2018/09/04-2018/09/10
[Actual Category]
- EUの著作権法改定案が、先週水曜日に欧州議会の過半数を得ました。本改定案ではデータのアップロード時に著作権違反がないことをチェックするフィルターを付けることが求められており、ユーザが投稿するデータに依存するOSMやwikipediaは運営が厳しくなります。wikipediaはEUからのアクセスに対して黒いバナーを表示して抗議の意思を表明しています。OSMドイツが運営する地図でも地図タイルの一部に黒い抗議メッセージを表示しました。著作権法が成立するためにはまだ最終承認が必要です。これから欧州理事会および欧州委員会との協議が始まり、三者の承認が得られたのち、年末に最終投票が実施される予定です。
マッピング
- Osmoseはエラー内容をKMLファイルでもエクスポートできるようになりました。MAPS.MEなどのアプリでデータを読み込んでエラーを確認できます。
- OsmoseはMapillaryの交通標識認識機能を使ってOSMのデータに登録されていない情報をエラー表示するようになりましたが、現在この機能を使えるのはフランス、ブリュッセル、ドイツの一部に限られています。
waterway=riverbank
は古いやりかたで、natural=water
+water=river
に置き換えたほうがよいのか、タグ付けメーリングリストで議論されています。- タグ付けメーリングリストで長屋やテラスハウスのように隣同士の住宅が壁を共有する建物のタグ付けについて議論が交わされました。
- Apple社のマップチームはセネガル、コートジボワール、チュニジア、ウガンダの道路ネットワークを改善するプロジェクトをスタートさせ、マップチームのAndrew Wiseman氏がそれぞれの国のメーリングリストで地元のマッパーに対して注意すべき点などを尋ねています。
- Telenavはデトロイト(アメリカ)の地域でOpenStreetCam画像から認識された制限速度の道路標識のデータを使ってOSMに制限速度が入っていないものをMapRouletteへタスクとして追加しました。
- Redditでは画像から半自動的に建物をトレースするツールがあるか質問がありました。マイクロソフトがbuildings footprintsを作ったツール、MapboxのRobosatやJOSMの各種プラグインBuildingsTools、Lakewalker、Scanaerial、Tracer2、mapathonerが挙がっています。自動編集をする際には自動編集の行動規範を熟知している必要があります。
- Harry Wood氏はosm2pgsqlの更新によってエリアのレンダリングが厳密になり、レンダリングされないマルチポリゴンがあるためエラーをチェックするよう繰り返し呼びかけています。
コミュニティ
- OsmAnd開発チームがアプリの”旅行機能”を知っているかツイッターでアンケートを取っています。この機能はwikimediaのWikivoyageプロジェクトのデータを使用しています。
- OpenStreetMapは世代をまたいだプロジェクトになりました。Florian Lohoff氏がマッパーとなった2008年に産まれた彼の息子はOSMの編集を始めています。
- フランスの自転車愛好家達が運営するサイトRandonnées Véloではフランス語でOsmAndの使い方を紹介するチュートリアルビデオが公開されました。オフィシャルサイトには英語のドキュメントが公開されており、日本語など他の言語に機械翻訳する機能が用意されています。
- 以前Pierre Béland氏がアフリカのマッピングプロジェクトでマッピングされたデータの品質分析を行った結果をお伝えしました。彼は同じツールを使って25個のプロジェクトを分析しています。前回と同様に変な形でマッピングされた建物が検出されていて、この分析結果は経験の浅いマッパーによってマッピングが行われた作業をフォローするためには、よりよい品質管理ツールが必要なことを示しています。
- Tigerfell氏はOSM Wikiにあるリレーションのテンプレートを書き換える提案をしています。彼はユーザー日記で提案理由を説明し、OSMフォーラムで意見を募集しています。
