週刊OSM 413

2018/06/12-2018/06/18

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    ロシアのFIFAワールドカップ2018スタジアム 1 | © Harry Wood © map data OpenStreetMap contributors

マッピング

  • タグ付けメーリングリストで避難所(amenity=shelter)としてタグ付けされたオブジェクトは明示されなくても建物(building=yes)としての意味を持つのかという質問が投稿され、議論が起こりました。
  • OSM USが実施しているカメラのレンタルプログラムは開始から反響が大きかったようで、レンタルプログラムの内容が少し変更されました。
  • [1] Harry Wood氏がロシアワールドカップのスタジアム地図一覧画像を作成し、wiki.osm.orgの「今週の写真」に採用されました。ШТОСМ氏が各スタジアムのOSMデータをチェックしたところ、他の地図サービスと比べてあまり品質が高くないことがわかりました。スタジアムのマッピングを主導するプロジェクトが立ち上がらなかったこと、スタジアム建設後の衛星写真が撮影されていない場所もあることが原因として挙げられています。なおロシア観光庁のオフィシャルパートナーとしてMAPS.MEが採用されており、そういった意味ではOSMの「勝利」と言えるかもしれません。
  • MapboxはOSMナビゲーションデータマップを停止させます。
  • ノルウェーOSMコミュニティがNorgeibilder地図をトレースする許可を得ました。このオルソ地図はiDでも使えます
  • Mapboxは米国にある23の都市でマイクロソフトのストリートサイド画像から機械学習を使って35,000以上の交差点で184,000以上の進行方向制限を検出しました。検出された進行方向制限は地図で見ることが出来ます(読み込みに時間がかかります)。検出された進行方向制限は手動で検証された後OSMにマッピングされます。

コミュニティ

  • OSMベルギーが選ぶ「今月のマッパー」にMatšeliso Thobei(tshedy)氏(レソト)が選ばれました。Matšeliso氏は現在アイルランドの大学で空間計画を学んでいます。インタビュー記事では、ここ3年にわたるマッピング活動やOSMと出会ったきっかけなどが解説されています。
  • 優先度の高い開発項目トップ10の筆頭に挙げられていた「問題を報告」機能が実装されました。これまでスパムや暴言など問題のある投稿があった場合は、DWGにメールで連絡するといった手段しかありませんでしたが、ユーザ日記や地図メモに"Report"ボタンが設置され、そこから報告できるようになりました。
  • 国際信州学院大学のアクセスマップがOSMに切り替わったとnyampire氏がブログで報告しています。国信大は「架空の」大学として知られています。ウェブページのソースには、「OSM本家に負荷をかけないよう」、独自のマップインスタンスを立てて大学近隣の地図を表示していると記載されています。

イベント

  • SotM Latin America 2018は9/24にブエノスアイレスで開催されます。発表申し込みは8/13までです。
  • Mappy研究所は歩行者やサイクリスト、カーナビゲーション、公共交通機関、人道支援マップツールなど多くの視点からSotM-FR 2018を振り返っています。

教育

  • Víctor Olaya氏は「GIS入門」というドキュメントをCC-BYライセンスで公開しました。GitHubで読むことができます。

地図

  • Richard Fairhurst氏はcycle.travelで駐輪場をクラスタ表示するようにしたとツイートしています。ツイートには以前のスタイルと比較するための画像がつけられています。
  • 先週のWeeklyOSMでLübeck氏のAEDマップを紹介しましたが、残念ながら2017年5月で更新が止まっています。AEDマップはほかにも、wambacherのAEDマップオーストリアAEDマップがあります。
  • Christoph Hormann氏は水に関連するオブジェクトのレンダリングを改善する提案を続けています。彼の提案は「Water under the bridge」や「The way of the water」といったブログ記事で説明されていて、単純なシンボルの置換や追加という領域を超えた大胆な提案になっています。彼は自身の提案の実装例をGitHubに公開しています。

ライセンス

  • EU議会法務委員会で著作権指令の改定案が可決されました。本改定により、ヘッドラインやテキスト抽出に関する付帯著作権の追加や、アップロード時のフィルタリングが導入されることになります。EU本議会での採決は7月第一週に実施される予定です。Wikimediaドイツは本改定について声明を発表しています。WEB署名サービスchange.orgでは、これらの改定に反対の署名を集めています。

ソフトウェア

  • BBBikeの地図データダウンロードサービスがGeoJSON形式に対応しました
  • Mapbox社が地物自動抽出ツールRobotSat公開しました。機械学習により衛星写真から建物や駐車場のエリアを自動で認識することができます。また、森林減少や自然災害への活用も提案されています。しかし、機械学習によるマッピングは、先週のWeeklyOSMで紹介された論文や、Christoph Hormannのブログでも問題点が指摘されています。

