週刊OSM 430

2018/10/09-2018/10/15

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メルカトル図法での面積を補正した地図 [1] | © Neil Kaye

マッピング

  • 糸魚川市と厚木市からオープンデータとして公開されている航空写真を OpenStreetMap のトレースに使う許可を受けたことを飯田氏(別名 nyampire氏)が発表(糸魚川, 厚木)しました。彼はこれらのデータを地図タイルにして公開し、使い方を Wiki ページで説明(糸魚川市厚木市)しています。
  • 新しいタグtelecom=*への投票が始まっています。値にはexchangeservice_deviceconnection_pointなどを入れて通信ネットワーク関連の施設をマッピングできます。
  • StreetCompleteユーザーが複雑な営業時間の店舗を発見しました。この営業時間をOSMに登録しようとすると値の文字数制限255文字を超えてしまうそうです。営業時間に限らず値が文字数制限を超えてしまうケースは考えられますが、そういった情報をそのまま単一のタグに入力すべきか意見が割れています。
  • 多言語が使用される地域で、名称のデフォルト表示方法を指定するタグがjeisenbe氏から提案されています。現在投票中です。ぜひご意見をお願いします。
  • アフリカ・フランス語圏におけるオープンデータ関連のここ2週間の動きをNicolas Chavent氏がまとめました
  • 政府が所有する土地のうち、主に行政活動のために使っている土地にタグ付けするlanduse=governmental提案されています。

コミュニティ

  • アンデスでマッピングサイクルツアーを行っていたNomad Mapsは10/11に5,000kmの行程を終えました。このツアーによってOSMに10,000以上の新しいオブジェクトが追加され、Mapillaryにも100,000を超える写真がアップロードされました。Nomad Mapsはツアー中のコロンビア、エクアドル、ペルーでマッパーと17回のミーティングを行っています。プロジェクトリーダーのAlban Vivert(別名Nomadmapper)氏はSotM南米2018でプロジェクトの成果を発表しています。プロジェクトの過程はNomad MapsのブログNomad Mapsのサイトをご覧ください。
  • Schokofahrt(チョコレートツアー)」はチョコレートの輸送で持続可能性とカーボンニュートラルを目指すため、自転車による分散輸送をする非営利団体です。彼らがアムステルダムを移動中に重い荷物を載せた自転車では通行できない階段のルートがありました。彼らの使う経路検索アプリではOSMを使っていたのですぐにこの問題がコミュニティに連絡され、地図の修正が行われました。
  • 9/24にブエノスアイレス(アルゼンチン)で開催されたState of the Map中南米2018のセッション動画が公開されています。
  • SeverinGeoはコナクリ(ギニア)で2週間にわたって行われたOSMやオープンデータの使い方講座のツイートをまとめました。

インポート

  • majka氏はインポートメーリングリストでチェコ共和国の郵便ポストデータを一括更新するプロジェクトについて投稿しました。主に収集時間の更新や使われていない郵便ポストのタグをdisused:amenity=post_boxに変更するためのもです。
  • Development SeedのDannykath氏がOSMへのデータインポートについてのユーザー日記を書きました。この記事ではインポート可能なデータやインポートの手順、事前に検討すべきこと、コミュニティとの調整といったトピックが書かれています。
  • デンバー地方議会が所有するデータをOSM向けにインポートできるよう動いています。データには100万個以上の建物データがあり、精度6cmと非常に良いものです。ボランティアが参加するインポートソンがいくつか開催され、既存データとの整合性を確認する予定です。

OpenStreetMap Foundation

  • Michael Reichert氏はOSMFの次期理事会選挙についてOSMFトークメーリングリストに改善案を投げかけています。彼は選挙スケジュールを少し変更することと、メーリングリストが質問で溢れかえらないようにあらかじめ候補者へのアンケートを実施することを提案しています。
  • データワーキンググループが提案する新しい組織的編集ガイドラインについてGuillaume Rischard(別名Stereo)氏がユーザー日記を書いています。このガイドラインは10/18のOSMF理事会で議題に上がりました。彼の記事ではガイドライン作成の動機や背景が説明されていますが、ガイドラインを作る中でコミュニティとの調整が不十分だという批判はスルーされています。コメント欄ではこの批判が再度提起され、議論が行われています。

イベント

  • 12/27~30にライプツィヒ(ドイツ)で開催される今年のカオスコミュニケーション会議の中ではOpenStreetMap-Assemblyも開催されます。OSM Wikiにはカオスコミュニケーション会議のページが作成されています。
  • クーネオ市(イタリア)の欧州議会地域事務所で、10/26にOSMのワークショップやマッピングパーティーが開催されます。
  • 10/25にブリュッセルでFOSS4Gベルギー2018が開催されます。当日のスケジュールも公開されました。

OSM人道支援

  • 10/29-31にシャンベリ市(フランス)でGeOnGフォーラムが開催されます。人道支援活動や地域開発活動向けのマッピングやGIS活用などがテーマです。
  • セント・オールバンズ市(英国)が視覚障碍者向けアプリ Soundscape へのクラウドファンディング実施中です。集まった資金は、OSMマッパソン向けボランティアのトレーニング、データチェック、データメンテナンスに使用されます。