OpenStreetMap Foundation
- OSMのタイルレンダリングサーバーに新しくpyreneという名前のサーバーが追加されました。アメリカのオレゴン州立大学にあるOpenSystemsラボに設置されています。このサーバーの設置で北米地域からのタイルリクエストのレスポンス向上が期待できます。
イベント
- FOSS4Gベルギーが2018/10/25に開催されます。論文、地図、スポンサーを募集中です。
- オーストラリア、ニュージーランド、太平洋諸島のOSM/FOSS4Gコミュニティが合同で開催するFOSS4G SotM Oceaniaが2018/11/20-23にメルボルンで開催されます。会議の最終日に開かれるコミュニティデイに参加するオープンジオプロジェクトを募集中です。
OSM人道支援
- [1] HOTは最近開催されたFOSS4GでOSMにマッピングされた地物の変化を可視化するツール Visualize Changeを発表しました。変化する様子はウェブサイトに埋め込んだり、動画やアニメーションGIFにしてダウンロードすることができます。
- CartONG(フランスのNGO団体)が、市民向けサービスの担当者を募集中です。マッパソンの開催、CartONGの運営、広報などが業務内容になります。
- Janet Chapman氏は女性器切除(FGM)を根絶させるため9月28日から30日にかけてグローバルマッパソンを開催します。
- OSMベナンのLuc Kpogbe氏はベナン北部の国境地域とタンギエタ市のマッピングについてレポートしています。ベナンのコミュニティは若いマッパーを育成しています。サーベイに必要なスマートフォンはHOTの少額支援金制度を受けて購入しました。
教育
- Mapboxのメンバーとザンジバルのマッピングコミュニティが共同でハッカソンイベントを開催しました。
地図
- 西洋の人は普段はアルファベットの地図ばかり使っているので、いろんな文字が使われているosm.orgの地図に戸惑うことがあるようです(以前にも報告しました)。Sven Geggus氏はドイツ語地図でローカライゼーションに取り組んだ内容について詳しく解説しています。適切なタグ付け、気を付けるポイント、生じうる問題などについて述べられています。
switch2OSM
オープンデータ
- weeklyOSMで紹介されたOSM関係の学術論文が有料でアブストラクトしか読めないことが良くあります。EUおよび研究支援機構は論文を無料で閲覧できるようにする計画をアナウンスしました。2020年から始まるとのことです。
- 英国のオープンデータコミュニティが英国住所のオープンデータ化を求めている動きの現状をOwen Boswarva氏がまとめました。
ソフトウェア
プログラミング
- Andrew氏がAgentMapsをGitHubで公開しました。このJavascriptライブラリを使うと、地図データを使って交通シミュレーションなどができるようになります。
- Simon Poole氏は削除されたユーザーアカウントのUID一覧をファイルとして公開する機能をosm.orgに追加しました。ここにあるUIDのユーザーアカウントはスパム目的と判断されて削除されたアカウントです。Pascal Neis氏は既にこのリストを How did you contribute to OpenStreetMap? で活用しています。
- ハイデルベルク地理情報研究所(HeiGIT)のSabrina Marx氏はHOT Tasking ManagerのプロジェクトをJupyter Notebookでohsome APIを使って分析する方法を公開しました。
- Glassmann氏はiDエディタでオーバーレイ表示させるためのベクトルタイルを作る方法をユーザー日記に書きました。
リリース
- Wambacher氏のOSM関連ソフトウェアのリリースリストが更新されています。Komoot Android、Mapbox Nav SDK、Mapillary Android、Naviki Android、QMapShackやVespucciの新バージョンがリリースされています。
ご存知でしたか?
