Author: weeklyteam

週刊OSM 473

2019/08/06-2019/08/12

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    北朝鮮におけるOpenStreetMap編集の詳細な分析 1 | style © Mapbox – data © OpenstreetMap contributors

マッピング

  • MaprouletteのTwitterアカウントは、米国ワシントン州にある手つかずのTIGER道路データのチェック呼びかけています。TIGERデータのインポートから12年経ちますが、マッパーの手によってチェックされていないデータがワシントン州だけでも15,000以上あります。
  • フィリピンのOSMコミュニティがAI技術を使ってフィリピンのマッピング率を向上させる取り組み「Tabang-AI」を発表しました。プロジェクトの詳細はWikiで説明されています。

コミュニティ

  • Clancy Wilmott氏(ロイヤルメルボルン工科大学)が、OSMのタグ体系を政治的な観点から評価した論文を発表しました。Wilmott氏は、マッピングにあいまいさを追加し、状況化された知識を糧とし、クトゥルフを受け入れることが必要であると述べています。
  • 開発資源マッピング地域センター(RCMRD)がオープンソースのツールやデータを扱うための講習を行いました。Suchith Anand氏は地理空間情報の講習や研究で使えるOSGeoの教材紹介しています。
  • Gunmac氏がタゴールホーム中等学校で行った地理空間教育活動についてユーザー日記を書いています。
  • モランディ橋崩落前後のリグーリア州(イタリア)の道路網を分析した論文がVincenzo Petito氏らによって発表されました。分析にはOSMのデータが使われています。分析に使われたJGraphTライブラリはパフォーマンスを向上させるために並列処理向けの改良が施されました。
  • 2007年から2011年までを振り返る地図をChristian Quest氏が作成しました。1年ごとに1レイヤー用意されていて、フランスの地図スタイルでレンダリングされています。
  • Wonyoung So氏は北朝鮮を編集するマッパーについて、詳細な分析を発表しました。
  • 真のボランタリー地理情報VGIとはどのようなものでしょうか。科学論文等ではOSMはVGIとして扱われていますが、Christoph Hormann氏はOSMはVGIではないと考えています
  • 8/1~3にフィリピンで開催されたPista ng Mapaでは、AIに関して2つのセッションがありました。Ardie Orden氏のライトニングトークと、Facebook社のRapiDエディタとHOT Tasking Managerを使った開催地ドゥマゲテ周辺エリアが対象のマッパソンです。カンファレンスのクロージングでは、フィリピンの道路網のマッピングにAI支援ツールを使う取り組み、Tabang-AIが主催者から発表されました。

OpenStreetMap Foundation

  • OpenStreetMap Foundationがグローバルとローカルコミュニティに関するアンケート調査を行っています。また、OSMFではアンケートの調査項目と回答の翻訳を支援できる人の募集も行っています。

イベント

  • HeiGITのBennie氏がOSMワークショップのレポートを書いています。このワークショップはHeiGITとGIScience HDによってフリードリヒ・シラー大学イェーナで開催されました。
  • 8月上旬にフィリピンのOSMFOSS4Gコミュニティがオープン地理空間カンファレンスPista ng Mapaを開催しました。2.5日間で166人の参加がありました。地元のGOwin氏はカンファレンスを数字で振り返っています。
  • ドイツ外務省の公開日では様々な省庁や組織の代表者がプロジェクトの紹介をすることができます。HeiGITはこの公開日でMissing Mapsを中心に「人道支援」を紹介する予定です。

OSM人道支援

  • HOTが2019~2021年の長期計画を発表しました。HOTはより速く、より高品質なデータを10億人が住むエリアに追加することを目指します。
  • Emmanuel Kourouma氏はGeoSynapseと国境なき医師団が共催した2週間のマッパソンについてブログを書きました。

switch2OSM

  • スイスのチューリッヒ救急局でOSMデータが使われていることがメーリングリストで紹介されました。またOSMデータの収集にも取り組んでおり、wikiページも作成されています。

    なおメーリングリストの議論では、スイスやドイツで救急機関がOSMを利用している他の事例が紹介されています。

オープンデータ

  • ロンドン交通局がグレーター・ロンドン地区の自転車向け施設を集めた巨大データベースを作成し、オープンデータとして公開しました。自転車向けナビサービスCycleStreetsは、このデータがOSMに利用可能であるか検討を進めています。

ライセンス

  • ライセンスワーキンググループは、帰属に関するすべてのガイダンスを1つのドキュメントに統合し、過去7年間に一般的になったいくつかのユースケースに対応する取り組みを始めました。Simon Poole氏がこの取り組みと草案をトークメーリングリストに投稿したことで帰属に関する議論が始まりました。

ソフトウェア

プログラミング

  • 精神衛生の研究者や地理空間情報の研究者が共同で、都市の緑地が都市居住者のウェルビーイングに与える影響についての研究を発表しました。被験者達には特別なスマートフォンが渡され、1日に数回、1週間のあいだ気分の評価をするよう依頼されました。被験者達は都市の緑地割合が多い状況で高いレベルのウェルビーイングを示したそうです。
  • Frederik Ramm氏はOSM APIにアップロード制限を追加することを提案しました。RailsポートのリポジトリとCgimapのリポジトリのどちらにも提案が作成されています。
  • 巡回セールスマン問題として知られるようにルート最適化は重要な問題ですが、複数の配達車両で、各運転員の実働時間が規定され、配達先の受け取り時間帯も指定されている場合、最適化は非常に難しいものになります。

    HeiGITはサイクロン・アイダイで大きな被害を受けたモザンビークの都市で医療品を配達するケースを事例にして、OSMデータとルート最適化ツールVROOMを使った最適化方法を検討しています

  • Paul Kernfeld氏はOSMで一般的に使われる.osm.pbfファイルをXMLよりもはるかにコンパクトにする方法を説明しています。

リリース

  • OSMオフラインマップアプリMaps.MeがApple CarPlayに対応しました。CarPlay対応端末からMaps.Meアプリを操作することができるようになります。
  • StreetComplete v13.0では新しいクエストが追加され、今までのクエストのいくつかも強化されています。

ご存知でしたか?