地図

  • OSMベースの地図にロンドンの駐輪場を表示させるstolenride.co.ukに、自転車の盗難があった場所を表示するレイヤーが追加されました。2017年に警察に通報のあった場所が盗難場所として表示されます。
  • ニューヨークタイムズ紙はメキシコの都市でハリケーン「マイケル」の通過前後の航空写真とマイクロソフトの建物形状ポリゴンを使って建物の被災状況を視覚化しました。同紙は440件の建物のうち237件が破壊され、99件も深刻な被害を受けたとしています。
  • SK53氏がMapMate(生物学的様態の記録・マッピング・分析・共有アプリ)向けのアイルランド地図をOSMデータを元に作成しました。アプリの内部座標系に合わせること、色合いなどを調整することに苦労したそうです。
  • 地図作成サービスData Wrapperに、ロケータ・マップ(ある地物の場所指定に特化したシンプルな地図)作成機能が付きました。こちらから試してみることができます。

ソフトウェア

  • Fabian Kowatsch氏がOSMの履歴分析プラットフォームohsomeで開発中のダッシュボードを紹介しています。ドイツの指定した地域で任意のタグについて増加量などの統計情報を計算してグラフ化できます。

プログラミング

  • Alex-7氏がOSMの上でオープン・ロケーション・コード(OLC)を扱える地図を作りました。この地図上ではOSMにOLC関連のデータが入力されていなくても任意の場所でOLCを生成したり、コードから地点を検索することができます。
  • ENT8R氏はOSMが持つノード検索APIで検索パラメータにユーザー名やユーザーID、時間を使えるようにする機能を追加するプルリクエストを送り、機能として取り込まれました。彼はこの機能についての説明をOSM Wikiに追加しました。
  • トラフォード・データラボが、ある地点から指定した時間または距離で到達可能なエリアを計算するLeafletプラグインを開発しました。計算にはOpenrouteserviceが使われています。

ご存知でしたか?

  • 疑わしい変更セットを検索するPascal Neis氏のsuspicious changesetsでは設定した抽出内容をRSSフィードとして扱うこともできます。
  • OSM変更セット分析サービスOSMChaを使うと、変更セット内での編集内容を詳しく見ることができます。いろんなフィルターを使って表示内容を変更することもできます。
  • overpass turboではnwr(user:username)["highway"]のようにuser:usernameを使って検索結果をユーザー名でフィルタすることができます。
  • NASAとOSMのデータを使って温暖化による海面上昇をシミュレートするFlood Maps。地球温暖化によって海面が上昇した時に陸地がどれだけ失われるかを視覚的に見ることが出来ます。

その他の “ジオ” な事柄

  • チャールズ・ダーウィンがビーグル号で世界一周した航路の視点で、Benjamin Schmidt氏が世界地図を作成しました。投影された地図は、北アメリカ大陸やユーラシア大陸が端に追いやられており、違った視点で世界を見ることができます。
  • 気候変動による降水量の変化を地域ごと予測したデータをマッピングした地図をRelevatorが作成しました。
  • Microsoft社がビッグデータおよびAIプロジェクトの一環として、Grab社(オンデマンド配車サービス)に対して戦略的投資を実施しました。
  • [1] Neil Kaye氏はメルカトル図法で描かれた国の大きさを本来の大きさに変化させるアニメーションGifを作成し、TwitterRedditへ投稿しました。
  • サンフランシスコでバックパックに撮影機材を満載して徒歩でストリートビューを撮影している様子がMacRumorsに投稿されました。Appleマップのマークがついており、LIDAR、GNSS、カメラが搭載されています。撮影車両も走っているとのことです。なお今年の6月には、Apple社は将来サードパーティーの地図データを使わないと発表しました。

まもなく開催

場所名称開催日
カールスルーエKarlsruher Hackweekend2018-10-20-2018-10-21germany
コロラドスプリングスDenver Importathon2018-10-22-2018-10-25united states
ブレーメンBremer Mappertreffen2018-10-22germany
アルロンRencontre des contributeurs du Pays d’ArlonInvalid date-Invalid datebelgium
ノッティンガムPub Meetup2018-10-23united kingdom
アルロンEspace public numérique d’Arlon – Formation Consulter OpenStreetMap2018-10-23belgium
ケルンKöln Stammtisch2018-10-24germany
リューベックLübecker Mappertreffen2018-10-25germany
マニラ【MapaTime!】 @ co.lab2018-10-27philippines
レンヌRecensement des commerces du centre-ville2018-10-28france
トロントMappy Hour2018-11-05canada
バンガロールState of the Map Asia 20182018-11-17-2018-11-18india
メルボルンFOSS4G SotM Oceania 20182018-11-20-2018-11-23australia

Note: ここであなたのイベントを見たい場合は、カレンダーにそれを 入れてください。そこにあるデータのみが、週刊 OSM に表示されます。 カレンダー 内で都市や国に言及するのを忘れないでください。

This weeklyOSM was produced by Nakaner, Rogehm, SK53, derFred, k_zoar, muramototomoya.