週刊OSM 364

2017/07/04-2017/07/10

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ハンガリーから多機能地図Mapcatが登場 1 | © OpenStreetMap contributors, ODbL, © MapCat, © Wikipedia

マッピング

  • 7月11日から12日にかけてドイツの Bing 航空写真が更新(自動翻訳)されました。更新された地域がどの範囲であるかははっきりしていません。新しい航空写真は解像度が低いことや GPS トラックなどと比較して水平位置のオフセットを気にしなければならないことなどが指摘されています。
  • アルゼンチンでの国土地理院にあたる IGN航空写真の一部を OSM のマッピングで利用できるようにするそうです。JOSM にプリセットが登録されていますが、実際に利用できるようになるにはもう少し時間がかかりそうです。
  • タグ付けメーリングリストではタグ付けに使われる「office」という単語の意味を定義する提案がありましたが、スレッドの議論は他の単語の定義にまで波及しています。
  • 米国では国勢調査と行政で管理区分に差異があるとのことです。そのため、OSMデータのadmin_levelタグの修正が必要であるとSteve All氏が指摘しています。
  • カナダ統計局建物情報のインポートが実施された経緯についてJohn Whelan氏が解説ブログを書きました
  • 航空写真や OpenStreetCam の画像を使って橋の高さを確認する方法を Richard Fairhurst 氏が説明しています。彼が紹介している動画を見るとトラックの経路検索をする時に橋の高さが重要な要素になることがわかります。
  • 入場印字機のタグはamenity=ticket_validatorとしてwikiに記載がありますが、vending=ticket_validatorも使われているようです。Trockennaseaffe氏はドイツ語フォーラムでamenityのほうを使うよう呼びかけています。
  • Simon Poole氏がOSM統計データを更新しました。新たに月別編集数データが追加されています。

コミュニティ

  • Jinal Foflia 氏が Mapbox ブログで今年世界中で開催される State of the Map を紹介しています。各 SotM は地図上に表示されていて、それぞれのロゴやウェブサイトへのリンクは GeoJSON に記録されているそうです。Mapbox のドキュメントを読むと同じ様な地図を作ることができます。
  • historic=shipがレンダリングされない問題について協議されています。buildingタグと同じようなレンダリングでよいのではないかとの意見が上がりました。
  • 2007年から2016年に発表されたOSM関連論文487報について、潜在意味解析法をもちいてトレンド解析をおこなった論文をSukhjit Singh Sehraらが発表しました。

OpenStreetMap Foundation

  • OSM-Awards 2017 への投票が7月16日からスタートします。

イベント

  • FOSS4G 2017 HOKKAIDO が2日間の日程で開催されました。6月30日にハンズオン、7月1日に事例発表が行われ、両日ともに大盛況でした。当日の様子は動画Twitter のまとめで見ることができます。
  • Andrea Musuruane 氏は地元の Linux ユーザーグループと共にヴィヴェローネ(イタリア、ピエモンテ州の都市)でマッピングパーティーを開く計画を練っています。
  • 11月に世界中で様々なイベントが行われる OSM ジオ週間は既に動き始めています。イベントは地図にも表示されているので確認してみましょう。
  • 7月8日から10日にかけてカンパラ(ウガンダ共和国)で SotM アフリカが開催されました。関連するツイートを見るとイベントが大成功だったことがわかります。
  • ウィキメディア・イタリアがスポレート(イタリア、ウンブリア州の都市)で OSM とオープンデータを対象としたイベントを7月21日、22日の日程で企画しています。このイベントではオープン(ジオ)データと行政、OSM と Wikipedia の連携について、そしてマッピングパーティーが予定されています。
  • SotM 2018 の会場募集が締め切られました。ハイデルベルクミラノ(昨年も応募していました)の2地域からの応募がありました。
  • 海外から State of the Map 2017 会津若松に参加する仲間はいませんか? 彼らにはビザが必要かもしれません。OSM ブログの記事を教えてあげましょう。

OSM人道支援

  • ウガンダとイスタンブールで開催されたマッパソン(以前お伝えしました)では難民がどのくらいフィールドマッピングに関わっているのかを調査しました。調査結果は米国 HOT が国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)会議で発表しています。

