週刊OSM 503

2020/03/03-2020/03/09

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バギオ市(フィリピン)のセントルイス大学で行われたマッパソン 1 | Photo © GOwin

マッピング

  • Stereo氏とJohn Doe(別名contrapunctu)氏が、ルクセンブルクやデリーで取り組んだ公共交通機関のルートマッピングの経験から、公共交通機関をよりシンプルにマッピングするための提案を行い、タグ付けメーリングリストでフィードバックを求めています。
  • Baloo Uriza氏は南カリフォルニアの405号フリーウェイのデータ見直しプロジェクトを完了しました。この道路はTIGERデータがインポートされてからあまりデータが見直されていませんでした。なおレーン変更規制などのタグ付けが複雑であったためデータ修正が困難であったことなどが述べられています。
  • Martijn van Exel氏はMapRouletteに新たな種類のチャレンジ、Quick Fixを追加しました。このチャレンジではMapRouletteからの質問にYes/Noを答えるだけで編集が完了するため、JOSMやiDエディタの使い方がわからなくても編集に参加できます。
  • Ferdinand0101氏が地物の名称を絵文字で表すためのタグname:Zsye=*提案し、投票が行われていましたが、否決されました。

コミュニティ

  • OSMFブログに国際女性デーを祝う記事が掲載されました。OSMではアカウント作成時に性別を登録しないため、男女の違いに関する正確なデータは得られていません。ですが、性別・出生・年齢などに関わらず、マッピングの楽しさや作成したデータが多くの人に活用される喜びがOSM活動をおこなう理由であることはみな同じです。
  • 女性のマッピング活動に関してMiriam Gonzalez氏(Geochicas共同設立者)へのインタビュー記事がロイターに掲載されました。Geochicasの調査によると、男性と比べて女性は病院、保育園、トイレ、家庭内暴力からの避難施設などをマッピングする傾向があるとのことです。なお記事掲載にあたってOSMFへ質問が届いており、回答内容はこちらで読むことができます。
  • HOTは国際女性デーを記念して、ジェンダーに関して昨年度に取り組んだ内容をまとめました
  • MapillaryとHOTは共同でmap2020キャンペーン開始しました。このキャンペーンでは、低中所得国を対象にしたナビゲーションデータの拡充を目的としており、ストリート画像の収集およびOSMデータを整備するプロジェクトを支援する計画です。優勝したプロジェクトは南アフリカで開催されるHOTサミットへの参加費が支給されます。申し込み期限は3月20日です。
  • SotM2020の学術セッション参加申し込み締め切りが3月26日に延長されました。
  • OSMマリの設立者であるNathalie SIDIBE氏が、自己の活動を紹介するブログ記事を公開しました。アフリカにおける女性の地位向上活動などに携わっています。
  • Andy Mabbett氏が、wikidataタグを活用した事例について質問しています。Mabbett氏は活用例の例として、ブリュッセル市内の道路名称が男性と女性のどちらに由来しているのかを可視化した地図を紹介しています。

イベント

  • Jungle Busプロジェクトは電気自動車充電ステーションのマッピング活動に取り組んでいます
  • 3月14日に開催されるFOSSGISカンファレンス2020で実施する予定であったOSMサタデーイベントが、昨今の情勢を鑑みて中止になりました。
  • 3月28,29日に開催される予定であったベルリンOSMハックウィークエンドも情勢を鑑みて中止になりました。

OSM人道支援

  • マイクロソフト社のブログに、AI技術をMissingMaps人道支援活動に活用した事例を紹介する記事が掲載されました。衛星写真をマイクロソフト社のAI技術で機械学習し、地物の種類を判定することができます。
  • 2020年7月1-2日に南アフリカケープタウンでHOTサミットが開催されます。セッションの構成案を募集中です。
  • HOTがGoogle Summer of Code またはOutreachyに参加するインターンシップ生を募集しています。
  • ペンシルバニア州ピッツバーグでは伝統的なフライドフィッシュが好まれており、地元のCode for Pittsburgフライドフィッシュマップ作り上げました。この地図で自分好みのフライドフィッシュを見つけ出すことができます。

地図

  • ロシアのタクシー配車サービス「Taksovichkof」ではOSMが使われています。もちろん帰属表示もバッチリです。
  • 新型コロナウイルスの感染者数を国ごとにまとめたcoronavirus.appにはOSMが背景地図に使われています。

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  • ロシアで繁殖している有毒草ソスノウスキーズ・ホグウィードに対処するプロジェクトで使われている地図がOSM(uMap)を使うようになりました。

オープンデータ

  • セントルイス大学(バギオ市、フィリピン)で初のマッパソンが開催され、市内の学校をすべてマッピングしました。GOwin氏が参加レポートを公開しています。
  • 樹木を詳細にマッピングするプロジェクトOpenTrees.orgの対応国が増えました。豪州、米国、カナダ、英国、フランス、スペイン、ポルトガルに対応しています。

ライセンス

  • OSMフランスが提供する地図タイルを帰属表示せずに使うサービスに対して警告を表示するキャンペーン#AttributionIsNotOptionalについて、Christian Quest氏が成果を報告しています。やり方について賛同する意見も批判的な意見もあります。