プログラミング

  • スマホのセンサや位置情報から人の行動目的を推測するサービスLoc2VecをSentiance社が発表しました。
  • OSMフォーラムで3Dモデルデータについて質問が上がっています。3DマップエンジンOpenGlobus.orgプロジェクト向けのデータを探しているとのことです。
  • Biswesh Mohapatra氏はGoogle Summer of Code 2018への応募からJOSMの公共交通機関プラグインの改善作業までの体験をブログ記事を書いています。
  • Princi Vershwal氏はGoogle Summer of Codeで取り組んでいるiDエディタのベクトルタイルサポートに関するユーザー日記を書きました。この機能では.pdf(Protocolbuffer Binary Format)と.mvt(Mapbox Vector Tiles)形式のデータをサポートしているそうです。

リリース

  • OSM関連ソフトウェアの最新リリース情報はwambacher氏のウェブサイトOSM Software Watchlistで確認できます。
  • osmconvert、osmfilter、osmupdateといったツール群OSM-C-Toolsのバージョン0.9がリリースされました。
  • iDエディタのバージョン2.9.0がリリースされました。Bing Streetsideの360°パノラマ画像レイヤーのサポートなどの機能が追加されています。Streetsideの機能追加をするプルリクエストではマイクロソフトの従業員が画像の使用が許可されるケースと許可されないケースを説明しています。

メディア掲載

  • イタリアのLa Stampa紙ではミラノで開催されるState of the Mapについての記事(有料)が掲載されています。
  • Grab(東洋のUber)はミャンマーやインドネシア、フィリピン、シンガポールなどで開催されるマッパソンのスポンサーをしています。最近マレーシアで大学生ら50人と行われた取り組みがビハインド・ザ・ホイールに紹介されています。

その他の “ジオ” な事柄

  • イーサリアム・ブロックチェーン技術で地理空間情報を管理するFOAM技術についてNastya Parygina氏が解説記事を書きました。FOAMは分散型で、仮想通貨による経済的インセンティブを有することでデータが最新に保たれ、相互位置通信によりGPSより高い精度が得られるとのことです。詳細はホワイトペーパーを参照ください。なおOSMの編集内容チェックやいたずら編集への対応にも役立つとされています。
  • 衛星写真が必ずしも信用できるわけではないことを解説した記事がThe Conversation誌に掲載されました
  • Topi Tjukanov氏はPostgreSQLと拡張機能PostGISについてのブログポストを書きました、普通の地理空間データ利用者向けの記事ですがPostgreSQLやPostGISがどういうものか知りたい、それらを使う価値とは何かを知りたい人も読む価値があります。
  • Xiaomiは世界初となる2周波GNSSスマートフォンを発表し、民生用機器で数10cm程度の精度で測位できるようになりました。2種類の電波とGNSS電波の生データを取得できることで一部のGNSSレシーバに限定されていた測位アルゴリズムへの扉が開かれます。このスマートフォンに搭載されるGNSSチップBCM47755は現在利用可能なすべての衛星測位システム(GPSQZSSGalileoGLONASSBeidou)から発信される電波を受信できます。

まもなく開催

    場所名称開催日
    Mumble CreekOpenStreetMap Foundation public board meeting2018-06-21
    レオーベンStammtisch Obersteiermark2018-06-21austria
    エッセンMappertreffen2018-06-22germany
    京都市幕末京都マッピングパーティ#05:会津藩と京都守護職2018-06-23japan
    エッセン4. OSM-Sommercamp und 10. FOSSGIS-Hackingevent im Linuxhotel2018-06-22-2018-06-24germany
    尼崎あまらぶBosai literacy+:地域防災マップ作成講座2018-06-24japan
    ローマIncontro mensile2018-06-25italy
    ブレーメンBremer Mappertreffen2018-06-25germany
    リューベックLübecker Mappertreffen2018-06-28germany
    デュッセルドルフStammtisch2018-06-29germany
    シュトゥットガルトStuttgarter Stammtisch2018-07-04germany
    ボーフムMappertreffen2018-07-05germany
    UrspringStammtisch Ulmer Alb2018-07-05germany
    伊勢世古をマッピング!:伊勢マッピングパーティ2018-07-07japan
    ミュンヘンMünchner Stammtisch2018-07-10germany
    ケルンKöln Stammtisch2018-07-11germany
    ベルリン121. Berlin-Brandenburg Stammtisch2018-07-12germany
    ミラノState of the Map 2018 (international conference)2018-07-28-2018-07-30italy
    ダルエスサラームFOSS4G & HOT Summit 20182018-08-29-2018-08-31tanzania
    ブエノスアイレスState of the Map Latam 20182018-09-24-2018-09-25argentina
    デトロイトState of the Map US 20182018-10-05-2018-10-07united states
    バンガロールState of the Map Asia 2018 (effective date to confirm)2018-11-17-2018-11-18india
    メルボルンFOSS4G SotM Oceania 20182018-11-20-2018-11-23australia

    Note: ここであなたのイベントを見たい場合は、カレンダーにそれを 入れてください。そこにあるデータのみが、週刊 OSM に表示されます。 カレンダー 内で都市や国に言及するのを忘れないでください。

This weeklyOSM was produced by Nakaner, derFred, k_zoar, muramototomoya.

One Reply to “週刊OSM 413”

  1. Muchas gracias por la información sobre el teléfono de precisión submétrica. De verdad que gracias.