2019/06/25-2019/07/01
マッピング
- iDエディタにはレストランなどのチェーン店に
brand:wikidata
タグを自動でつける機能があります。チェーン店と似た名前の個人商店に誤ってこのタグをつけてしまうことがあり、GitHubで対応が検討されています。対応方法として、not:brand:wikidata=
を付けることが提案されましたが、まずはタグの提案承認プロセスを経ることが必要であるとQuincy Morgan氏(iDエディタ開発者)が指摘しました。 - iDエディタが
landuse=reservoir
の代わりにnatural=water
+water=reservoir
を使うようになり、マッピング済みのlanduse=reservoir
タグを修正するように勧めてきます。iDエディタのこの方針は、OSMコミュニティの合意が十分に得られていないとして論争を呼んでいます。なおiDエディタは2018年にも同様のことで論争を引き起こしたことがあります。 - Emily Eros氏(道路情報共有プラットフォームSharedStreets運営者)が、OSMにおける路肩への駐車規制をマッピングする方法について解説しています。近年は配送などが頻繁になり路肩駐車は企業および自治体にとって重要なトピックとなっていますが、OSMでのマッピングは十分でないとEros氏は指摘しています。記事では、現在の用法、問題点、新しいタグの提案などが説明されています。
- 《グッドプラクティス》に、「重要なオブジェクトは履歴をチェックする」「重要でなく、一時的なもので、移動可能なオブジェクトはマッピングしない」という項目が追加されましたが、Joseph Eisenberg氏はこれらの項目は既存の内容と重複していると指摘し削除しました。
- 交差点のレーンのつながりを表現するリレーション
type=connectivity
の投票を始めたことをLeif Rasmussen氏がアナウンスしました。 - キャンプ場の中のテントを立てる個々の場所を指定するタグ
tourism=camp_pitch
が承認されました。 - ロシアのマッパーPavel Gavrilov氏がStravaのヒートマップを使ってOSMのデータを改善する方法をOSM Wikiに書きました。
コミュニティ
- 警告しているにもかかわらず侮辱的なコメントを続けるユーザーがいるため、データワーキンググループはいくつかのユーザー日記を非表示にせざるを得なかったことを公表しました。
- OSMFドイツ支部のFOSSGIS e.V.は8/10、11にOSMバースデーを記念したイベント開催に対して資金援助を行うことを発表しました。
- MapillaryのChris Beddow氏がOSMの成長やマッピング技術、OSMコミュニティについてブログを書いています。彼はOSMに関わるマッパーやコミュニティは、ボランティアであれ商業的なものであれ強く結びついていく必要があると言っています。
- Digital Globeの親会社であるMaxarの依頼を受けてOSMエディタで使われる背景画像レイヤの名称が変更されました。Kevin Bullock氏がこの件を説明するユーザー日記を書いています。iDエディタでは既に名称がDigitalGlobeからMaxarに変わっています、JOSMでも作業中ですが現在HTTP/2非対応なことが原因で起こる画像の読み込み速度に関する問題への対応が7月末までかかる予定です。
- 6月上旬にロシアで「6月のフロア」というマッピングキャンペーンが行われました。6/3から10にかけて階数が登録されていない建物に階数を登録するというものです。キャンペーンには184人のマッパーが参加し、7643オブジェクトに階数が登録されました。
OpenStreetMap Foundation
- 組織的編集ガイドラインが承認されてから半年以上経ったにも関わらず、主要なマッピング団体はガイドラインを十分に順守していないとSeverinGeo氏が指摘しました。
- Gregory Marler氏が「あなたのコミュニティがSotMを開催するべき理由」というブログ記事を書き、OSMブログで紹介されています。
イベント
- TwitterのOpenStreetMapアカウントが昨年のState of the Map Latamの写真と共に南米で開催されるSotMを紹介しています。7月27日にはサンタフェでSotMアルゼンチンが、11月にはパラグアイでSotM Latam 2019がそれぞれ開催されます。
- State of the Map チェコ/スロバキア2016の動画が公開されました。
OSM人道支援
地図
- Kontur社は人口一人当たりのOSMオブジェクト密度を表示する地図を作成しました。これは主に人道マッピングの支援のために使われます。
- Nizhniy Novgorod City Administrationは野外広告や定着性のない比較的小型の店舗を表示できるGISポータルを作成しました。背景図としてOSMが使われています。
