Author: weeklyteam

週刊OSM 419

 

2018/07/24-2018/07/30

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SotM 2018 ミラノの集合写真 1 | © Photo by Francesco Giunta (own work), CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

[Actual Category]

  • [1] OpenStreetMap2018年世界大会SotMがミラノで先週末に開催されました。講演動画はYoutubeチャンネルで閲覧できます。 当日撮影された写真もアップロードされています。
  • 2018OSM大賞受賞者の方々にお祝い申し上げます。
  • Martijn van Exel氏はSotM 2018 ミラノの会場からImproveOSMの再開をツイートしました。OSMコミュニティメンバーがデータの改善をできるようImproveOSMのサイトからTelenavの各ツールへアクセスできます。
  • SotMミラノ初日午前中セッションの顔まとめ
  • Jinal氏をはじめとしたMapboxチームがユーザとのコンタクトを進めています。SotMミラノは終わってしまいましたが、東京で開催されるSotM Japanにも参加されるようです。
  • Harry Wood氏がOpenStreetMapブログでSotM 2018 ミラノの参加者と実行委員会に感謝を伝える記事を書いています。記事には二つの会場の発表を録画した動画へのリンクが用意されています。
  • SotMミラノ開催中に、OSGeo財団Youthmapperが、研究・教育・会議参加など多岐にわたる分野で協力することを合意しました
  • 来年のSotM2019はハイデルベルク大学(ドイツ)で9月21-23日に開催されることが決まりました!

私たちについて

  • WeeklyOSMが朝鮮語でも発行されることになりました。朝鮮語は約8000万人の話者がおり、主に朝鮮半島で使われていますが、中国の朝鮮族自治区でも公用語として使われています。これでWeeklyOSMは日本語、チェコ語、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語に続き、朝鮮語でも読めるようになります。
    なおGeoffrey Kateregga氏によるとスワヒリ語版ももうすぐ加わるとのことです。スワヒリ語は5000万~1億人の話者がおり、タンザニア、ケニア、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、モザンビーク、コンゴなどで使われています。

マッピング

  • 低品質の歩道マッピングを米国メーリングリストで批判したところ、ヒートアップして国籍差別的な言動まで出てしまいました。
  • jgon6氏は催事広場のタグ付けに良い方法がないと悩んでいました。osm.orgの地図メモをきっかけにして、催事広場のタグ付け問題に再度取り組むことにしました。ユーザ日記に意見をまとめ、タグ付けメーリングリストでコメントを求めています。ユーザ日記ではamenity=festival_groundsの使用を提案しており、このタグが現在どのような使われ方をしているのか整理しています。

