週刊OSM 459

2019/04/30-2019/05/06

    OSM-Suspicious

    Pascal Neis氏のOSM-Suspiciousで建物データの品質がチェックできます 1 | © Pascal Neis under CC-BY-SA 3.0

マッピング

  • n76氏が草案を作成してから4年が経ったcamp_site=camp_pitchへの投票が遂に始まりました。キャンプサイトの中でテントを張れる場所やキャンピングカーを設置できる場所をマッピングできるようになります。
  • amilopowers氏が低騒音舗装アスファルトをsurface=whispering_asphalt またはsurface=silent_asphaltでタグ付けすることを提案しました。しかしメーリングリストでは、asphalt:type=*asphalt=whispernoise_reducing_surface=yesのほうが良いという意見が多く挙がっています。
  • iDエディタでは多くの国で違法となっている大麻の販売店をタグ付けするプリセットが追加されました。
  • おむつ交換台へのタグ付け提案は投票が開始されてから様々なフィードバックを受けています。

コミュニティ

  • Enock Seth Nyamador氏(OSM ガーナ創設者)はミュンヘンでGISの修士課程に進学しましたが、奨学金を得ることができなかったため、クラウドファンディングで学費を募っています。
  • メキシコのOSMコミュニティメンバーMiriam Gonzales氏とCéline Jacquin氏が現地のテレビ局TV UNAMからOSMについてのインタビューを受けました。
  • ロシアのOSMマッパーへのインタビューシリーズをValeriy Trubin氏が始めました(第一回目第二回目)。OSMとの出会い、将来予想、OSMで変えたいこと、などが質問されています。
  • ロシアで「春の階段」活動が4月末に実施され、住居建物入口の階段とその建物番号をマッピングしました。その結果、1500個の階段がOSMに追加されました。
  • Maitraye Das氏(ノースウェスタン大学(米国))がコンピュータ科学学会で、米国における性別によるOSMマッピング傾向の違いについて発表しました。性別が判明した2000名のマッパーを対象に、「男性的マッピング」「女性的マッピング」(研究内で定義された用語)のスコアを調べたところ、性別による傾向の違いは見られなかったと結論付けられました。
  • ポカラ市(ネパール)はOpenStreetMapを使って紙の地図帳を作成しました。カトマンズ生活研究所とポカラ市が協力して多くの地物をマッピングし、OSMを市内で最も充実した地図にしています。詳しくはカトマンズ生活研究所のブログ記事をご覧ください。

インポート

  • Robert Bell氏(OSMアカウント名:Itsamap!、Redditアカウント名:bjjptq)が、地域のデータを入手してOSMにインポートする詳細なやり方を解説しています。地域自治体のGIS担当者との継続的な対話が重要であると述べられています。インポートに関するアドバイスも記載されています。

OpenStreetMap Foundation

  • 4/24のOSMF理事会の議事録が公開されました。GlobalLogicとの交渉部分については非公開になっています。

イベント

  • Srikar Arepalli氏が7月にハイデラバード(インド)で開催されるVNR GNU/LinuxユーザーグループカンファレンスでOSMについて講演できる人を探しています。
  • State of the Map Africaはグラン・バッサム(コートジボワール)で11/22~24にかけて開催されます。奨学金の申請は5/20まで。発表の申し込みは5/31までとなっています。
  • 欧州宇宙機関(ESA)はLiving Planetシンポジウムで2つのマッピングタスクをスタートさせました。TeachOSMのタスクマネージャーに気候変動による海面上昇の影響を受ける地域のタスクと森林破壊に関するデータを収集するためのタスクが用意されています。
  • OSMフランスはSotMフランス2019の中で開催される年次総会の概要を発表しました。
  • OSMオーストリアはウィーンで開催されたMaker Faire Vienna 2019でのブース出展に関する2つのブログ記事(1,2)を公開しました。
  • OpenSaar e.V.はLibre Graphics Meeting 2019に向けた準備としてザールブリュッケン(ドイツ)でマッパソン開催します。マッパソンの開催にはザールブルクの euYoutH_OSMやドイツの国境なき医師団が協力しています。

OSM人道支援

  • 台湾で実施されたマッパソンで、Kuo-Yu Chuang氏がHOTおよびMissingMapsについて紹介しました。
  • ハイデルベルク大学のGIScience研究グループのMelanie Eckle氏が5/13~14にかけて開催されるMulti-Hazard Early Warning conferenceに参加し、大学が提供している災害支援関連サービスやMissing Mapsを紹介する予定です。
  • タスキングマネージャーの次期大型アップデートで機械学習などが取り入れられることに対応するため、HOTはマッピングおよび検証作業におけるワークフローの分析を実施しました。Leihla Pinho氏は、データ品質の向上、マッピングスピードの向上、マッピング外作業の低減に関してブログ記事を投稿しました。

地図

  • NPO団体Museos Abiertosは博物館や政府が保有する文化遺産データのオープン化に取り組んでおり、ブエノスアイレス市の博物館マップ作成しました。
  • Jeisenbe氏はOSMの標準地図スタイルで尾根をレンダリングさせるためのプルリクエストを送りました。現在も議論が行われていますが、その内容は山岳マッパーに有益なものかもしれません。
  • 英国の鉄道運営会社ナショナル・レールは駅の障碍者向けマップ作成しました。背景地図にOSMが使われています。
  • ベルギーで4つの公共交通運営会社が、各車両の現在位置を調べるSmart Mobility Plannerを共同で開発しました。背景地図にOSMが使われています。

