Author: weeklyteam

週刊OSM 424

 

2018/08/28-2018/09/03

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グロスタシャー州ストラウド近くにあるセルズリーコモン(ナショナル・トレイルの一つコルツウォルドウェイの一部)の小道 [1] | Photo © 2018 Nick Johnston

マッピング

  • Joseph Guillaume氏は地下水を引き込むために掘られた地下水路へのタグ付けcanal=qanat提案しています。
  • マイクロソフトのJubal Harpster氏が英国内で名称があるはずの道路に名称がタグ付けされていない例を上げ、現地調査などで確認できるか尋ねています。
  • Nick Johnston氏が英国の小道をOSMにマッピングすることについてブログを書きました。英国の「通行権」に関する基礎知識や、地元の小道公共データを入手したこと、小道のマッピングの重要性などについて述べられています。ただし、小道の公共データは精度が悪いため、インポートには向かないことも注意されています。
  • MKnight氏はフランス領ギアナにあるプチ・サウト湖とその周辺のマッピング状況を精力的に改善しました。彼はダムの功罪についても書いています。
  • OpenSnowMap.orgメンテナーのyvecai氏がOSMのスキー場マッピングの統計をまとめました。マッピングされたコースの合計は100,000 kmを超えています!
  • 急速な都市化が進む地域のスラム街開発における空間データが及ぼす影響について評価した論文で、OSMの土地区画データについて言及されています。データ品質、検証可能性、メンテナンス性の観点から、区画レベルのマッピングをすべきなのか合意は得られていません。区画のメタデータについても同様です。なお区画データのマッピングは広まっていることとも述べられています。

コミュニティ

  • WeeklyOSMでは先日Matthias Plennert氏がOSMデータ構造に関する技術的停滞について考察した論文を紹介しました。論文では隠れたゲートキーパーの存在が停滞を招いている原因の一つであると述べられており、議論を引き起こしました。論文に寄せられた意見に対して、Plennert氏が回答を寄稿しました。
  • Noémie Lehuby氏、Florian Lainez氏、Flora Hayat氏、Jocelyn Jaubert氏らがOSMフランスのウェブサイトリニューアルしました。フランス語メーリングリストではリニューアル後の内容に関する議論がありました。
  • MySociety(英国NPO団体)が世界各国の選挙区境界データを探しています。OSMFメーリングリストにも投稿されました
  • Facebook社の活動に関する議論は様々です。LukeWalsh氏は大学の交換プログラムでFacebook社に行き、OSMマッピング活動に携わった経験を述べています
  • コソボのコミュニティではTelegramグループを用意していて、どの言語を使っていてもどこからでもマッパーが参加することができます。最近の話題はオープンデータと民族的に多様な国での物事への命名についてなどがあります。
  • 在トルクメニスタン米国大使Allan Mustard氏(ユーザ名apm-wa)が、OSM活動に関するユーザ日記を二つ公開しました。一つ目の日記では、大使という立場であったのでトルクメニスタン道路公社社長と面会することができ、OSMの国内マッピング状況について確認できたことが述べられています。二つ目の記事では、バルカン州南部に行った際にマッピングをおこない、現地の通信状況や道路状況を報告しています。なお、公開されているトルクメニスタン地図の中でOSMは一番良いと述べています。

インポート

  • Andrew Harvey氏はオーストラリア首都特別地域の建物データをOSMにインポートするため、インポートメーリングリストでライセンスやインポート方針などを表明しています。このデータには住所データは含まれていませんが60,000以上の建物が追加されることになります。
  • 洪水によって深刻な被害を受けたケーララ州(インド)で道路ネットワークのデータインポートが計画されています。インポートされるデータは機械学習を使ってFacebookが作成したものです。この計画ではFacebookのマッピングチームがインポートを行い、地元コミュニティがデータを検証することになっていますが一連の議論の中でインポート計画がインポートガイドラインに沿っていないという物言い付きました

イベント

OSM人道支援

  • FOSS4GでHOTが発表したところによると、世界銀行がOpenStreetMap-Analyticsの機能改善や新機能追加のためにOpen Cities AfricaとGlobal Facility for Disaster Reduction and Recovery(GFDRR)を通じて資金提供しているそうです。OSMAの開発と運営はハイデルベルク地理情報技術研究所(HeiGIT)が行っています。

地図

  • Laurence Tratt氏は、アルファベットを使っていない国のosm.org地図が読めないことに不満を漏らしています。Laurence氏は、ドイツ語を優先表示するopenstreetmap.deのことは知っていますが、英語優先表示の地図が欲しいようです。ドイツ語地図の管理者であるSven Geggus氏は、ドイツ語地図に使っている技術を使えば英語優先表示させることは可能であり、すでにサーバも動いていることをコメントしました。ただ、osm.orgを多言語対応するのは、ベクトルタイル移行と合わせて考える必要があり、現時点では様々な理由から難しいとも述べています。
  • 無料のAndroid向けベクトル地図を提供するOpenAndroMaps(OAM)は山頂や首都、海の深度の地図もダウンロードできるようになりました。OAMの作者は彼これらの地図を用意した背景をブログ記事で説明しています。
  • OSMデフォルト地図スタイルの管理者であるDaniel Koć氏が、地図スタイルに関する基本的な考え方の第二回目を投稿しました。地物の典型的なサイズ(ふつう、建物はベンチより大きく国より小さい)をもとに表示を開始するズームレベルが決められています。また、階層構造(例:城門はお城の中にある)も考慮されています。
  • Christoph Hormann氏が、地図の塗りつぶし模様について考察しています。メインタグ(landuse=*など)の種類で色を決めて、サブタグ(crop=*など)で模様を変える案を上げています。

