週刊OSM 450

2019/02/26-2019/03/04

Logo

OpenCycleMapで作った「正しい」ヨーロッパ自転車道地図 1 | Maps © Thunderforest, Data © OpenStreetMap contributors

マッピング

コミュニティ

  • OSMの著作権表記問題は古くから続いている問題です。Richard Fairhurst氏は、著作権表記が見えにくい場所に記載されているケースがあり問題ではないかとメーリングリストで指摘しています。寄せられた意見を見ると、本件は特に問題とは認識されていないようです。
  • スイスOpenStreetMap協会の年次総会は3/30にバーゼル(スイス)で開催されます。
  • 先週お伝えしたOSMフランスの寄付金募集キャンペーンについて、ZDNetが紹介しています。

インポート

OpenStreetMap Foundation

  • 2/20に開催されたOSMF理事会の議事録が公開されました。GlobalLogic社による会員登録問題、ブレグジット、2019年の予算やWikiにあるエチケットのページをOSMFのウェブサイトに移すかどうかといった議題について議論されました。
  • ドイツのOSMF地方支部FOSSGIS e.V.はJochen Topf氏とChristoph Hormann氏が運営するデータダウンロードサービスopenstreetmapdata.comの運営資金を提供することになりました。
  • OpenStreetMap UKのAndy Mabbett氏がオープンデータマンチェスターに向けて実施したOSMレーニングイベントについてOSM UKが報告しています。
  • OSMF理事会のKate Chapman氏は「OSMFメンバーが常に最新の情報を把握するための定期的なEメール」を全てのOSMFメンバーに送りました。送信されたメールの中では2019年2月のOSMFレポート以前のレポートへのリンクの他にワーキンググループ理事会地方支部諮問委員会へのリンクが紹介されていました。
  • OSMフランスが、自分たちが管理するサーバーの稼働状況について詳細をレポートしています。レポートではニュースサイトに掲載されたときに負荷が大きく上昇したこと、負荷は少しずつ上がっていることなどが分析されています。
  • 2/22に行われた会員ワーキンググループの議事録が公開されました。

イベント

  • 昨年バンガロールで開催されたState of the Mapアジアの写真動画公開されました。
  • ハイデルベルクで開催されるState of the Map 2019では参加のための奨学金申請を3/30まで受け付けています。奨学金は3種類あり、スポンサーの資金によって実現できています。
  • SotM2019の参加受付が始まりました。発表したい方は2019/4/25までに申し込みしてください。発表トラックには、OSMの基礎、コミュニティと組織、マッピング、地図、ソフトウェア開発、データ分析およびデータモデル、体験談があります。以下の点に注意ください。
    1. “OSMの基礎”トラックはOSMにあまり詳しくない人向けの発表内容にしてください。
    2. 重要案件には発表時間を2倍にすることもできます。

    “学術”トラックの申し込みは4/30までです。

  • “レイシズムに反対する国際ウィーク”でハイデルベルクで開催されるOSM関連イベントをMelanie Eckle氏が紹介しています。 3/11にはMamapaプロジェクト(移民向け人道支援マッピング講習会)が、3/21には関連マッパソンが開催されます。

OSM人道支援

  • HOTはJOSMを使うベテランマッパーにバランキージャ(コロンビア)の建物マッピングを呼びかけています。政治情勢が悪化しているベネズエラから難民の流入に備えるためのものです。以前のマッピングプロジェクトによってエラーが残っているため参加者は経験豊富なマッパーに限られています。
  • HOTは財務アドバイザーとして働く諮問委員を募集しています。
  • 衛星画像で住宅地をマッピングするためのモバイルアプリMapSwipeの過去と未来についてハイデルベルク大学が詳しく説明しています。
    このアプリは過去2年半の間でマッピングされていない地域を特定するのに役立ちました。現在開発チームは機能拡張に取り組んでいて、建物形状をマッピングできるようになる見通しです。
  • CartONG(地理情報を活用した人道支援NGO)と510(オランダ赤十字社が運営するデジタルデータ活用イニシアチブ)が、コンゴとマラウイを対象に、openrouteserviceを使って病院までのアクセス性を評価しました。これは国連が主導する「持続可能な開発目標」の目標3.8に定められているヘルスケアサービスへのアクセス性を向上させることが目的です。なお本プロジェクトのためにopenrouteserviceを使ったダッシュボードのデモも新たに開発しました。詳細はこちら

