週刊OSM 417

2018/07/10-2018/07/16

    Logo

    Orientation of streets in European cities 1 | © Geoff Boeing, Tobias Kunze © map data OpenStreetMap contributors

マッピング

  • Warin氏はゴルフコースのマッピングをしようとしているビギナーマッパーを見つけました。彼はタグ付けメーリングリストでゴルフコースのタグ付けについて現在のWikiページの内容に不満を漏らし、どのようにマッピングすべきか語っています。彼のメールが引き金となり長い議論が続くメーリングリストでは芝生の高さによってティーグラウンドを判断することが理にかなっているということがわかります。
  • Leo Gaspard氏は道路の領域にlanduse=highwayをタグ付けできるよう訴えています。道路の領域に舗装状態などを追加したいと考えているためです。メーリングリストで続いた議論でも指摘されましたが、area:highway=*のほうが既に広く使われており、舗装状態などを示すオプションタグも定義されています。
  • スイスのメーリングリストではパラグライダーを使って独自の空中写真を作成したDanilo氏がその手法を紹介しています。彼は撮影した写真を処理するツールとしてopendronemap.orgを使っています。彼が作成した空中写真(巨大なJPEGファイルです)を見ると、この方法には期待が持てそうです。
  • ひとつの交差点につき、いくつ信号機ノードを付けてよいでしょうか?ドイツ語フォーラムで議論され、歩道の信号機にはhighway=crossing + crossing=traffic_signalsを付けるのが良いとの結論になりました。信号機が制御する方向のタグを検討しても良いかもしれません。
  • オープンナレッジラボ カールスルーエはオーストリア、ドイツ、スイスとその周辺にある農場、市場、自動販売機などを表示する地図を作りました。彼らはドイツ語フォーラムで今後の計画について説明しています。開発はGitHubで行われていて、開発に参加したり自分の好きな場所の地図を作ったりできます。
  • Warin61氏は短い期間しか存在しない水域へのタグ付け「ephemeral」を提案しています。
  • 一時的に滑走路として使われる道路へのタグ付け提案(aeroway=highway_strip)が投票を受付中です。投票の期限はは7/31です。

コミュニティ

  • OSM APIのマスターサーバーの移転(以前お知らせしました)が決まり、ロンドンのインペリアル・カレッジからアムステルダムのエクイニクスデータセンターに移動されます。移転作業に伴いマスターサーバーの機能がヨーク(イングランド)のバックアップサーバーで動作しているため、応答速度が低下しています。運営ワーキンググループはOSMコミュニティから7/25、26の移転作業を手伝えるボランティアを募集しています。
  • 米国OSMの執行役員探しはまだ続いています。
  • OSMベルギーが選ぶ「今月のマッパー」はLionel Giard(ユーザー名Anakil)氏です。Lionel Giard氏の編集方法についてインタビューをしています。
  • マッピングサーベイ中には様々なものを発見します。chris66氏はサーベイ中に地雷の様なものを見つけました。その後爆発物処理隊が呼ばれ、地元の新聞でも報道されています。ドイツ語フォーラム(自動翻訳)では爆弾穴のタグ付け方法が投稿されました。
  • OSM Award 2018の投票期限は7/26です。投票がお済みでない方はお早めにどうぞ。
  • TriplePunditに協力型問題解決の利点に関する記事が掲載されました。オープンソースアプリの作製や災害対応マッピングのほかにも、リソースが少ない環境で医療データの電子化をおこなうopenRMSについても注目しています。
  • [1] アメリカの都市で道路がどの方角を向いているのかについてGeoff Boeing氏が記事を書きました。この記事をうけて、Rixx氏はヨーロッパの都市でも同じ解析を行いました。二人のPythonコードはどちらもGitHubに公開されています。この解析に使われているツールOSMnxを使うといろんなネットワーク解析が可能です。

    Mapbox社はこの解析をインタラクティブ地図に表示できるようにしました。ブログ記事では実装方法が解説されており、ソースコードはGitHubでも公開されています。

  • Uber社は運賃計算や配送車と乗客の最適マッチングにOSMデータを使っていることをOSMフォーラムで明らかにしました。また、ドライバーが発見したOSM地図の誤りを修正するテストをインドのデリ市を対象に始めるとのことです。組織編集ガイドラインに従って、編集者のプロフィールをOSMページに記載し、大規模なAI編集は実施しない方針であると述べられています。

OpenStreetMap Foundation

  • OSMFがOSMとOSMFに関連する重要な更新についてのレポートを公開しています。週刊OSMをよく読んでくださる方なら見たことがある情報も含まれますが、その他にもいろいろな情報が載っています。

イベント

地図

  • Andy Allan氏が公開する商業プラットフォームThunderforestで利用できる屋外マップの地図スタイルではハイキングコースの難易度を示すsac_scale=*に応じた表現をできるようになりました。
  • スウェーデン向けの登山地図生成サービスをSkinfaxiが始めました。地図サンプルはこちら。操作説明がないのが難点です。

switch2OSM

プログラミング

  • mmd氏が大規模な編集をアップロードするときの長い待ち時間を避けるために差分アップロードの機能を再実装しました。様々なエディタでテストされていますが、実装に隠れている問題を見つけ出すためにより多くのテスターを探しています。
  • Pythonのデータ処理パッケージPandasの地理データ拡張版GeoPandasが新しくなりました。

リリース

  • 無料の地図スタイルエディタMaputnikのバージョン1.3.0がリリースされました。
  • OSM関連ソフトウェアの更新情報を掲載するOSM Software Watchlistは毎週火曜日に更新されています。

ご存知でしたか?