その他の “ジオ” な事柄

  • リュブリャナ市(スロベニア)のウォーキング地図にOSMデータが使われていますが、権利者表示されていませんでした。
  • Mapboxが日本での事業開始を発表しました。彼らは日本でのパートナーとなったゼンリン社と協力してYahoo! JAPANの新しい地図を作っています。
  • Matt Brown氏はロンドンでMinecraft Earthを1か月間プレイしたレポートを公開しています。
  • 世界一急勾配の坂はダニーデン市(ニュージーランド)からウェールズに奪われてしまいました。しかしダニーデン市の坂は直線で平均的に急勾配であるのに対し、ウェールズの坂は曲がりくねっており急勾配なのは一部だけであるとダニーデン市の住民が批判しています。世界一の座を取り戻す策として、坂をさらに舗装して勾配を上げる、近くにあるさらに急勾配の未舗装道路を舗装する、ウェールズの坂を平らにならす、といった案が挙げられています
  • Googleマップは地図データ生成を自動化したことにより、スイス国立公園内に超高層ビルをつくったり、通行禁止のハイキング道を案内したり、自動車で階段を走らせようとしたりしています。OSMではFacebookが開発したAIで生成した道路を人間がチェックして地図に反映するアプローチをとっており、Googleマップでも同様の手法が必要ではないかとSebastian Grüner氏は考えています
  • ガーミンEdge GPSデバイスに無料地図を入れる方法がDC Rainmakerに掲載されました。地図データはGarmin.OpenStreetMap.nlからダウンロードして簡単にインストールすることができます。
  • 可視光で撮影した衛星写真とレーダーで計測した衛星画像を組み合わせて人間の活動マップを作成するUrban TEPに対して欧州宇宙機関は支援を行っています。Mark Altaweel氏の記事ではデータの活用方法などについて解説されています。
  • 土星の衛星を発見したことなどで有名なカッシーニですが、地球の地図作成においても大きな業績を残しました。フランスの地形図作成プロジェクトを開始し、孫の代で初のフランス全域地形図を完成させました。彼の業績についてはJay Foreman氏とMark Cooper-Jones氏が作成した動画をご覧ください。
  • マサチューセッツ大学アマースト校がDeepRoofと呼ばれるツールを作成しました。DeepRoofではGoogle Earthなどから入手可能な安価な衛星画像データを使って太陽光発電が可能な屋根を識別でき、その精度は91%に達しているそうです。

まもなく開催

    場所名称開催日
    大阪市みんなで東淀川区の魅力を発信しよう!2019-08-18japan
    メルボルンIndigenous name mapathon2019-08-20australia
    ケルン・ボン空港Bonner Stammtisch2019-08-20germany
    リューネブルクLüneburger Mappertreffen2019-08-20germany
    リューベックLübecker Mappertreffen2019-08-22germany
    亀岡京都!街歩き!マッピングパーティ:第11回 出雲大神宮2019-08-24japan
    ブレーメンBremer Mappertreffen2019-08-26germany
    ソルトレイクシティSLC Map Night2019-08-27united states
    ViersenOSM Stammtisch Viersen2019-08-27germany
    デュッセルドルフStammtisch2019-08-28germany
    ドルトムントMappertreffen2019-08-30germany
    ゴールウェイGalway mapping party2019-08-31ireland
    前橋市オープンストリートマップセミナーとマッピングパーティ2019-09-01japan
    ロンドンMissing Maps Mapathon London2019-09-03united kingdom
    シュトゥットガルトStuttgarter Stammtisch2019-09-04germany
    ボーフムMappertreffen2019-09-05germany
    ドレスデンStammtisch Dresden2019-09-05germany
    モンルージュRencontre des contributeurs de Montrouge et alentours2019-09-05france
    ミネアポリスState of the Map U.S. 2019 [1]2019-09-06-2019-09-08united states
    エディンバラFOSS4GUK 20192019-09-18-2019-09-21united kingdom
    ハイデルベルクErasmus+ EuYoutH OSM Meeting2019-09-18-2019-09-23germany
    ハイデルベルクHOT Summit 20192019-09-19-2019-09-20germany
    ハイデルベルクState of the Map 2019 [2]2019-09-21-2019-09-23germany
    ダッカState of the Map Asia 20192019-11-01-2019-11-02bangladesh
    ウェリントンFOSS4G SotM Oceania 20192019-11-12-2019-11-15new zealand
    グラン・バッサムState of the Map Africa 20192019-11-22-2019-11-24ivory coast

    Note: ここであなたのイベントを見たい場合は、カレンダーにそれを 入れてください。そこにあるデータのみが、週刊 OSM に表示されます。 カレンダー 内で都市や国に言及するのを忘れないでください。

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