2018/07/31-2018/08/06
SotM 2018
- State of the Map 2018 Milanの奨学金を受け取る要件の一つに参加レポートの執筆がありました。現在次のような方々がレポートを書いています。
- arnalielsewhere氏(フィリピン共和国)
- Austin Zhu氏(中華人民共和国)
- Kateregga1氏(ウガンダ共和国)
- Christoph Hormann氏はブログでSotM 2018 Milanについて批判的なブログを書いています。参加者リストを分析した結果、仕事として参加するビジネスマン、自費で飛行機による移動が可能な富裕マッパー、開催地の地元コミュニティメンバーと言った3つのグループに分類でき、本来の多様性を持ったOSMコミュニティを反映していないと言っています。
- 奨学金レポートの他にもSotM 2018 Milanへの参加レポートが公開されています。Open Data Institute、Klokanテクノロジー(OpenMapTiler)、Ilya Zverev氏。
- Christoph Hormann氏(imagico)がベクトルタイルに関する議論に追加ブログを書きました。技術的な問題や、開発者の数が少ないことを指摘しています。
- Ilya Zverev氏、Vladimir Elistratov氏、Timofey Subbotin氏、Daniil Kirsanov氏、Victor Shcherb氏の5人がSotM 2018 Milanで見聞きした内容をまとめたポッドキャストを録音しました。Ilya氏はユーザー日記にポッドキャストの概要を書き、英語圏のコミュニティへ広めるために全体を英語で文字起こししたドキュメントを公開しています。
マッピング
- 一部の国立公園では外来種などによって生態系を壊さないよう入園時に靴などの履物を洗浄する必要があります。タグ付けメーリングリストではこういった履物を洗浄する施設へのタグ付け提案について、投票が始まったことがアナウンスされました。
コミュニティ
- どのノードも、ウェイも、リレーションも取り残さない。ある土地の所有者が、私有地内の道路をOSMから削除しました。敷地侵入のトラブルがあったためです。チェンジセットでの議論の結果、この編集はリバートされ、私道には
private
をつけることになりました。 - Chetan Gowda氏はいくつかの国や地域でOSMのデータがどのように充実していったかをGIFアニメーションを作成しました。彼はMacでMapolutionを使ってアニメーションを作成する手順をGIFアニメーションと一緒にユーザー日記に書いています。この記事を受けて、松村氏が四国のアニメーションを作成しました。
- OSMセネガルコミュニティが、ダカール市内のDakar Dem Dikk社が運営する公共交通機関のマッピングを完了しました。11団体がマッピングに参加したとSotMフランスで報告されました。
- ワシントン州の道路マッピングに尽力したClifford Snow氏へのインタビューがMapboxブログに掲載されています。彼はインタビューの中でマッピングプロジェクトを始めたきっかけやソースとなるデータセット、使ったソフトウェアツールやその方法について答えています。
- Frederik Ramm氏はトークメーリングリストでSAGE Journalsに掲載された論文を紹介しています。論文の著者は10年以上に渡ってOSMのデータ構造が変化していないことを挙げ、その原因を「ソフトウェアを設計できる少数のメンバーがプロジェクトを率いている」としています。john whelan氏は論文の著者の言うとおりデータ構造を変更する必要があるか尋ねています。
- 世界の最果てともいえるキルギスタンの天山山脈(ヒマラヤ山脈の一部)でOSMマッピングがどのように行われたのかXamanu氏が記事を投稿しました。近隣大学の学生がGPS機、ペン、紙など従来のやりかたで、地元民向けのマッピングを実施しました。特にこの地域で需要が高い水源情報の改善に力を入れました。
インポート
- omgitsgela氏はマサチューセッツ州にインポートされた住所データを修正する時のワークフローと都市の特定エリアの詳細マッピングで更新した内容をユーザー日記に書いています。
OpenStreetMap Foundation
