週刊OSM 748

2024/11/14-2024/11/20

lead picture

街路灯マップ [1] | © Prasanna Venkadesh | © Leaflet | © Protomaps | Map data © OpenStreetMap contributors

マッピング

  • デトロイトは、マピラリーで最も包括的にマッピングされた都市になりました。99.8%の道路が撮影されています。これは、国勢調査の過小評価と資産管理の課題に対する都市計画の改善を目指して、2018年に開始された先駆的なストリートレベル画像(SLI)プログラムが貢献したものです。地方自治体の運営におけるオープンSLIプラットフォームの変革力が示された事例になりました。
  • SomeoneElseは、イングランドとウェールズにおける一般的なhighway=pathタグの問題点を指摘しています。不明確でアクセス権のタグ付けに課題があるということです。日記では、該当する場合はhighway=footwayのような代替タグを使用し、マッピングの精度を向上させるために詳細な属性を追加することを提案しています。
  • これらの提案についてコメントを募集しています:
    • 空港ラウンジや鉄道駅の待合室など、交通機関の公共座席エリアをマッピングするためのamenity=travellers_lounge
    • rental:powerbank=yes、ユーザーが外出先でモバイルデバイスを充電するためにポータブルパワーバンクをレンタルできるマップステーション。
    • addr:milestone=*は、住所の一部として基準点からの距離を使用する住所のタグ付けを許可します。
    • languages:official=*およびlanguages:preferred=*を使用して、nameのレンダリングのための言語の指定を可能にします。たとえば、異なる言語での通りの名前のターゲット表示や地図アプリケーションの表現が該当します。
    • education=* は、学校、トレーニングセンター、課外活動など、さまざまな教育施設、プログラム、イニシアチブをタグ付けします。
    • railway:train_protection=* は、自動列車制御 (ATC)、欧州列車制御システム (ETCS)、または同様の技術など、鉄道路線で使用される特定の列車保護システムをタグ付けします。
    • shared_green=* 車両と歩行者が青信号を共有する横断歩道にタグを付けることで、潜在的に危険な状況を特定し、ルート計画と安全情報を改善するのに役立ちます。

マッピングキャンペーン

  • バロー氏は、フィンランド首都圏のデイケアセンターや学校における駐輪場の状況を調査し > 、時代遅れのインフラと持続可能なモビリティ目標がかけはなれていると指摘しています。OpenStreetMapのデータを使用したマッピングプロジェクトは、不十分な自転車ラックなどの課題を明らかにしました。計画の改善と、ヘルシンキで2016年に設定した自転車駐車場ガイドラインに対応していくことが肝要だということです。
  • ASEAN 2024の EU Green Diplomacy Weeksの 一環として、450人以上のフィリピンの若者がOpenStreetMapを使用した「Map for Climate」マッパソンに参加し、災害に対するレジリエンスと持続可能な計画を促進するとともに、気候変動対策に関するASEANとEUの協力を紹介しました。

コミュニティ

  • ASRvwdeは、Google MapsやTomTomのようなプロプライエタリなマッピングシステムへのフラストレーションをきっかけとして、OSMや関連ツールのオープンで編集可能な性質を受け入れて、オープンソースソリューションへの深いコミットメントに至った道のりを記事として共有しました。
  • Pieter Vander Vennet氏は、MapCompleteの画像ホスティングがImgurからPanoramaxに移行したことを詳しく説明しています。Imgurの利用規約と機能の変更を挙げるとともに、OpenStreetMapプロジェクトでのPanoramaxの幅広い採用を奨励しています。
  • Christpher Beddow 氏は急速に変化する世界で最新の地図をメンテナンスする挑戦に取り組み、OpenStreetMapのようなデジタルツール、センサー、クラウドソースで集められたデータがどうやって地理空間データと現実の同期を目指すかを検証しています。OSMはほぼリアルタイムでアップデートされますが、地図の表示にはしばしば遅れが生じます。エラーの訂正が必要ですしコスト効率性も問題となります。AI、センサー、拡張現実などの進んだツールによってマッピングは改善されますが、完璧に動的な地図を作り出すという地獄の永遠の刑罰にも似た不断の作業は、技術と人間の労力には限界があることを露わにします。究極的にはマッピングとは我々のつねに変化する世界を評価し、主観的な体験と客観的な地理空間記録を結びつけるものなのです。
  • ドイツに本拠をおく非営利団体Trufi協会はコロンビアのデュイタマ地方にあるサラセノ高校の12人の生徒をDuitama Mapping Stars として表彰しました 。レオナルド・グテレス教諭とPd.ペーニャ校長の指導のもと、マッピングに貢献した生徒たちが、ボランティア認定証を受け取りました。

インポート

  • spalinger が書いた ガイドは、JOSMを用いスイスGWR住居表示データをOpenStreetMapにインポートする詳細なプロセスを概観しています。データの正確さと一貫性を改善するための準備・マージ・評価を強調する一方、エリアの同定は将来改善すべき課題としています。