- プライバシーに配慮したフランスの検索エンジンQwantがOSMベースでプライバシーに配慮した独自の地図サービスQwant Mapsを始めています。
switch2OSM
ソフトウェア
- omgitsgela氏がChromebookでJOSMを使う方法を紹介しています。
- osm-baustelle.deのMapOSMaticインスタンスでは、作成する地図にOSMの地図メモを地図上にマーカー表示したり、索引に内容を表示する機能が実験的に追加されました。
プログラミング
- Google Summer of CodeでNominatimにWikidataの情報を追加するプロジェクトに当たっているtchaddad氏が作業について詳しく説明しています。まずはWikipediaから情報を抽出するスクリプトの改善に取り組むそうです。
リリース
- 位置情報や地名を使ってレストランやカフェを検索できるNewsHereNowは様々な言語で利用できるようになっており、現在はポルトガル語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、そして英語が用意されています。もし実在する店舗が検索に出てこない場合はOpenStreetMapを編集すると検索に表示されるようになります。
- Wambacher氏は常にOSM Software Watchlistを更新し、OSM関連ソフトウェアの更新情報を提供しています。先日も新しくリストに追加するソフトウェアの提案を受けました。
ご存知でしたか?
- Nicolas Decoster氏は2015年からアフリカ大陸西部の道路ネットワークを改善プロジェクトを進めており、手伝ってくれる人を募集しています。
- カメラの設定情報などから簡単に写真を検索するソフトWhereIsMyPhotoでは、写真にジオデータがある場合OSMを背景図として撮影場所を表示できます。
- OpenAndroMapsはスマートフォン向けに様々なスタイルのベクトルマップをダウンロードできるサイトです。これらのスタイルは定期的に更新され、改善されています。Elevate 4アップデートには追加ライセンスがあるため使う場合には注意が必要です。
- Where ist Markt?ではドイツのいろんな都市で開かれている定期市場やフリーマーケットの場所を表示しています。
- キソー市(カナダ)は住民がいない「都市」です。かつては鉱山開発で栄えたのですが、1983年に開発は停止され住民は移住しました。しかし、開発会社は将来的に開発を再開できるように都市機能を維持し続けています。なお
place=city
でタグ付けしてよいのかは議論が必要かもしれません。
その他の “ジオ” な事柄
- 自転車向け道路安全情報報告プラットフォームRADar!は背景地図にOSMを使用しています。OSMの自転車道データの見直しに活用してもよいかもしれません。
- Michael Marz氏はOSMの主要地物のみを抽出したデータをまとめてダウンロードできるようにしました。詳細はGitHubでご確認ください。
- ベナン共和国では1957年に作られた地図をずっと使っていましたが、OSMを使って最新のデジタル地図が作られたことをJapanTimes紙がレポートしています。地図の作成には30名のOSMマッパーが参加し、EUの資金援助をうけて国連(UNDP)が主導するプロジェクトのもとで実施されました。
- 路肩駐車マップの作成方法をSaadiq Mohiuddin氏が解説しています。
- あなたのパソコンにはOSMキーがありますか?ImreSamu氏のパソコンにはあります。
- ちょっとした座標値のずれが、不動産開発会社に貧困者向けの減税資格を与えてしまうかもしれません。お気を付けください。
- 交通渋滞を避けるためにGoogleマップが提示した迂回路を走ったところ、100台近くの自動車が未舗装道路でスタックしてしまいました。
- ウィキメディア財団は英語版Wikipediaの管理人の一人であったFram氏を、行動規範に反したとして一年間の資格停止処分にしました。しかしその詳細な理由は明らかにされなかったため、コミュニティは透明性が欠如しており通常の意思決定ルールに従っていないと批判しました。さらには、別の管理人Floquenbeam氏がFram氏の資格停止処分を解除したところ、財団はFloquenbeam氏も資格停止処分にする事態となりました。一連の状況はBuzzFeed Newsでレポートされ、Wikipedia英語版の月刊ニュースThe Signpostでも取り上げられました。
まもなく開催
場所 | 名称 | 開催日 | 国 |
---|---|---|---|
ザルツブルク | YouthMappers Workshop | 2019-07-05 | |
イヴレーア | Incontro mensile | 2019-07-06 | |
