週刊OSM 387

2017/12/12-2017/12/18

Cattle grids

SomeoneElse’s fork of OSM’s Carto map style rendering of cattle grids 1 | © OpenStreetMap Mitwirkende

マッピング

  • OSMデフォルトマップのバージョン4.6では、低ズームレベルで小さな水域を表示しないようになりました。OSMデフォルトマップの管理者のひとりChristoph Hormann氏(imagico)は、今回の変更により、小さな水域をまとめた巨大ポリゴンが作成されてしまうのではないかと危惧しています。巨大ポリゴンは簡単に壊れてしまうことが多いのです。
  • Martin(dieterdreist)氏が提案した乾式消火栓のタグemergency=dry_riser_inletへの投票が行われています。投票の締め切りは12/31です。

コミュニティ

  • HOTの社長Dale Kunce氏がTwitterでOSMのメーリングリストは「人種差別主義と女性蔑視のたまり場だ」と主張しています。このツイートをきっかけOSMFメーリングリストではさらに別の熱い議論が続きました。最終的に職業外交官がいくつかの常識を説き、加熱しすぎた議論を落ち着けるよう投稿しました。
  • iDエディタのチーフメンテナーBryan Housel氏がHOTメーリングリストを退会しました。HOT編集者から暴言を吐かれたためです。
  • osmf-talkメーリングリストで行動規範策定に関する議論が進められています。John Gilmore氏はThe Atlantic誌の記事から、事前警告によってメンタルヘルスに影響があることを紹介しました。
  • IknowJoseph氏(元HOT役員、元OMSF役員立候補者)が、OSMメーリングリストは人種差別や嫌がらせが蔓延しつつあると述べています。コメント欄でも同様に感じている人が意見を述べています。
  • openstreetmapper氏がドイツ語フォーラムで「ルートヴィヒスブルク(ドイツの都市)の住所マッピングは半分程度残っている」と投稿(自動翻訳)したことがきっかけとなって何人かのマッパーが残っていた半分を数日でマッピングしました。この迅速なマッピングをopenstreetmapper氏は賞賛しています。
  • 北光社(Hokko-sha)氏はNiantic社が運営するIngressの日本コミュニティで地図の切り替えについてアンケートを採りました。146人のエージェント(Ingressプレイヤーのこと)から回答が得られ、63%のエージェントが地図は悪くなったと言っています。彼はエージェント兼マッパー向けにOSM豆知識を用意して地図を充実させるためのマッピングを呼びかけています。

インポート

  • マーケティングを手がけるBrandify社はMAPS.MEと協力してアメリカ国内のウォルマートをすべてOSMにインポートする予定です。彼らはOSM Conflatorを使ってデータを検証するためのページを作りました。
  • Navads社と行われたShellガソリンスタンドのインポート(以前お知らせしました)の経緯を読んだPaul M. Gillard氏は大企業のウェブサイトから店舗のデータを取り出してOSMにインポートできない理由を尋ねています。

OpenStreetMap Foundation

  • タンザニアのOSMコミュニティとRamani Huria(タンザニアのマッピングプロジェクトチーム)が主催した第1回State of the Mapタンザニアが開催されました。ハイデルベルク大学のGIScience研究所はOpenStreetMapの編集方法、MapSwipeを使って航空写真で地物を探す方法やQGISの操作方法についてワークショップを開催してSotMの成功に貢献しました。
  • FOSSGIS e.V.がドイツの正式地方支部になり、Frederik Ramm氏がwikiページ作成しました。

イベント

  • 12/27-31にライプツィヒメッセで開催される34C3でOSMミーティングが開かれます

OSM人道支援

  • HOTは2018年の活動資金の寄付を呼びかける#mapthedifferenceキャンペーンをスタートしました。こちらのページではこのキャンペーンについてと寄付の方法が詳しく説明されています。
  • 2017年は多くのハリケーン、森林火災、地震によって様々な地域が大きな被害を受けましたが、災害がもたらしたものもあります。

地図

  • SomeoneElse氏が、家畜脱出防止柵(barrier=cattle_grid)のレンダリング例を提示しました。

switch2OSM

  • Niantic社の運営するIngress、ポケモンGO、そして今後登場するHarry Potter Wizards Uniteの地図がOpenStreetMapに切り替わり、Googleマップに戻ることはないそうです。OSMでの更新がどのくらいの頻度でゲームに反映されるかはまだ決まっていません。
  • ハンブルク港公社のウェブサイトにあるHamburg Port Mapではドイツ最大のハンブルク港のすべての施設と航行中の船舶の位置がOSMとMapbox GLを使った3D地図上に表示されます。