OpenStreetMap Foundation

  • OSMF理事会の年次報告はガバナンスの改善、全世界および地域でのState of the Mapカンファレンスの開催支援、参加者の定着プロセス強化などの達成を強調し、イギリスからEU内へのOSMFの移転の進展について報告しています。また多様性についてのマイルストーンとして、理事会を占める女性の数が過去最高になったことが好感されています

イベント

  • 月次オンラインPanoramaxミーティング(英語)の第一回は11月25日(月)UTC16時(JST翌26日1時)に行われます。

教育

OSM research

  • HeiGIT は路面タイプ (舗装か未舗装か) のグローバルデータセットリリースし 、OpenStreetMap 路面データの 67%のギャップを埋めました。 Geo-AI を用いて開発され 、Klaus Tschira Foundation が資金提供したこのデータセットは、緊急ルートとサプライチェーンを最適化することで、交通安全、経済発展、環境計画を改善します。地図が十分に整備されていない地域での効果が特に期待されます。

地図

  • [1] Prasanna Venkadesh 氏は、Protomaps の PMTiles ベクターフォーマットをベースマップとして使用するように StreetLightsMap を更新しました 。これにより、標準の OpenStreetMap ラスタタイルが置き換えられ、Protomaps の無料の非商用 API アクセスのおかげで OSM のタイルサーバーの負荷が軽減されました。
  • OpenStreetMap の新しいダークモードでは、ユーザーのシステム設定に合わせるよう ユーザーインターフェイスが更新されましたが、多くのユーザーが、特にアクセシビリティの観点から、マップタイルの減光効果がコントラストと使いやすさを低下させると批判しています。開発者は懸念を認め、現在のインフラストラクチャーの限界にも注意を促しつつ、ベクタータイルの更新の可能性を含む将来の改善計画について述べました。

OSM in action

  • PANOGUESSRPanoramaxGuessrはどちらも、Panoramaxのストリートビュー画像を使って遊ぶ、Geoguessrに似たゲームです。

ソフトウェア

  • MapMatrixは複数の地図を比較表示することができるウェブアプリです。このアプリはClaude AIで作成されました。MapLibreの統合、カスタムレイヤー、レイアウトのカスタマイズなどの機能があります。
  • エミリオ・マリスカル氏は、WhatsApp チャットから地図を作成するためのシンプルなツールである ChatMap を開発しました。災害や緊急事態の際に、共有された位置を実用的な地図に変換することで、救急隊や人道支援団体を支援するように設計されています。ユーザーはチャットデータを ZIP ファイルとしてエクスポートし、ChatMap にアップロードして場所を視覚化できます。この情報は危機対応以外にも応用できる可能性があります。
  • osmapiRでOSM APIにアクセスするライブラリ)のバージョンv0.2.2が公開されました。時間ベースのクエリに関連するバグが解決されたほか、http2ライブラリとの互換性向上などの改善が含まれています。
  • Trailimapは自転車ツーリングのためのユーザーフレンドリーなルートプランナーで、主にOpenStreetMapから入手した既存の自転車トレイルやインフラを活用することに重点を置いています。現在ヨーロッパをカバーしており、北米やその他の地域も近日公開予定。このアプリは、高速なルート計算のためにGraphhopperを採用し、ウェブ・インターフェイスにはNext.jsと.NETを使用しています。

プログラミング

  • Mark Litwintschikさんは、OSMが公開したベクタータイルをQGISやJupyter Notebookで読み込む方法を解説しています。ユーザーは静的なラスタータイルよりも柔軟に地図スタイルをカスタマイズし、データを抽出することができます。ハードウェアとソフトウェアのセットアップから可視化まで、ステップバイステップで解説しています。
  • Overpass.jlは、プログラミング言語JuliaでOverpass APIを使えるようにするライブラリです。
  • Greg Smithさんは新型パソコンでOSMの全世界データをPostgreSQLに読み込んだところ、4時間以内に処理が完了しました。2022年時点では14時間かかっていましたが、ソフトウェアおよびハードウェアの性能が向上したことで処理時間が大幅に短縮されました。osm2pgsqlについていえば、GISTインデックス構築の改良、インデックス圧縮の効果、SSD利用効率の向上などの効果がありました。

リリース

  • OsmAndのバージョン4.9がAndroid向けに公開されました。Wikimedia画像の表示、OBD2による車両データの読み込み機能などが追加されました。
  • PanoramaxのAndroid向けアプリのベータ版バージョン1.2.1が公開されました。
  • 統合地図アプリOsmAPPのバージョン1.6.0が公開されました。ルート移動方向の表示、Overpassを使った検索などの機能が追加されました。

ご存知でしたか?