コミュニティ

  • ミラノ工科大学の研究者が、OSMのデータ精度を評価する論文を発表しました。OSMはマッパー個人によりデータが収集されており、品質管理行程がありません。北部イタリアのロンバルディア州を対象にOSMの建物データ(100万データ)と公的データ(280万データ)を比較したところ、OSMは1:5000スケールの精度を有していることが確認されました。建物個数については、公的データの57%がマッピングされているが、公的データに存在しない建物がOSM内に9%入力されていることもわかりました。
  • Philipp Koster氏が、OSMデータを用いてスイス国内のAOI(Area of Interest)データを作成し、オープンデータとして公開しました。Googleは活動が盛んなエリアをAOIとしてオレンジ色で表示するようになっていますが、どの範囲をAOIにするのかアルゴリズムは公表されていません。
  • SK53氏は彼のブログ「Maps Matter」で、OSMのマッピング率を測るために比較用データが利用できない場合、どのようにマッピング率を確認するかという質問についての記事を公開しています。POIの集合からAOI(Areas of Internet)を作る場合にマッピング率は重要なポイントになります。彼は時間経過に伴うPOIの数は累積度数曲線に近似していて、最初の増加はゆっくりだが次第に増加数が加速し、マッピング率100%の漸近線に近づくと水平になっていくと考えていました。彼の記事ではOverpass、Osmium、PostgreSQLを使って英国の店舗に関するデータ数の調査を行っています。この調査の結果、彼が出した結論はスーパーマーケットやホームセンターのPOI増加が減速しはじめている様な十分にマッピング率されたと思われる地域でもまだ追加すべき店がたくさんあったということです。他の店舗のタグを分析した時には彼が予想した曲線に似たグラフを見つけることができました。
  • Pieter Vander Vennet氏は先週ベルギーで開催された第8回Open Summer of Code(OSoC)についてユーザー日記を書いています。地図が必要なプロジェクトでは今まで以上にOSMが使われていたそうです。
  • Richard Fairhurst氏がOSMのベクトルタイル配信によって期待されるメリットについて包括的なブログ記事を書いています。OSMはデータベースであって絵図のようなものではないことを基本としたうえで、osm.orgの地図をベクトルタイルに変更してカスタム地図を作れるようにすることで、データベースとしての立ち位置を明確にできるのではないかと考察しています。また、機械学習/AIをマッピングサポートツールとして活用することで、OSMの本来の目的である「地元の知識」に注力できるのではと述べています。
  • Ilya Zverev氏はTelegramのチャンネルで起こったベクトルタイルについての議論を大まかにまとめ、Richard Fairhurst氏のブログ記事(上記の記事)に補足を加えるユーザー日記を書いています。osm.orgの地図をベクトルタイルに変更する議論は実際に進んでいるのですが、単に現在の画像タイルを置き換える技術的な側面に終始しており、方向性が誤っていると指摘しています。osm.orgに表示される地図はショーケースの役割を果たすため、スタイルに固執すると地理空間データであることの位置づけが薄れてしまいます。美しい地図スタイルは外部サイトに任せて、osm.orgではシンプルなデフォルトマップにマップビルダーをつけてカスタマイズ性の高さを打ち出したほうがよいと述べています。

インポート

  • Allan Walkerd氏はマイクロソフトが公開したアメリカの建物ポリゴンとOSMの建物データを比較して視覚化したとツイートしています。ご覧のようにマサチューセッツ州を除く全ての州でマイクロソフトのポリゴン数が勝っています。

OpenStreetMap Foundation

  • Raphael Das Gupta氏はOSMFの地方支部やそれぞれの地域でコミュニティを支援する組織に地方支部メーリングリストへ参加するよう呼びかけています。このメーリングリストはそれぞれの組織が持つ経験を共有し交流することを目的にしています。
  • OpenStreetMapのサーバーの一部がロンドンのインペリアル・カレッジからアムステルダムのエクイニクスデータセンターに移転されました。移転作業中はAPIレスポンスが悪かったこともありますが、移転作業は正常に完了しました。

イベント

OSM人道支援

  • SotM2018のHOT関連発表がHOTブログにまとめられています。
  • 一度終息が宣言されたコンゴ民主共和国のエボラが再び発生し、対応するためのタスクが用意されました。

switch2OSM

  • ニュースサイト マネーコントロールはUberが使う地図をGoogleマップからOSMに移行しようとしていると報じています。以前Uberがインドのデリ市でOSMのデータ改善をテストしているとお伝えしましたが、これは移行計画の一環だったようです。

プログラミング

  • OSM WikiではテンプレートでLua言語を利用できるようになりました。言語バーなどの複雑で頻繁に更新されるテンプレートの保守性向上が期待できます。

リリース

  • JOSMの#14066がリリースされています。GDPRに対応したOSMデータに対応した他バグ修正や機能の改善が行われました。

ご存知でしたか?