- OSMFの運営チームは高負荷になっている北米のタイルサーバーの負荷を軽減するために新しいタイルキャッシュサーバーかレンダリングサーバーを探しています。それぞれのサーバーの要件はOSM Wikiにまとめられています。
- OpenStreetMapベルギーがOpenStreetMap Foundationの地方支部となりました。OSMフォーラムの投稿によるとSotM 2018 Milanの3日目に発表が行われ、その様子は動画で見ることができるそうです。
イベント
- アバディーン(スコットランド)で開催されるオープンデータの’アンカンファレンス’オープンデータキャンプ6のチケット販売第1段が完売しました。次の販売は8/15からです。
OSM人道支援
- OpenStreetMapペルーは厳しい寒波に見舞われたヤウヨス郡(ペルー共和国)のマッピングプロジェクトに参加しました。このプロジェクトはボランティア団体Unidad4x4の要請によって開始されたものです。寒波に見舞われた地域の地図を更新したことで支援者達が薬や食料、暖かい服を届ける事ができました。
- Pierre Béland氏が北部コンゴ共和国でのエボラ出血熱大発生に対応するタスクについてツイートしました。OpenDataLabRDCのブログで建物マッピング結果の品質チェックをおこなったところ、建物の角が直角になっていないものは3.5%程度と非常に少なかったことがわかりました。そのため品質チェックの観点を広げていくことが可能になりました。
- 慈善事業に関する報道を行うThe Chronicle of PhilanthropyがHOT理事Tyler Radford氏へのインタビューを「世界中で非営利団体が救援活動を支援する地図を作成する」というタイトルでポッドキャストとその文字起こしを公開しました。
地図
- 縁石マップを公開しているCOORD社のJacob Baskin氏はmedium.comでOSMデータを使ってロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコ、シアトルの縁石マップを作る方法を説明しています。
- OSMの標準地図スタイルOSM-Cartoにスタイルの変更提案が行われています。kocio-pl氏は
landuse=farmland
の表示色を変更するプルリクエストを送り、Mathijs Melissen氏はズームレベル13でいくつかの地物をレンダリングせずに表示をすっきりさせる提案をしています。
switch2OSM
- Richard Fairhurst氏はGoogleマップの料金変更がいくつかの小規模なウェブサイトに与えた影響の例をツイートしています。
ソフトウェア
- Terrestris社(ドイツのGIS会社)が、OpenLayersおよびOGC SLDのレンダリングスタイルを編集するソフトGeoStylerをMeggsimum社と共同で開発したと報告がありました。
- Wille Marcel氏はSotM 2018 MilanのセッションでOSMの検証ツールOSMChaが持っている現在の機能と将来改善される点を紹介しました。このセッションのスライドと動画が公開されています。
プログラミング
- 人の移動にエレベータ、ケーブルカー、フェリーなどが必須の町を歩いたことがありますか? 現在のナビアプリはこれらの移動手段に十分対応できていません。Guillaume Rischard氏はSotMミラノでこの問題について報告しました。
- Tom Chadwin氏がGitHubでQGISのプロジェクトをOpenLayersやLeafletにエクスポートするプラグインを公開しています。
- Thomas Hervey氏はiDエディタにKeepRight(データの整合性エラーを自動的にチェックするツール)のエラーを表示させる機能を追加するプルリクエストを送りました。
- Nikolai Janakiev氏が、Overpass APIを使ってOSMデータをPythonに読み込む方法を解説しています。
- xamanu氏が公共交通機関に関するユーザ日記を二つ書き上げました。一つ目の記事は、中米の都市でバスマップを作成するために作成した、OSMデータからGTFSファイルを生成するツールについてです。ツールはGitHubでダウンロードできます。二つ目の記事は、ニカラグアでスマホアプリ向けに公共交通機関データを作成したことについてです。データはtransit.land、Navitia、Transportr、TransitAppといったいろんなアプリで使われます。
リリース
ご存知でしたか?