  • BBBikeのMap Compareを使うと、OSMやBingなど複数の地図を並べて表示することができます。
  • Android用アプリGPSLoggerを使うと、GPSログを様々なフォーマットで記録し、クラウドストレージにアップロードすることができます。
  • OSM Teamsを使うと、OSMマッピングチームを管理することができ、組織編集の運営などに役立ちます。
  • Scrambled Hex Mapsは六角形の地図パズルです。正しい順に並べ替えましょう。

その他の “ジオ” な事柄

  • Foursquareは、1億以上のPOIが含まれたデータセットFSQ Open Source PlacesをApache 2.0ライセンスで公開することを発表しました。このデータセットは毎月更新されます。
  • Foursquareがデータセットを公開したことに関して、Simon Pooleさんは、データの公開は歓迎だがApache 2.0はデータ向けのライセンスではないため他のデータライセンスと互換性がないことを懸念しています。
  • ベルリンにはF24フェリーという手漕ぎ渡船があり、地域コミュニティが運営しています。公共交通機関アプリを開発しているTrufi協会は、コミュニティが運営する交通機関も公共共通計画に組み入れるべきであると考えています
  • Google は、電離層を正確にマッピングするために、数百万台の Android スマートフォンからの匿名化された GNSS データを使用し、それにより大気層からの干渉を最小限に抑えました。このマッピングは監視ステーションが少ない地域にとって特に有益です。場合によっては、この方法は精度の点で既存のモデルを上回り、プラズマバブルや赤道異常の検出などの科学的洞察を提供しました。
  • Niantic は、大規模地理空間モデル(LGM)の作成を発表しました。LGMの 開発 にあたってはポケモンGo プレーヤーと Scaniverse アプリのユーザーから収集された視覚スキャンが使用され、物理空間向けのAIナビゲーションシステムが構築されています。このモデルは、世界中でスキャンされた1,000 万以上の場所から抽出し、歩行者の独自の視点をキャプチャし、地理位置情報付き画像を処理して特定の場所を表すニューラルネットワークを作成します。 150 兆を超えるパラメーターを備えた LGM は、正確な空間理解を可能にすることを目的としており、拡張現実、ロボット工学、物流に応用できます。スキャンは関連する利用規約に基づいて収集されましたが、一部のプレーヤーは AI 開発での使用について懸念を表明しています。
  • ベルリン市交通情報センターは、ベルリンSバーン環状線内および一部の隣接エリアのすべての公共路上駐車場を網羅する駐車場データセットを公開 しました。また詳細な情報を提供するインタラクティブ地図も開始しました。各駐車スペースの正確な位置 (街路名と番地)、向き、駐車時間、および対応する時間帯に関連する料金などの情報が含まれます。

まもなく開催

場所イベント名オンライン開始日
ValènciaXI Jornadas Anuales de Wikimedia España 2024-11-22 – 2024-11-24flag
Bangalore EastOSMバンガロールマッピングパーティー :osmcalpic:2024-11-23flag
リヨンCampus du Libre 2024 – Lyon – France 2024-11-23flag
ゲントBewakingscamera’s op de kaart (wandeling) 2024-11-23flag
명동(ソウル市明堂)국경없는의사회 2024 글로벌 지오위크 매파톤 2024-11-23flag
ストラスブールStrasbourg 3ème Atelier de cartographie sur OpenStreetMap 2024-11-25flag
サンテティエンヌRencontre Saint-Étienne et sud Loire 2024-11-25flag
サンノゼサウスベイ・マップナイト2024-11-27flag
ベルリンOSM-Verkehrswende #64 2024-11-26flag
デュッセルドルフデュッセルドルフ OpenStreetMap-Treffen (online) :osmcalpic:2024-11-27flag
リューベック148. OSM-Stammtisch Lübeck und Umgebung 2024-11-28flag
Sint-MichielsLiLi-app mapathon 2024-11-29flag
OlomoucSotM CZ+SK 2024 2024-11-29flag
ঢাকাState of the Map Asia 2024-11-29 – 2024-11-30flag
ザルツブルクOSM Treffen Salzburg 2024-12-03flag
Missing Maps London: (Online) Mapathon [eng] 2024-12-03
シュトゥットガルトシュトゥットガルター OpenStreetMap-Treffen :osmcalpic:2024-12-04flag
OSMインドアミートアップ 2024-12-04
LCCWG Monthly Meeting 2024-12-05
モンルージュRéunion des contributeurs de Montrouge et du Sud de Paris 2024-12-05flag
OSMF エンジニアリングWG会議 2024-12-06
コーベンハウンOSMmapperCPH 2024-12-08flag
中正區OpenStreetMap x Wikidata Taipei #71 2024-12-09flag

Note: ここであなたのイベントを見たい場合は、カレンダーにそれを OSM Kalender 入れてください。そこにあるデータのみが、週刊 OSM に表示されます。 カレンダー 内で都市や国に言及するのを忘れないでください。

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