  • Thomas Konrad氏はオーストリア国内で建物の公共データと比較してどのくらい建物がマッピングされているのかを確認できるウェブサイトを作りました。全体で85%の建物がマッピングされているため、彼はほぼ完全に建物がマッピングされていると見なしていますが、まだ50%を切る地域もあります。
  • Pascal氏のウェブサイトUnmapped Placesでは、OSMマッピングされていない地域を表示することができます。なお、市町村のplace=*タグから700m以内に道路が描かれていない場所を「マッピングされていない」としています。

その他の “ジオ” な事柄

  • 印刷関連の話題を扱うドイツのウェブサイトbeyong-printが様々なスタイルやサイズでOSMのデータを印刷してアート作品にしてくれるcartidaについて記事を書いています。cartidaは現在ドイツ、オーストリア、フランス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクへの発送しかできませんが、より多くの国に発送できるようになる予定です。
  • 7月16日以降、Googleマップを表示するためにはAPIキーとクレジットカード番号が必要になりました。ですが、米国政府のウェブサイトにはほぼ影響はないことがgovtech.com(米国の州および地方政府のITポータルサイト)に記載されました。すでにESRI, Mapbox, Boundless Spatialといった有料サービスに移行済みだとのことです。
  • Vizaline社は、衛星写真をもとにして土地測量をおこない、銀行ローンを貸すための基礎データとして用いていました。ミシシッピ州委員会は、土地測量は政府の業務であるとして同社を訴えました
  • OSMは編集の度にデータが改善されていくとは限りません。データの完全性や位置精度に関する研究調査が行われ、オブジェクトの履歴データを分析することでマッピングされる地物の完全性と位置精度を最大14%向上させることができたそうです。
  • 環境関連のニュースサイトMongabayにウェブサービスMapHubsに関する記事が掲載されました。MapHubsは地図や空間データの閲覧・解析をおこなう商用プラットフォームです。有料会員は様々なデータセットを使って、森林の減少を表示する地図を作ったりすることができます。
  • ウェブサイトvisualising dataの「ビジュアルデザインのヒント」シリーズで、地図の表示方法が取り上げられました。ガーディアン紙の記事を例にして地図のサムネイルと拡大表示について述べられています。

まもなく開催

    場所名称開催日
    バマコOSM training at Faculté Sciences et Technologies2018-07-16-2018-07-20Mali
    Mumble CreekOpenStreetMap Foundation public board meeting2018-07-19everywhere
    ハイデルベルクEnd of semester Mapathon2018-07-19germany
    エッセンMappertreffen2018-07-21germany
    東京東京!街歩き!マッピングパーティ:第21回 増上寺2018-07-21japan
    グレーター・マンチェスターMore Joy Diversion2018-07-21united kingdom
    ノッティンガムPub Meetup2018-07-24united kingdom
    デュッセルドルフStammtisch2018-07-25germany
    リューベックLübecker Mappertreffen2018-07-26germany
    マニラMaptime! Manila2018-07-26philippines
    ミラノState of the Map 2018 (international conference)2018-07-28-2018-07-30italy
    シュトゥットガルトStuttgarter Stammtisch2018-08-01germany
    ボーフムMappertreffen2018-08-02germany
    尼崎みんなのサマーセミナー:地図、描いてますか?描きましょう!2018-08-05japan
    ロンドンMissing Maps Mapathon2018-08-07united kingdom
    ミュンヘンMünchner Stammtisch2018-08-08germany
    UrspringStammtisch Ulmer Alb2018-08-09germany
    ダルエスサラームFOSS4G & HOT Summit 20182018-08-29-2018-08-31tanzania
    ブエノスアイレスState of the Map Latam 20182018-09-24-2018-09-25argentina
    デトロイトState of the Map US 20182018-10-05-2018-10-07united states
    バンガロールState of the Map Asia 20182018-11-17-2018-11-18india
    メルボルンFOSS4G SotM Oceania 20182018-11-20-2018-11-23australia

    Note: ここであなたのイベントを見たい場合は、カレンダーにそれを 入れてください。そこにあるデータのみが、週刊 OSM に表示されます。 カレンダー 内で都市や国に言及するのを忘れないでください。

This weeklyOSM was produced by Nakaner, Rogehm, derFred, k_zoar, muramototomoya.