switch2OSM

  • 自治体がGoogleからオープンソースツールに移行している事例を紹介する記事がwedemain.frに掲載されました。最近ではメーヌ=エ=ロワール県がGoogleマップからOSMに移行し、そのほかの組織では無料でオープンソースサービスを提供しているFramasoftに移行しています。
  • Google社がこれまで無料で提供してきたサービスに依存したビジネスをおこなっていた会社が、料金体系変更により苦しんでいる記事がGadgets360に掲載されました。記事にはGoogleの代替サービスも紹介されています。
  • etourisme.info は観光協会がOSMを採用することを勧めており、Googleマップと比べて費用だけでなくそのほかにもメリットがあることを解説しています。

ソフトウェア

  • キンシャサ(コンゴ)のマッパソンではOSMを使っているスマートフォン向けアプリの概要と使い方が紹介されました。

プログラミング

  • ハイデルベルグ地理情報技術研究所(HeiGIT)のFabian Kowatsch氏がohsome APIの最初のドラフト案を公開しました。これはOSM履歴解析プラットフォームOhsome.orgでOSMデータを解析するREST APIです。
  • manoharuss氏はOSMChaを使って疑わしい変更セットを見つける方法をユーザー日記で紹介しています。

リリース

  • Simon Poole氏はVespucciのバージョン11.1ベータを公開しました。次のような更新があります。
    • プリセット処理の改善
    • taginfoの手動検索
    • タグのコピーと貼り付けの改善
    • その他いくつかの修正

ご存知でしたか?

  • dktue氏が、スイスの高速道路に設置された距離標を表示する地図autobahnkilometer.chを作成しました。距離標のマッピング状況を確認するために作ったそうです。
  • share.mapbbcode.orgではアイコンやポリゴンを重ねた地図の共有が簡単にできます。なおこのサイトではいろんなフォーラムで採用されている[map] bbcodeを提供しています。
  • mundraub.orgでは、誰でも収穫してよい作物(主に果樹)の場所を見ることができます。”mundraub”とは「食べ物をちょっと失敬する」ことを意味しており、この運動はドイツで始まり次第に拡大しています。

メディア掲載

  • 先日OSMは都市名の一部などが人種差別に使われる言葉に置換えられるという破壊行為に見舞われました。破壊行為を受けたデータは1時間以内にMapboxチームによって修正されましたが、修正前のデータがSnapchatなど様々なサービス上で表示されることになってしまいました。この事件はTechchrunchBBCGizmodo Buzzfeednewsなどのメディアに掲載されました。OpenStreetMap Foundationの公式ブログでは破壊行為を批難する記事が公開されています。

その他の “ジオ” な事柄

  • Melanie Froude氏は地滑りの発生した地点を表示するオンラインツールを公開しました。Dave Petley氏は地滑りによる死亡事故に関する研究の一環として作成されたこのツールについてのブログ記事を書きました。このツールで使われている2004年から2016年までに世界で発生した地滑りのデータもシェフィールド大学の地理学部にいる彼ら二人が作ったものです。
  • 米国の「ラッセル上院議員オフィスビル」がGoogleマップで「ジョン・マケイン上院議員オフィスビル」に書き換えられてしまいました。書き換えた意図は不明ですが、すでに元に戻されています
  • フランス通信社のTwitterアカウントがフランス国内の救急医療施設を可視化した地図をツイートしています。地図の白い部分から救急医療施設までは30分以上かかります。

まもなく開催

場所名称開催日
ボーフムMappertreffen2018-09-06germany
ナントDiscussions et préparations2018-09-06france
レンヌRéunion mensuelle2018-09-10france
リヨンRencontre mensuelle pour tous2018-09-11france
ミュンヘンMünchner Stammtisch2018-09-13germany
ベルリン123. Berlin-Brandenburg Stammtisch2018-09-14germany
ポサーダスMapatón de parajes y caminos2018-09-15argentina
ベルリンBerliner Hackweekend2018-09-15-2018-09-16germany
グルノーブルRencontre mensuelle2018-09-17france
トロントMappy Hour2018-09-17canada
ケルン・ボン空港Bonner Stammtisch2018-09-18germany
リューネブルクLüneburger Mappertreffen2018-09-18germany
ノッティンガムPub Meetup2018-09-18united kingdom
LonseeStammtisch Ulmer Alb2018-09-18germany
カールスルーエStammtisch2018-09-19germany
Mumble CreekOpenStreetMap Foundation public board meeting2018-09-20everywhere
レオーベンStammtisch Obersteiermark2018-09-20austria
京都市幕末京都オープンデータソン#06:壬生の浪士と新撰組2018-09-22japan
ブエノスアイレスState of the Map Latam 20182018-09-24-2018-09-25argentina
デトロイトState of the Map US 20182018-10-05-2018-10-07united states
バンガロールState of the Map Asia 20182018-11-17-2018-11-18india
メルボルンFOSS4G SotM Oceania 20182018-11-20-2018-11-23australia
リューベックLübecker Mappertreffen2018-09-27germany
マニラMaptime! Manila2018-09-27philippines

Note: ここであなたのイベントを見たい場合は、カレンダーにそれを 入れてください。そこにあるデータのみが、週刊 OSM に表示されます。 カレンダー 内で都市や国に言及するのを忘れないでください。

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