教育

  • 2014年にオープンした TeachOSM では学校教育の中で OpenStreetMap を使ってみようという教育者達のためのウェブサイトです。TeachOSM 用のタスクマネージャーやドキュメント、ケーススタディが集められています。GitHub には TeachOSM を充実させるための説明があります。

地図

  • Mapcat は OpenStreetMap と Wikipedia のデータを使ってベクタータイル、ラスタータイル、ジオコーディングや経路検索を提供しています。
  • ルート検索サービスOpenRouteServiceに新しいオプションが登場します。先日には「緑地優先」モードが追加されましたが、今度は「静かな道優先」モードが追加されます。残念ながらまだORSはドイツ国内のみ対応です。
  • Mapbox が Tangram エンジンを使っていくつかの地図をデザインしました。大都市がSF映画のように見えるデザインもあります。東京大阪ニューヨークをご覧ください。

ソフトウェア

  • 指定したエリアで Mapillary、flickr、OpenStreetCam、Wikimedia commons へ投稿された写真をダウンロードできる P4CaaS (Pic4Carto API) が公開されました。ドキュメントには任意のエリアを指定して写真をダウンロードする方法が説明されています。
  • ガーミンGPS向けOSM地図データダウンロードサイトhttp://garmin.openstreetmap.nl/復活しました。
  • Ilya Zverev 氏がユーザー日記で QGIS を使ったフィールドペーパーの作成方法を公開しています。

プログラミング

  • Andy Allan氏がOSMウェブサイトのメンテナンスチームに加わりました。リファクタリング、スリム化、ユーザ窓口、モデレーションなどを担当します。ようこそAndy!
  • Frederik Ramm 氏は SEO スパム(以前お伝えしました)を検索するための Perl スクリプトを公開しました。
  • ハイデルベルク大学の GIScience 研究所では地理空間情報や OpenStreetMap に精通したソフトウェアエンジニアを探しています。この仕事は2019年6月までの期間限定です。

リリース

osm.orgで使えるルート検索Graphhopperがバージョン0.9になりました。右左折による時間ロス等を考慮した検索が可能になりました。またGTFSインポートによる公共交通ルート検索も可能になったとのことです。

リリース情報はSoftware Watchlistでご確認ください。主な更新情報です。

    • JOSM 12450 | 02.07.2017 | オーディオマッピング対応。自動フィルタボタン追加。
    • ID 2.3.1 | 11.07.2017 | チェンジログ.
    • OSRM Backend 5.8.1 | 01.07.2017
    • Mapillary Android 3.65 | 03.07.2017
    • Kurviger Free 1.1.3 | 04.07.2017

ご存知でしたか?

  • 道路の高さ制限マッピングに便利なOSM トラック QA マップで、 Mapillary の写真を表示することができます。
  • bigmap.osmz.ru では様々なレイヤーを表示することができます。

その他の “ジオ” な事柄

  • カールスルーエ(ドイツ)の大学生 Tanja Pfeffer 氏がズームレベルに応じて地図の投影法を変える地図を作りました。このユニークな地図を早速チェックしましょう!
  • INTERNET Watch によると日本国内の衛星画像を iPhone ケースやTシャツにプリントできるファッションブランド「WEAR YOU ARE」が注文受け付けを始めたそうです。JAXA の人工衛星「だいち」が撮影した衛星画像を使っています。
  • 衛星から撮影された写真を芸術作品として印刷するサービス Mundialis。
  • Forbes.at は自律走行分野での Goolge と Mapillary の競争をレポートしています。
  • Google マップのユーザーは不足している POI やその情報を簡単に追加できるようになりました。この機能で Google はレストランや店舗のアクセシビリティに関する情報を集めています。
  • 国際地図表現会議ICC2017がワシントンD.C.で7月2-7日に開催されました。災害マッピング(早期警戒、災害マネジメント)、山岳地図、視覚障害者向け地図などが発表されました。
  • ベルリンで開催されたConCarExpo2017で、Philipp Kandal氏(TeleNav社上級副社長)が自動運転自動車向けにOSMデータを利用していることについて言及しました。
  • ユネスコ世界遺産に22件が追加されました。日本からは宗像・沖ノ島と関連遺産群が登録となりました。なお世界遺産の場所はHistoric Place Mapでも確認できます。
  • 羊背岩は氷河の侵食作用によって生じた地形です。その語源についてAtlantic誌が解説しています。日本語版wikipediaにも簡潔な解説があります。形状が羊の背中に見えるから、というわけではないんですね。