ソフトウェア

  • JavaからJavaScriptエンジンのNashornが削除される予定です。JOSMチームはこの機能削除によって起こる影響を説明しています。影響ある機能のうちJOSMのJavaScript APIは削除される見通しが強くなっています。

プログラミング

  • Nick Whitelegg氏がハイカー向け360度画像表示サイトopentrailview.org向けにOSMデータを使った拡張現実AR機能を開発中であることをブログ報告しました。
  • Maps.me用の地図を毎週更新しているVascom氏が、地図更新に使っているスクリプトを公開しました。
  • OSMデータから生成した3D都市でプレイするシューティングゲームGeneration Streetの開発者が、ソースコード公開までの計画をアナウンスしました。

リリース

  • Windows、Mac、Linuxで使えるDBeaver SQL Clientバージョン7.0.0がリリースされました。このクライアントは主要なSQLデータベースにアクセスし、内容の表示や編集を行うことができます。バージョンアップによってデータビューアーやデータエディタ、SQLエディタが大幅に改善されています。
  • OSMを使ったモバイルナビゲーションアプリMaps.Meのバージョン9.6.0では等高線の表示ができるようになりました(iOSAndroid)。山や丘陵でのナビゲーションがより分かりやすくなります。この機能はオフラインモードでも使う事ができます。

ご存知でしたか?

  • JOSMの検証機能にはいくつかの国特有のルールが組み込まれており、JOSM開発チームはこれらの国のユーザーに設定を忘れないよう呼びかけています。
  • アスベストを含む屋根材を自動識別するQGISツールについての記事
  • ロシアのケンタッキーフライドチキンの公式サイトでは、店舗を表示する地図の背景図としてOSMを使っています。
  • ロシアの交通事故マッププロジェクトは交通警察のポータルサイトからデータを取得して表示しています。もちろん背景図としてOSMが使われています。

メディア掲載

  • ニューヨークのフィンガーレイクス地域向けに地元ニュースや天気、スポーツニュースを提供しているウェブサイトFingerLakes1.comでは、外国の街でも地元のように見られる地図としてOSMを紹介しています。

その他の “ジオ” な事柄

  • マサチューセッツ工科大学とカタールコンピューティング研究所が開発した人工知能モデル「RoadTagger」について、GPS Worldが記事を公開しています。RoadTaggerは航空写真から道路の種類や車線数を検出でき、OSMから米国の20都市のデータを取り出して行ったテストでは車線数を77%、道路の種類を93%の精度で予測できたそうです。
  • Upendra Oliが、OSMのデータが追加されていく様子をQGISを使ってアニメーション表示する方法について動画を作成しました。
  • Open Knowledge BelgiumNoms Peut-Êtreは共同で、ブリュッセル市内の道路名が男性と女性のどちらに由来しているのかを可視化したEqualStreetNamesを作成しました。女性に由来する道路名は6%しかなく、トランス男性に由来する道路名は1件だけでした。Dries氏はEqualStreetNamesの作成に関する解説記事を公開しました。
  • Androidスマートフォンでサイクリングデータを記録しているユーザが、突然強盗事件の容疑者にされてしまいました。事件現場はサイクリングルートの近くだったのですが、警察の要求に応じてGoogle社がスマートフォンのGPSデータを警察に提出したところ、1時間に事件現場の近くを3回通過したことが分かったためです。

まもなく開催

場所名称開催日
ケムニッツChemnitzer Linux-Tage (cancelled)2020-03-14-2020-03-15germany
ノッティンガムNottingham pub meetup2020-03-17united kingdom
リューネブルクLüneburger Mappertreffen2020-03-17germany
ケルン・ボン空港127. Bonner OSM-Stammtisch2020-03-17germany
ハノーファーOSM-Sprechstunde2020-03-18germany
ハノーファーStammtisch Hannover2020-03-19germany
ミュンヘンMünchner Treffen2020-03-19germany
サンホセCivic Hack & Map Night (online)2020-03-19united states
ブレーメンBremer Mappertreffen2020-03-23germany
ReadingReading Missing Maps Mapathon2020-03-24united kingdom
ハノーファーOSM-Sprechstunde2020-03-25germany
PrešovMissing Maps Mapathon Prešov #52020-03-26slovakia
リューベックLübecker Mappertreffen2020-03-26germany
デュッセルドルフDüsseldorfer OSM-Stammtisch2020-03-27germany
ビエッラIncontro mensile2020-03-28italy
トゥールーズContrib’atelier OpenStreetMap2020-03-28france
ベルリンBerlin Hackweekend2020-03-28-2020-03-29germany
ケルンKölner Stammtisch2020-04-01germany
シュトゥットガルトStuttgarter Stammtisch2020-04-01germany
トゥールーズToulouse Hack Weekend April 20202020-04-04-2020-04-05france
ルムニク・ヴルチャEuYoutH OSM Meeting2020-04-27-2020-05-01romania
グアルダEuYoutH OSM Meeting2020-06-24-2020-06-28spain
ケープタウンHOT Summit2020-07-01-2020-07-02south africa
ケープタウンState of the Map 20202020-07-03-2020-07-05south africa

Note: ここであなたのイベントを見たい場合は、カレンダーにそれを 入れてください。そこにあるデータのみが、週刊 OSM に表示されます。 カレンダー 内で都市や国に言及するのを忘れないでください。

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