地図

  • [1] ヨーロッパの自転車道をマッピングした地図画像がいろんなところでシェアされているのですが、この地図は間違っているとSara Acosta氏が指摘しています。Andy Allan氏(OpenCycleMap作者)によると、この地図はOSMデータを元に作られているのですが、自転車が通行可能とタグ付けされた道路をすべて載せており、自転車の通行に適した道路とは限らないということです。また、この地図画像の出どころは不明です。

switch2OSM

  • ドイツの自転車用車庫サービス会社dein-radschlossが自社サービスマップをOSMに登録しました。ドイツ語フォーラムではマッピング内容に関していくつか改善提案も挙げられています。

オープンデータ

  • OpenStreetCamはオーストラリアとニュージーランドで2ヶ月間のコンテストを実施し、220万枚以上の画像がアップロードされました。Telenavのマップチームはこれらの画像を使って機械学習による標識認識のトレーニングを行い、両国で80種類以上の標識を自動検出できるようになりました。
  • ESRIはArcGIS API for JavaScriptを改良し、より大きなデータセットを3D表示できるようにしたことをArcGISブログに書いています。この改良により以前存在していた2,000オブジェクトの制限がなくなったそうです。記事の中では例としてOSMデータを使って3Dマップを表示する方法を紹介しています。

ソフトウェア

  • HeiGITが自動車の燃料消費量、排ガス量、燃料代を推測するサービス openfuelservice開発しました。実験版がopenrouteservice mapsに組み込まれており、環境にやさしい経路検索が可能になります。 データの推測には、英国の自動車認証局とオープン市民科学プラットフォームenviroCarから提供されたデータを使っています。
  • QGISのOSM ToolsプラグインがORS Toolsプラグインに変わりました。Nils Nolde氏がGUIの刷新など様々な変更内容上げ、名前が変わっただけではないことを紹介しています。このプラグインによってQGIS上でOpenRouteService APIを利用できるようになります。

プログラミング

  • kastellano氏は新しく作成したツール、Videomapiaをユーザー日記で紹介しています。OSM地図上にGPSログを表示し、動画と連動させることで指定した位置が動画のどの部分にあたるかを表示することができます。
  • OpenLayersプロジェクトはバージョン6に向けた作業への寄付を呼びかけています。これまでに集まった300,000ドルのうち150,000ドルはSwisstopoからのものです。

リリース

  • Quincy Morgan氏がiDバージョン2.14.3の更新内容を紹介しています。このバージョンでは検証機能のオン・オフをユーザーが切り替える機能や検証機能の改善、報告のあった5つのバグの修正といった改善が加えられています。
  • JOSMの新しい安定板14824(19.02)がリリースされました。このバージョンではGPSトラック上にある点までの距離を計算する機能やカナダ英語のサポートが追加され、そのほか様々な機能強化も行われました。
  • Tilemillバージョン1.0.0がリリースされました。このバージョンではflorianf氏がフォークして開発したTileovenとの統合が行われています。TilemillはMapboxによってCartoCSSスタイルの編集環境として開発されましたが、その後は地図スタイルにJSONを使うようになり、編集環境もオンラインのMapbox Studioサービスで行うようになったことでTilemillはそのままになっていました。

ご存知でしたか?

