2017/06/13-2017/06/19
マッピング
- Microsoft 社が OSM コミュニティ向けに公開したアメリカ国内約980万棟分の建物ポリゴンデータ(44の州で102都市のデータ)に関する日記を Chetan_Gowda 氏が書きました。彼は記事の中で公開されたデータの品質は総合的に良質なものだと判断しましたが、都市ごとにデータ品質が異なる可能性があるため、インポート作業をする前にそれぞれの都市ごとにデータ品質をチェックするように促しています。日記のコメントでは彼がデータの品質を良好だと判断した理由を聞かれています。
- Christoph Hormann 氏が高解像度衛星写真を使って水位変化のある水域の水涯線や海岸線をマッピングする方法を解説しています。
- マルチポリゴンのタグ付け方法で、古いやりかたではouterウェイとリレーションに同じタグをつけていました。現在はリレーションだけにタグをつけることになっており、今回リリースされたOSM Carto 4.0では古いタグ付け方法の描画がサポートされなくなりました。古いタグ付けを修正するチャレンジをJochen Topf氏が作成しました。
- Volker Schmidt 氏がいわゆる「自動車教習所」のマッピング方法を質問しています。
- Joachim氏が
place=*
をエリアとして描く際に、新タグboundary=place
をエリアまたはリレーションに付与する方法を提案しました。 - 車道区分に応じて、隣接する歩道・自転車道につけるタグを変える提案がMalte Heynen氏から挙げられました。車道の交通量が多い歩道・自転車道を避けるルート検索に使うことが想定されています。プロポーザルでは、国道に隣接する自転車道であれば、
cycleway=sidepath:primary
をつけるよう提案されています。 - Lukas Sommer氏が提案した、nameタグに使われている言語を指定するタグ
name:language=<code>
は、賛成57%(投票数26票)で承認されましたが、Sommer氏はブラッシュアップして再提案する意向です。 - Topo Lusitania によるとアゾレス諸島にあるサンジョルジュ島が「沈没」してしまったそうです。この問題は今週の週刊OSMを翻訳している時点で解決していません。
- Polyglot 氏が JOSM の公共交通機関マッピング支援プラグイン(PT_Assistant)を使ったオンラインマッピング講習を開催しようとしています。
- marthaleena 氏が彼女の故郷であるヴィシャーカパトナム(インド)をマッピングする時のポイントを説明しています。
- Pascal Neis 氏は FOSSGIS & OpenStreetMap カンファレンス2017で発表した「OSM での破壊行為の検出」(発表動画)の概要をブログ記事として公開しました。
コミュニティ
- Antoine Riche氏がフランス国内で開催されるOSMミーティングマップを作成しました。
- OSM Award の候補者募集について Ilya Zverev 氏がアナウンスしています。募集の期限は7月9日までです。受賞者の発表は8月の SotM 2017 会津若松で発表されます。
- イヴリー=シュル=セーヌ市(フランス)で、ディアンギルデ市(マリ)のマッピングが実施されました。両市は姉妹都市提携を結んでいます。
- あるユーザに、ドイツエネルギー・水管理協会から消火栓位置情報の公開を停止するよう通知が来たとのことです。OpenFireMapなどで消火栓位置の一覧が見えますが、消火栓位置情報を公にするとセキュリティの問題が生じるのだそうです。なお過去には英国で同様の問題がありました。
- アプリ多言語化サービスTransifexにはOSMエンティティがあり、OSM関連プロジェクト間で訳語の統一などに使えるそうです。
OpenStreetMap Foundation
- OSMF エンジニアリングワーキンググループの会議録が公開されました。
イベント
- 6月12日から24日にかけてニジェール共和国のニアメで開催された、OSM、QGIS、geOrchestra を扱うための2つのワークショプについて Sev_osm 氏が Twitter で報告しています。この取り組みは、ニジェール共和国、ベナン共和国、ブルキナファソ共和国、トーゴ共和国の OSM コミュニティや “Les Libres Géographes (LLG)“、Project EOF がサポートしています。
- ペルーの Mapbox チームが6月15日にアヤクーチョにあるマリスカル・カレセス中等学校で4年生と5年生を対象にした OpenStreetMap のワークショップを開催しました。OpenStreetMap ではさまざまな地理情報を簡単に編集できることに学生達は驚いていたそうです。
- 6月6日にペルーのリマで開催された「農民協同組合の復興に関する会議」に OSM ペルーも参加しました。数ヶ月前の大規模な洪水の深刻な被害からの復興を目指します。
OSM人道支援
- クレアモント大学院大学(アメリカカリフォルニア州)のドラッカー研究所は2017年ドラッカー賞候補を252団体から50団体まで絞り込まれ、HOT も勝ち残っています。10万ドルが贈られるというドラッカー賞の受賞者は9月29日に発表されます。
- HOT インドネシアはインドネシア大学地理学部の学生とマッパソンを開催しました。
- Fatima Alher 氏が6月17日にニアメ(ニジェール共和国)で開催されたマッパソン(イベントセクションで紹介したもの)についてツイートしています。このマッパソンではボコ・ハラム(サラフィー・ジハード主義組織)の侵略を受けたディファ州周辺の地図を作ることが目的でした。詳しくは HOT のメーリングリストのアナウンスをご覧ください。
- HOT社が、世界地震モデル組織GEMおよびImageCatと、複合災害リスク分析に用いる世界災害データベースの開発で提携しました。
地図