- 初心者でも簡単に世界中のバス停をマッピングできるAndroid向けアプリのJungleBus
- OpenBeerMapでは選んだ銘柄のビールを提供しているパブが地図上に表示されます。ビールの銘柄をOSMに追加するのは適切でしょうか? 議論を生みそうです。
- クリスマスマップにはクリスマスマーケットなどのイベントが表示されます。
その他の “ジオ” な事柄
- Randy Meech氏(Mapzenの元CEO)はPOIデータを集める新ビジネス*Street Cred labs*について解説しています。収集したデータはデュアルライセンスにしてオープン化もするそうです。TechCrunch誌でも同社の活動が紹介されました。
- OSMのデータを使ってファンタジー風の地図を作ることもできます。この 中世ファンタジー都市ジェネレーター では美しいファンタジーの世界を作ることができます。
- オープン地理空間コンソーシアム(OGC)が地理空間AI分野ワーキンググループの素案に対するコメントを募集中です。フォーラムでの議論を通じて、AIに関するOGC標準の相互運用性を確保することを計画しています。
- 英国陸地測量部が有料で発行している地図の中で、440番は販売数が最低です。スコットランド北部の800km2をカバーするこの地図領域は、人口200人以下で建物もほとんど存在しません。
まもなく開催
場所 | 名称 | 開催日 | 国 |
---|---|---|---|
ポサーダス | Mapatón de parajes y caminos | 2018-09-15 | |
ナント | Participation aux Journées européennes du patrimoine à l’École de Longchamp | 2018-09-15-2018-09-16 | |
レンヌ | Découverte d’OpenStreetMap aux Journées Européennes du Patrimoine | 2018-09-15-2018-09-16 | |
ベルリン | Berliner Hackweekend | 2018-09-15-2018-09-16 | |
グルノーブル | Rencontre mensuelle | 2018-09-17 | |
トロント | Mappy Hour | 2018-09-17 | |
ケルン・ボン空港 | Bonner Stammtisch | 2018-09-18 | |
ノッティンガム | Pub Meetup | 2018-09-18 | |
Lonsee | Stammtisch Ulmer Alb | 2018-09-18 | |
Viersen | OSM Stammtisch Viersen | 2018-09-18 | |
カールスルーエ | Stammtisch | 2018-09-19 | |
Mumble Creek | OpenStreetMap Foundation public board meeting | 2018-09-20 | |
レオーベン | Stammtisch Obersteiermark | 2018-09-20 | |
京都市 | 幕末京都オープンデータソン#06:壬生の浪士と新撰組 | 2018-09-22 | |
東京 | 首都圏マッピングパーティー 戸山公園で山登り!? | 2018-09-22 | |
La Mandragore | Réunion franco-allemande à Strasbourg | 2018-09-22 | |
宮崎 | 宮崎マッピングパーティ | 2018-09-23 | |
グラーツ | Stammtisch Graz | 2018-09-24 | |
ブレーメン | Bremer Mappertreffen | 2018-09-24 | |
リューネブルク | Lüneburger Mappertreffen | 2018-09-25 | |
サンフアン | Maptime! Manila Meet-up | 2018-09-27 | |
ビエッラ | Incontro mapper di Biellese | 2018-09-29 | |
ブエノスアイレス | State of the Map Latam 2018 | 2018-09-24-2018-09-25 | |
デトロイト | State of the Map US 2018 | 2018-10-05-2018-10-07 | |
バンガロール | State of the Map Asia 2018 | 2018-11-17-2018-11-18 | |
メルボルン | FOSS4G SotM Oceania 2018 | 2018-11-20-2018-11-23 | |
リューベック | Lübecker Mappertreffen | 2018-09-27 | |
デュッセルドルフ | Stammtisch | 2018-09-28 | |
シュトゥットガルト | Stuttgarter Stammtisch | 2018-10-03 | |
ボーフム | Mappertreffen | 2018-10-04 |
‘
Note: ここであなたのイベントを見たい場合は、カレンダーにそれを 入れてください。そこにあるデータのみが、週刊 OSM に表示されます。 カレンダー 内で都市や国に言及するのを忘れないでください。
This weeklyOSM was produced by Nakaner, Polyglot, Rogehm, SK53, Spanholz, SunCobalt, derFred, geologist, k_zoar, muramototomoya.
“Le quotidien anglais The Guardian rapporte que la carte la plus vendue”, non la MOINS (worst-selling) 😉
Merci de l’avoir signalé. Nous demandons d’excuser l’erreur. Nous l’avons corrigé 😉