  • freemap.skはOSMベースで作られたスロバキアのオープンインタラクティブマップです。
  • 16歳のスウェーデン人活動家Greta Thunberg氏の行動から始まった気候問題についての活動「未来のための金曜日」ではOSMベースの地図が使われています。
  • cycleway=oppositecycleway=opposite_laneはどちらも一方通行道路で自転車は逆走可能な道を指しますが、後者は自転車用レーンがペイントされている場合につけます。

その他の “ジオ” な事柄

  • 近年では、一般市民が鳥を発見した情報などを集めて分析する市民科学が広まっています。Clemens Jacobs氏は、生物に関する市民科学データの品質について研究しています。報告場所の地理的情報と突き合わせることで、データの信頼性をチェックすることを試みました。HeiGITが開発したOSM履歴分析プラットフォームohsomeを使い、インコの生息分布情報の妥当性を検証した研究事例がHeiGITブログに掲載されました。
  • ロンドン自治区境界線をまたいでいる鉄道駅に関して CityMetric 誌に記事が掲載されました。記事内の鉄道駅のリストはOSMデータを使って作成されています。
  • Sketchplanationsでは「海岸線のパラドックス」がスケッチで紹介されています。

まもなく開催

場所名称開催日
イヴレーアIncontro mensile2019-03-09italy
ナントCartopartie “Mail des Chantiers-Île de Nantes”2019-03-09france
オスロOSM-beer2019-03-08norway
レンヌRéunion mensuelle2019-03-11france
チューリッヒOSM Stammtisch Zurich2019-03-11switzerland
リヨンRencontre mensuelle pour tous2019-03-12france
ソルトレイクシティSLC Mappy Hour2019-03-12united states
アルロンEspace public numérique d’Arlon – Formation Initiation2019-03-12belgium
ミュンヘンMünchner Stammtisch2019-03-13germany
ドレスデンFOSSGIS 20192019-03-13-2019-03-16germany
ベルリン129. Berlin-Brandenburg Stammtisch2019-03-14germany
京都市京都!街歩き!マッピングパーティ:第6回 善峯寺2019-03-17japan
ケムニッツChemnitzer Linux-Tage 20192019-03-16-2019-03-17germany
台北市OSM x Wikidata #22019-03-18taiwan
ケルン・ボン空港Bonner Stammtisch2019-03-19germany
ノッティンガムEast Midlands Pub meetup2019-03-19england
ScotlandEdinburgh2019-03-19uk
ソルトレイクシティSLC Map Night2019-03-19united states
リューネブルクLüneburger Mappertreffen2019-03-19germany
トゥールーズRencontre mensuelle2019-03-20france
カールスルーエStammtisch2019-03-20germany
名古屋図書で調べて編集するオープンデータワークショップ2019-03-21japan
Greater Vancouver areaMetrotown mappy Hour2019-03-22canada
東京ミャンマーに絵本と地図を届けよう~ミャンマーに届ける翻訳絵本作り&自由な世界地図作り~2019-03-23japan
ブレーメンBremer Mappertreffen2019-03-25germany
Joué-lès-ToursRencontre Mensuelle2019-03-25france
PortmarnockErasmus+ EuYoutH_OSM Meeting2019-03-25-2019-03-29ireland
グラーツStammtisch Graz2019-03-25austria
モンペリエState of the Map France 20192019-06-14-2019-06-16france
アングラ・ド・エロイズモErasmus+ EuYoutH_OSM Meeting2019-06-24-2019-06-29portugal
ミネアポリスState of the Map US 20192019-09-06-2019-09-08united states
エディンバラFOSS4GUK 20192019-09-18-2019-09-21united kingdom
ハイデルベルクErasmus+ EuYoutH_OSM Meeting2019-09-18-2019-09-23germany
ハイデルベルクHOT Summit 20192019-09-19-2019-09-20germany
ハイデルベルクState of the Map 2019 (international conference)2019-09-21-2019-09-23germany
グラン・バッサムState of the Map Africa 20192019-11-22-2019-11-24ivory coast

Note: ここであなたのイベントを見たい場合は、カレンダーにそれを 入れてください。そこにあるデータのみが、週刊 OSM に表示されます。 カレンダー 内で都市や国に言及するのを忘れないでください。

This weeklyOSM was produced by Nakaner, Rogehm, SunCobalt, derFred, geologist, k_zoar, muramototomoya.