オープンデータ

  • Emu Analyticsが持つイングランド都市部の建物高さデータをインポートできるようになりました。Rob Nickerson氏はEmu Analyticsから発行された許可書面が届いたことを英国メーリングリストに投稿しています。
  • Mapzenは世界銀行と協力してOpen Traffic Platformを公開しました。このプラットフォームでは匿名化された交通量データをオープンライセンスで使うことができます。
  • ある街で住所番号が大幅に変更され、新住所番号を地図プロバイダ(Google, TeleNav, OSMなど)に提供する方法をRedditで質問しています。OpenAdressesの共同設立者がオープンデータとしての提供を提案しました。
  • チューリッヒ州の地理データが無償で利用可能になります。ビジネスや民間用途での活用が期待されています。

ソフトウェア

  • n42k氏が3Dモデル保管サーバのテスト協力者を募集しています。
  • Map Composer(OSMデータを元に地形地図の作成・デザインJAVAアプリ)バージョン1.0が公開されました。

プログラミング

  • Daniel Patterson氏が自転車で走りやすい道路の指標を作成し、サンフランシスコの道路で可視化しました。
  • Simon Willison氏が、SpatiaLite, OpenStreetMap, Datasetteを使ってタイムゾーンAPIを構築する方法を説明しています。
  • あなたが開発しているアプリで、JOSMにhttps://localhost:8112/経由で遠隔制御でデータを送っている場合、バグトラッカーでこちらのチケットを確認ください。

リリース

  • OSM-Cartoバージョン4.6.0が公開されました。

ご存知でしたか?

  • 送電線と携帯電話基地局を表示するOpenInfraMapでは背景図としてOpenStreetMapが使われています。
  • TwitterでQGISの新バージョン3.0の機能を紹介するアドベントカレンダー

その他の “ジオ” な事柄

  • ラウス(英国リンカンシャー州)のブロガーが街中にあるベンチの多くをブログで個別に投稿しています。
  • EU版GPSのGalileoで使われる新しい人工衛星4機が軌道にのりました
  • ドイツでは2019年から自動車を電車のような形で電化した路線が登場します。私たちはこういったインフラへの適切なタグ付けを議論する時が来たようです。
  • Atlantic誌に「都市化が繁栄をもたらすという神話」という記事が掲載されました。地域が異なれば都市化がもたらす影響も異なることが述べられています。
  • 英国の政府機関、英国陸地測量部が機械学習技術を使って屋根の形状を分類する実験をしています。
  • アメリカ政府はグローバル・ポジショニング・システム(GPS)のバックアップになる測位システムの開発に1000万ドルを投資するそうです。このバックアップシステムについては昨年のアナウンスでも触れられています。

まもなく開催

場所名称開催日
Denver Online High School MitchellPoliMappers’ Adventures: One mapping quest each day2017-12-01-2017-12-31everywhere
UrspringStammtisch Ulmer Alb2017-12-28germany
デュッセルドルフStammtisch2017-12-29germany
エッセンMappertreffen2017-12-30germany
モントリオールLes Mercredis cartographie2018-01-03canada
アルバカーキMAPABQ (join us!)2018-01-03united states
シュトゥットガルトStuttgarter Stammtisch2018-01-03germany
パッサウNiederbayerntreffen2018-01-08germany
リヨンRencontre libre mensuelle2018-01-09france
ナントRéunion mensuelle2018-01-09france
ベルリン115. Berlin-Brandenburg Stammtisch2018-01-11germany
東京東京!街歩き!マッピングパーティ:第15回 品川神社2018-01-13japan
京都市幕末京都マッピングパーティ#01:京の町家と大獄と2018-01-13japan
ブリスベンBrisbane Photo Mapping2018-01-13australia
ローマFOSS4G-IT 20182018-02-19-2018-02-22italy
ボンFOSSGIS 20182018-03-21-2018-03-24germany
ポズナンState of the Map Poland 20182018-04-13-2018-04-14poland
ボルドーState of the Map France 20182018-06-01-2018-06-03france
ミラノState of the Map 2018 (international conference)2018-07-28-2018-07-30italy

Note: ここであなたのイベントを見たい場合は、カレンダーにそれを 入れてください。そこにあるデータのみが、週刊 OSM に表示されます。 カレンダー 内で都市や国に言及するのを忘れないでください。

This weeklyOSM was produced by Nakaner, SK53, Spanholz, derFred, k_zoar, muramototomoya.