyOSM was produced by Nakaner, Rogehm, Silka123, SunCobalt, TheSwavu, derFred, geologist, k_zoar, muramototomoya.

One Reply to “週刊OSM 500”

  1. Herzlichen Glückwunsch zur 500. Ausgabe und vielen Dank an alle, die sich hier Woche um Woche aufs neue engagieren um die wichtigsten Nachrichten über OpenStreetMap zu verbreiten!