- latest-changesを使うと、昨日/先週/先月の編集内容を一覧できます。ソースコードはGitHubで入手可能です。
- MapUganda.orgはウガンダでマッピングを進めるNGO団体で2012年に設立されました。
- Petr Pridal氏とJiri Komarek氏がSotMミラノでopenmaptiles.orgについて発表しました。発表資料も公開されています。
その他の “ジオ” な事柄
- Arjen Luijendijkらが Scientific Reports 誌に、砂浜の発生および海岸線の変化速度について検証した論文を発表しました。海岸線データは2016年のOSMデータとLandsat衛星、Sentinel衛星の写真を用いています。
- [1] 自然災害で地形が変化してしまい、科学者達が地理データを更新する様子だけを撮影した映画、観てみたくありませんか? 😉
- サンフランシスコの一角にあるリンコン・ヒルといった名前で知られていたエリアの名前が、Googleマップ上で「イースト・カット」という名前に変更されてしまいました。その結果、多くのウェブサービスで「イースト・カット」という名前が使われるようになり、ついには現地でもこの名前が使われるようになってしまいました。地元ではこの名前は嫌われています。
- ベトナムに新観光名所が生まれました。まるでファンタジー映画に出てくるような橋です。Cầu Vàng橋(金色の橋)は長さ150mでBa Na山脈から南シナ海を一望できます。この観光施設には様々なものがありますが、OSMマッピングはまだあまり進んでいないようです。
- 米国政府関係者向けの情報ウェブサイトに、災害時の住民救助やレスキュー隊支援に使用するためクラウドベースマッピングの活用が省庁で進んでいるとの記事が掲載されました。Mapbox社はすでに多くの関係機関と協力体制を築いています。統計データを元に救援先の選定などが実施される見込みです。
- ESRI社の第38回年次ユーザカンファレンスで、ArcGIS Living Atlas of the Worldの新機能が発表されました。世界の気温や人口増加といったデータの過去・未来予想・現在の数値を可視化できます。また、OSMベクトルタイルへの対応や、過去5年間の衛星写真閲覧機能などもあります。
- いくつかのメディアで既に報じられていますが、Googleマップはズームアウトしていくと地球儀のような球体で表示されるようになりました。
- POIは全世界では全部で何個あるのでしょうか?StreetCredがPOI総数の推定にチャレンジしました。まずはいくつかの都市をサンプルに、POIの近くには道路が存在しているという仮定でテストした結果が報告されています。データの増加により推定精度は上がっていくでしょうし、それによりマッピングが必要な地域の特定も可能になると思われます。
- Joshua氏がWahoo社のサイクルコンピュータを調べたところ、GPLをはじめとしたオープンソースライセンスに違反していることが判明しました。
まもなく開催
場所 | 名称 | 開催日 | 国 |
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Urspring | Stammtisch Ulmer Alb | 2018-08-09 | |
ベルリン | 122. Berlin-Brandenburg Stammtisch | 2018-08-10 | |
東京 | 東京!街歩き!マッピングパーティ:第22回 富岡八幡宮 | 2018-08-12 | |
Viersen | OSM Stammtisch Viersen | 2018-08-14 | |
カールスルーエ | Stammtisch | 2018-08-15 | |
Mumble Creek | OpenStreetMap Foundation public board meeting | 2018-08-16 | |
Rapperswil | 10. Micro Mapping Party Rapperswil 2018 (inc. OSM-Treffen) | 2018-08-17 | |
リューネブルク | Lüneburger Mappertreffen | 2018-08-21 | |
ダービー | Pub Meetup | 2018-08-21 | |
リューベック | Lübecker Mappertreffen | 2018-08-23 | |
高槻 | みんなでエディタソン#01 | 2018-08-26 | |
デュッセルドルフ | Stammtisch | 2018-08-29 | |
ダルエスサラーム | FOSS4G & HOT Summit 2018 | 2018-08-29-2018-08-31 | |
マニラ | Maptime! Manila | 2018-08-30 | |
ブエノスアイレス | State of the Map Latam 2018 | 2018-09-24-2018-09-25 | |
デトロイト | State of the Map US 2018 | 2018-10-05-2018-10-07 | |
バンガロール | State of the Map Asia 2018 | 2018-11-17-2018-11-18 | |
メルボルン | FOSS4G SotM Oceania 2018 | 2018-11-20-2018-11-23 |
‘
Note: ここであなたのイベントを見たい場合は、カレンダーにそれを 入れてください。そこにあるデータのみが、週刊 OSM に表示されます。 カレンダー 内で都市や国に言及するのを忘れないでください。
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