Makati City | OSMPH × GrabPH Mapathon 1 | 2019-07-06 | |
台北 | OSM x Wikidata #6 | 2019-07-08 | |
ボルドー | Réunion mensuelle | 2019-07-08 | |
トロント | Toronto Mappy Hour | 2019-07-08 | |
リヨン | Rencontre mensuelle pour tous | 2019-07-09 | |
ミュンヘン | Münchner Stammtisch | 2019-07-09 | |
ソルトレイクシティ | SLC Mappy Hour | 2019-07-09 | |
ハンブルク | Hamburger Mappertreffen | 2019-07-09 | |
ヴッパータール | OSM-Treffen Wuppertaler Stammtisch im Hutmacher 18 Uhr | 2019-07-10 | |
チューリッヒ | OSM Stammtisch Zurich | 2019-07-11 | |
ベルリン | 133. Berlin-Brandenburg Stammtisch | 2019-07-11 | |
サンホセ | Civic Hack Night & Map Night | 2019-07-11 | |
Ulmer Alb | Stammtisch Ulmer Alb | 2019-07-11 | |
ドルトムント | Mappertreffen | 2019-07-12 | |
ケルン・ボン空港 | Bonner Stammtisch | 2019-07-16 | |
リューネブルク | Lüneburger Mappertreffen | 2019-07-16 | |
Viersen | OSM Stammtisch Viersen | 2019-07-16 | |
ブレーメン | Bremer Mappertreffen | 2019-07-22 | |
ノッティンガム | Nottingham pub meetup | 2019-07-23 | |
Reading | Missing Maps Reading Mapathon | 2019-07-23 | |
ソルトレイクシティ | SLC Map Night | 2019-07-23 | |
リューベック | Lübecker Mappertreffen | 2019-07-25 | |
Santa Fe | State of the Map Argentina 2019 | 2019-07-27 | |
ドゥマゲテ | Pista ng Mapa 2019 | 2019-08-01-2019-08-03 | |
ミネアポリス | State of the Map U.S. 2019 [2] | 2019-09-06-2019-09-08 | |
エディンバラ | FOSS4GUK 2019 | 2019-09-18-2019-09-21 | |
ハイデルベルク | Erasmus+ EuYoutH OSM Meeting | 2019-09-18-2019-09-23 | |
ハイデルベルク | HOT Summit 2019 | 2019-09-19-2019-09-20 | |
ハイデルベルク | State of the Map 2019 [3] | 2019-09-21-2019-09-23 | |
ウェリントン | FOSS4G SotM Oceania 2019 | 2019-11-12-2019-11-15 | |
グラン・バッサム | State of the Map Africa 2019 | 2019-11-22-2019-11-24 |
‘
Note: ここであなたのイベントを見たい場合は、カレンダーにそれを 入れてください。そこにあるデータのみが、週刊 OSM に表示されます。 カレンダー 内で都市や国に言及するのを忘れないでください。
This weeklyOSM was produced by Nakaner, Rogehm, SK53, Silka123, SunCobalt, derFred, k_zoar, muramototomoya, tordans.
There seems to be a wrong link in the news related to the Japan Times that reported that Benin is now proud to have a modern digital map to replace the last map from 1957. The link goes to the Benin city, which is in Nigeria. The right link should be to the state of Benin. In the article, there is a city of Save in the picture.