まもなく開催

場所名称開催日
シアトルComplete The Map Challenge, Mapillary image mapping2017-06-23-2017-07-31united states
東京東京!街歩き!マッピングパーティ:第10回 向島百花園2017-07-15japan
ウッチSpotkanie sympatyków OpenStreetMap i Walne Stowarzyszenia2017-07-15poland
マナグアRepubikla Mapping Party2017-07-15nicaragua
アクラAfrica Open Data Conference Mapathon2017-07-17ghana
ボンBonner Stammtisch2017-07-18germany
リューネブルクMappertreffen Lüneburg2017-07-18germany
ノッティンガムNottingham Pub Meetup2017-07-18united kingdom
スコットランドEdinburgh2017-07-18united kingdom
シャン=シュル=マルヌFOSS4G Europe 2017 at ENSG Cité Descartes2017-07-18-2017-07-22france
シャン=シュル=マルヌMapathon Missing Maps @FOSS4G, ENSG Cité Descartes2017-07-19france
カールスルーエStammtisch2017-07-19germany
レオーベンStammtisch Obersteiermark2017-07-20austria
ウルシュプルングStammtisch Ulmer Alb2017-07-20germany
スポレートOpenStreetMap e open data a Spoleto2017-07-21-2017-07-22italy
ブレーメンBremer Mappertreffen2017-07-24germany
グラーツStammtisch Graz2017-07-24austria
フィーアゼンOSM Stammtisch Viersen2017-07-25germany
デュッセルドルフStammtisch Düsseldorf2017-07-26germany
伊丹市【西国街道#08】オープンデータソンin伊丹「有岡城惣構」2017-07-29japan
東京東京!街歩かない!マッピングバーティ22017-07-29japan
マナグアEditathon with iD2017-07-29nicaragua
ボストンFOSS4G 20172017-08-14-2017-08-19united states
会津若松市State of the Map 2017 (international conference)2017-08-18-2017-08-20japan
パタンState of the Map Asia 20172017-09-23-2017-09-24nepal
ボルダーState of the Map U.S. 20172017-10-19-2017-10-22united states
ブエノスアイレスFOSS4G+State of the Map Argentina 20172017-10-23-2017-10-28argentina
ブリュッセルFOSS4G Belgium 20172017-10-26belgium
リマState of the Map LatAm 20172017-11-29-2017-12-02perú

Note: ここであなたのイベントを見たい場合は、カレンダーにそれを 入れてください。そこにあるデータのみが、週刊 OSM に表示されます。 カレンダー 内で都市や国に言及するのを忘れないでください。

This weeklyOSM was produced by Anne Ghisla, Nakaner, Peda, Rogehm, SK53, Spec80, derFred, k_zoar, muramototomoya.

2 Replies to “週刊OSM 364”

  1. Thank you for the mention. WeeklyOSM’s characterization of my post on talk-us does shine a light on my desire to improve admin_level tagging in the US, though it was not quite correct. (I have been widely admonished of rambling in that post with the result that it is unclear; that seems to be true).

    I did not say there is disharmony of admin_level tag values compared to US Census Bureau data. What I attempted to do in that post was notice that out of 50 states, it seems our US_admin_level wiki’s large table has 41 states “about correct,” but that the remaining 9 states suffer from some ambiguity or incorrectness simply because we have not reached consensus on what their values OUGHT to be.

    Simultaneously, Minh Nguyen launched another wiki (US/Boundaries) which lists similar data in a friendlier format aimed more at novice users, but instead of providing a list of what admin_levels OUGHT to be tagged for US states, counties and cities (and villages and neighborhoods), that wiki instead says with what values OSM now DOES tag. (The so-called “prescriptive vs. descriptive” topic regarding our wiki).

    I realize these distinctions are subtle and can be confusing. What I tried to do in that post was to solicit OSM volunteers with knowledge of admin_level structure in those remaining nine states and help us to sharpen up what they SHOULD be by helping us edit those into the table in our US_admin_level wiki.

    Perhaps WeeklyOSM (or this Comment) can or will clarify this, perhaps not. But I do feel the need to clarify, as many seem to be confused by my post(s) on this topic. The good news is that some people “got it,” and several improvements have been made to the table, which then inspires those admin_level values (additions, corrections) to make their way into the map in the US.

    Thank you,
    Steve All