メディア掲載

  • Le Figaro紙(フランス)のWilliam Plummer氏はOSMのデータを使ってパリの通りの名前を分析しました。通りの名前の元となった人物の誕生年や職業をグラフィカルに表現しています。
  • ウンターハヒング(ドイツ)の地方歴史博物館の床には市内を流れるハヒンガー川沿岸の地図が1:3300スケールで貼り付けられています。OSMを使った地図で、教会やローマ街道などの情報が追加されています。

その他の “ジオ” な事柄

  • アメリカの報道大手ブルームバーグはMapboxが将来の配車サービスや自動運転で役割を果たすだろうと言っています。MapboxはUber社やLyft社が顧客となっており、将来の輸送分野で使われる技術の一角にすでに食い込んでいるとのことです。
  • ドイツのIT情報紙chip.deがAndroid向けナビゲーションアプリをレビューしています。OSMを使っているMAPS.MEとKomootもアプリレビューに含まれています。
  • 欧州宇宙機関(ESA)は衛星打ち上げロケットアリアン5を使って新たに4つのガリレオ衛星を打ち上げました。12年と言われる寿命を持つこの衛星は、既に打ち上げられていた22機の仲間入りをしました。ガリレオのシステムを予定通り運用するには26機の衛星が必要です。今回で26機になりましたが現在別の衛星がメンテナンスモードに入っており、2020年に追加の打ち上げが行われる予備機を含め、ガリレオのシステムは最終的に30機の衛星で運用することを計画しています。
  • GISラウンジは米国のノースカロライナ大学とテキサスA&M大学の水文学者が世界の河川情報を作るためにランドサット衛星画像を使ったことを報じています。作成されたデータはCC BY 4.0ライセンスで公開されています。
  • ロイターの写真家Susana Vera氏はスペインの北東部にあるテルエル州のラ・エストレヤ村を訪れました。この村にはもう2人しか住んでいません。村の様子はSpiegel Onlineのフォトギャラリーにアップロードされています。30年前は村にも200人ほどの住民がいましたが、人々は農村から去って行きました。残っている二人も自分たちを「まだ残っている馬鹿者たち」と自嘲しています。この地域のplaceタグを見直す日が来るかもしれません。

まもなく開催

場所名称開催日
BalatonőszödBalatonőszöd-Balatonszemes mapping party2018-08-04-2018-08-05Hungary at Lake Balaton
ブエノスアイレスMapatón-taller OSM2018-08-04argentina
尼崎みんなのサマーセミナー:地図、描いてますか?描きましょう!2018-08-05japan
ロンドンMissing Maps Mapathon2018-08-07united kingdom
ミュンヘンMünchner Stammtisch2018-08-08germany
UrspringStammtisch Ulmer Alb2018-08-09germany
ベルリン122. Berlin-Brandenburg Stammtisch2018-08-10germany
東京東京!街歩き!マッピングパーティ:第22回 富岡八幡宮2018-08-12japan
ViersenOSM Stammtisch Viersen2018-08-14germany
カールスルーエStammtisch2018-08-15germany
Mumble CreekOpenStreetMap Foundation public board meeting2018-08-16everywhere
Rapperswil10. Micro Mapping Party Rapperswil 2018 (inc. OSM-Treffen)2018-08-17switzerland
リューネブルクLüneburger Mappertreffen2018-08-21germany
ダービーPub Meetup2018-08-21united kingdom
リューベックLübecker Mappertreffen2018-08-23germany
ダルエスサラームFOSS4G & HOT Summit 20182018-08-29-2018-08-31tanzania
ブエノスアイレスState of the Map Latam 20182018-09-24-2018-09-25argentina
デトロイトState of the Map US 20182018-10-05-2018-10-07united states
バンガロールState of the Map Asia 20182018-11-17-2018-11-18india
メルボルンFOSS4G SotM Oceania 20182018-11-20-2018-11-23australia

Note: ここであなたのイベントを見たい場合は、カレンダーにそれを 入れてください。そこにあるデータのみが、週刊 OSM に表示されます。 カレンダー 内で都市や国に言及するのを忘れないでください。

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