オープンデータ

  • 英国産業省は交通データのオープン化を支援しており、ノッティンガム交通は自社のバスデータをオープン化しました。データはOSMデータと対応できる形で提供されました。

ライセンス

  • Javaのライセンス変更に関して、フリーバージョンのJava, OpenJDK, オラクルJRE8に関しては今までと何も変わらないとJOSM開発者が声明を発表しました。したがってJOSMへの影響はなく、現在使っているJavaの使用を続け、アップデートも適用し、コミュニティがOpenJDK対応版を出すのを待つことが勧められています。

ソフトウェア

  • iDエディタの次期バージョンでは、wikidataタグが付いたオブジェクトは削除できないようになると開発者のBryan Housel氏がアナウンスしました。経験の浅いユーザは、wikidataタグが付いたplaceノードを誤って削除してしまうことが多いためです。ただしwikidataタグを先に削除するとこの機能は働きません。
  • OSM履歴分析プラットフォームohsomeの解説シリーズ第5回をFabina Kowatsch氏が公開しました。
  • Pascal Neisはosm-suspiciousを使って角が直角でない建物を抽出できることを紹介しました。

プログラミング

  • 今年のGoogle Summer of Codeでは5つのOSM関連プロジェクトが実施されます。

    • Iason Manoloudis: OSM2Worldでの信号機3D表示
    • Thomas Hervey: HOTタスキングマネージャーの統合
    • Tanya Haddad: NominatimへのWikidata追加
    • Vishal R: 建物バウンディングノードの生成および品質保証
    • Ashish Singh: JOSMのPT_Assistantプラグイン
  • Android Q以降に導入されたアプリ別とメディア別のストレージ「Scoped Storage」が地図アプリに与える影響についてSimon Poole氏が説明しています。
  • Ilya Zverev氏が経路検索エンジンOSRMの流行り廃りについてブログ記事を書きました。当初はMapboxに採用されていましたが、同社はValhallaに乗り換えてしまいました。

リリース

ご存知でしたか?

  • Christopher Beddow氏からの要望で「How did you contribute to OpenStreetMap?(HYDC)」の使用エディタへRichard Fairhurst氏作成のDerivisteエディタが追加されました。
  • IngressPokémon Goに続くNiantic社の第三弾位置情報ゲームハリー・ポッター:魔法同盟の配信は2019年第二四半期の予定です。
  • Richard Fairhurst氏が開発した自転車用マップcycle.travelは、自転車向けのsurface=タグやアクセス制限が反映されています。
  • 小型機器バッテリーのリサイクル可否はrecycling:batteries=yes/noですが、自動車用バッテリーはrecycling:car_batteries=yes/noです。ほかにも70種類ものリサイクル品がwikiに記載されています。

メディア掲載

  • Funes市(アルゼンチン)でのFranco Benedetti氏(@mweper)のマッピング活動がInfofunes.com.ar紙に掲載されました。

その他の “ジオ” な事柄

まもなく開催

    場所名称開催日
    イヴレーアIncontro Mensile2019-05-11italy
    京都市京都!街歩き!マッピングパーティ:第8回 柳谷観音2019-05-12japan
    レンヌRéunion mensuelle2019-05-13france
    ボルドーRéunion mensuelle2019-05-13france
    チューリッヒOSM Stammtisch Zurich2019-05-13switzerland
    リヨンRencontre mensuelle pour tous2019-05-14france
    ソルトレイクシティSLC Mappy Hour2019-05-14united states
    ハンブルクHamburger Mappertreffen2019-05-14germany
    トゥールーズRencontre mensuelle2019-05-15france
    カールスルーエStammtisch2019-05-15germany
    プラハWikimedia Hackathon 20192019-05-17-2019-05-19czech republic
    ReadingReading Missing Maps Mapathon2019-05-21england
    ケルン・ボン空港Bonner Stammtisch2019-05-21germany
    ダービーDerby pub meetup2019-05-21england
    リューネブルクLüneburger Mappertreffen2019-05-21germany
    リューベックLübecker Mappertreffen2019-05-23germany
    モンルージュRencontre mensuelle de Montrouge et alentours2019-05-23france
    Greater Vancouver areaMetrotown mappy Hour2019-05-24canada
    ブレーメンBremer Mappertreffen2019-05-27germany
    ソルトレイクシティSLC Map Night2019-05-28united states
    ザールブリュッケンMapathon OpenSaar/Ärzte ohne Grenzen/EuYoutH_OSM/Libre_Graphics_Meeting_20192019-05-29germany
    モンペリエRéunion mensuelle2019-05-29france
    デュッセルドルフStammtisch2019-05-29germany
    モンペリエState of the Map France 20192019-06-14-2019-06-16france
    アングラ・ド・エロイズモErasmus+ EuYoutH_OSM Meeting2019-06-24-2019-06-29portugal
    ミネアポリスState of the Map US 20192019-09-06-2019-09-08united states
    エディンバラFOSS4GUK 20192019-09-18-2019-09-21united kingdom
    ハイデルベルクErasmus+ EuYoutH_OSM Meeting2019-09-18-2019-09-23germany
    ハイデルベルクHOT Summit 20192019-09-19-2019-09-20germany
    ハイデルベルクState of the Map 2019 (international conference)2019-09-21-2019-09-23germany
    グラン・バッサムState of the Map Africa 20192019-11-22-2019-11-24ivory coast

    Note: ここであなたのイベントを見たい場合は、カレンダーにそれを 入れてください。そこにあるデータのみが、週刊 OSM に表示されます。 カレンダー 内で都市や国に言及するのを忘れないでください。

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