- CartoCSSがメジャーバージョンアップして4.0になりました。公式アナウンスはまだ出ていないのですが、メーリングリストにちら ほら出ています。LUAを使った前処理によって、描画スタイルの自由度が向上しています。
- ハイデルベルク大学 GIScience の HeiGIT はアフリカ、南米、インドネシアで OSM データを使って人道的に必要な物流を支える OpenRouteService(ORS) の災害対策専用に安定化したバージョンをリリースしました。
- カスタム地図描画サービスLokaler Editorがベータ版になりました。地図の色を変えたり、メモの表示などができるようになりました。正式版は今秋に開始され、SVG出力などもサポートされる予定です。2018年にはソースコードも公開されます。Spanholz氏は地元警察に本サービスを提供して、お祭りの緊急通路マップ作成などに役立てているとのことです。チュートリアルビデオもあります。
- [1] OSM の地図メモを最終編集日で分類して地図に表示する方法を pole_climber 氏が丁寧に説明しています。
ライセンス
- ミラノの自治体がインポートしたいくつかの噴水式水飲み場のデータを巡ってライセンスの互換性についての議論が交わされました。
ソフトウェア
- Jean-Maxime Fillau 氏は OSRM プロジェクトに対して、経路検索エンジンが目的地にアクセスできるレーンへ車両を誘導するように計算するオプションを追加しました。配送トラックや消防車などの経路を計算するときに便利です。
プログラミング
- Graphhopper 社では Graphhopper プロジェクトの開発に参加するフリーの開発者や企業を探しています。ルーティングエンジンの改良や jsprit の実装などのタスクがあるそうです。
リリース
ソフトウェア | バージョン | 更新日 | 備考 |
---|---|---|---|
Komoot Android * | var | 2017-06-14 | No infos. |
Mapillary Android * | 3.60 | 2017-06-14 | More robust EXIF reading, fix of stray images upload problems. |
Mapillary iOS * | 4.7.1 | 2017-06-14 | Two bugs fixed. |
OSRM Backend | 5.7.4 | 2017-06-14 | Bugfix release. |
StreetComplete | 0.12 | 2017-06-16 | New languages: Ukrainian and Finnish, warning dialog if user tries to add information not at his location, bugfixes. |
Kurviger Free * | 1.1.0-2 | 2017-06-17 | Changes in navigation, geocoding and UI. |
Simple GIS Client * | 9.1 | 2017-06-18 | Changes for the US Census API service, better memory management for big OSM datasets. |
Provided by the OSM Software Watchlist. Timestamp: 2017-06-19 14:20:12+02 UTC
(*) unfree software. See: freesoftware.
ご存知でしたか?
- OSM の地図がクレジット表記なしに使われていた場合の対処法
- ベルギーの OSM コミュニティが運営するサイトは3つの言語で表示ができます。
- ベルリン公式サイトberlin.deの都市地図にOSMが採用されています。
- Edmund Mach Foundation が運営するサイトでダウンロードできるイタリアの OSM データは毎日更新されています。
メディア掲載
その他の “ジオ” な事柄
- 多国籍研究チームがScienfitic Data誌に、リモートセンシングで推定した土地利用状況をクラウドで検証した結果について論文投稿しました。GeoWikiでデータをとり、推定精度を評価しました。また今後の研究に使えるようにデータセットを公開しています。
- ハイデルベルク大学は地理空間情報を扱えるソフトウェア開発者を募集しています。
- ResearchNReports社が「クラウドGIS市場将来予測2017-2021」を出版しました。クラウドGIS産業の成長率や需給予測などが掲載されています。価格は2800ドルです。
- インドではGoogleに先駆けてMapMyIndia社が地図データ整備やGPSナビサービスを提供しています。MapMyIndia社は企業向けに地理分析に使えるデータなども提供しています。
- ff5722 氏は中国に450万kmもの道路が実在しているかどうかを尋ねています。いくつかの異なるアプローチの推定をみるとその数字は確からしいように見えます。現在中国国内で OSM の道路データは120万kmほどしかないため、詳しい分析に使うことはできません。
まもなく開催
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Note: ここであなたのイベントを見たい場合は、カレンダーにそれを 入れてください。そこにあるデータのみが、週刊 OSM に表示されます。 カレンダー 内で都市や国に言及するのを忘れないでください。
This weeklyOSM was produced by Anne Ghisla, Nakaner, Peda, PierZen, Rogehm, SK53, derFred, jinalfoflia, k_zoar, muramototomoya, wambacher.