02/14/2017-02/20/2017
マッピング
- [1] Jochen Topf 氏が OSM の異常なポリゴンを修正するためのサービス Maproulette-Challenge を始めました。建物のウェイが自身で交差しているものの修正から始めてみましょうとブログで呼びかけています。他にも課題が用意されています。
- 「壊れたマルチポリゴンの修正」スレッドで、欧州環境機関の Corine landcover からインポートされた森林ポリゴンデータを削除することを Christoph Hormann 氏が提案しました。元のデータがあまりに不正確であるため、修正するよりも削除した方がよいのではないかと考えています。
- OnOsm.orgに、現在地表示機能が追加されました。また、他国語に対応しました。CloCkWeRX氏が更新内容をブログで解説しています。
- Bryan Housel 氏が iD エディタにある複数オブジェクトの選択機能を使ってピクニック場を簡単にマッピングする方法を紹介しています。
- ドイツでは、Streuobstwiese(meadow orchard)という果樹が植えられた牧草地があり、生態系維持の観点から土地の保存が進められています。この土地を
landuse=meadow + meadow=meadow_orchard
またはlanduse=orchard + orchard=meadow_orchard
としてタグづけする提案がJojo4u氏から上げられました。 - 高速道路料金のタグ付けについてフランスメーリングリストで議論されています。料金データをOSMに入れることの是非については賛否があるかもしれませんが、ルート検索時に高速料金が表示されるようになる可能性もあります。
- Martin Koppenhoefe 氏は二つのタグ
amenity=luggage_locker
とamenity=locker
を説明する Wiki ページを提案しています。二つのタグが示す地物が同じ様なものであったため、異なるタグ付けをする必要があるのかという議論が始まりました。 amenity=vending_machine
タグの使い方についてタグメーリングリストで議論されました。コイン精米所はvending_machineと言って良いのか、違うのであればどのようなタグを定義すべきか、といった議論がありました。- フランデレン地域(ベルギー)の道路網データが描かれていく過程を Joost Schouppe 氏が分析しました。多くのグラフやタイムラプスアニメーションを使って様々な角度から切り込んで分析しています。
- Marczoutendijk 氏が現在のレストランへのタグ付け方法について疑問を投げかけています。
- Mapbox のデータチームがサンフランシスコの POI マッピングを呼びかけています。JOSM と Mapillary プラグインを使ったマッピング方法で、 Mapbox のタスクマネージャーが用意されています。
コミュニティ
- JOSM の翻訳状況が言語間で大きく異なることについてメンテナーを努める Dirk Stöcker 氏が心配をしています。彼は翻訳プラットフォームとして使っている Launchpad に問題があると言っています。
- 道路の種類ごとのマッピング統計を見られるウェブサイト OSM Stats を Steve Coast 氏が紹介しています。ダイレクトリンク: 日本、英国、アメリカ
インポート
- Facebook 社は自動的にトレースされた道路のデータを再びインポートしようとしていて Wiki にインポートのページが存在しています。Facebook 社は以前にもインポートを試みましたが OSM のインポートルールに違反していたり、データの品質の低さ(道路が接続されていないなど)からリバートされた経緯があります。
- OpenSidewalks と AccessMap のプロジェクトに関わっている Nick Bolten 氏がインポートメーリングリストでシアトルの歩道をインポートするテストをしたという投稿をしました。このメールから派生してタグ付けメーリングリストとインポートメーリングリストで様々な議論がありました。
- Max Bainrot 氏がオーストラリア政府の情報ポータル ACTmapi にあるデータを OpenStreetMap に使ってはどうかと言っています。ACTmapi データは CC-BY で提供されていますが、OpenStreetMap に使ってもいいという許可が出る見通しだそうです。
イベント
- 会津若松市で開催される State of the Map 2017 のセッションや LT の募集が始まりました。応募の期限は4月2日です。
OSM人道支援
- Mikel Maron 氏によると、Mapbox が HOT のマイクロ支援プログラム(以前お知らせしました)に10,000ドルの助成金を提供したそうです。
- カリブ海南端地域の印象的な地質史や、この地域での持続的発展のためにはオープンソースデータが重要であることについて、MangleBlanco氏がブログ記事を書きました。また、マッピングや人道支援活動に役立つ高解像衛星写真を提供することを約束しました。
- Fred Moine 氏はハイチで行われた HOT ボランティアによるマッピングの品質に納得がいかないようです。
地図
- mcld 氏の書いたプログラムによって OSM のウェブサイトで右クリックした時に表示されるメニューが新しくなりました。このメニューで経路検索の始点や終点をセットする、地図メモを追加する、住所を検索する、近くの地物を検索する、地図の中心を移動する、といったことができるようになります。しかし今まで利用できた「タイル画像を表示する」機能を使うことができないため、Ilya Zverev 氏がこの機能を追加するプルリクエストを送りましたが採用されませんでした。機能の採用を見送ったメンバーに対して非難のコメントが続いています。
- Mapzen社が”Who’s On First Spelunker”にBundlerという新機能を追加しました。この機能を使うと、ある行政区とその下位行政区のGeoJSONデータをまとめてダウンロードできるようになります。
オープンデータ
- あなたはもうオープンデジタル標高モデルをご存じですか? データ共有ポータルには今年の初めにノルトライン=ヴェストファーレン州(ドイツ)、ベルギー、ニュージーランド、スイスが加わりました。
- もはやトランプ大統領の下にオープンデータは存在しません。ホワイトハウスのオープンデータポータルが空になっていると @denormalize 氏がツイートしています。
ライセンス
- 以前日本語メーリングリストでも告知されましたが、国土数値情報(KSJ2)は利用約款に権利者に無断で再配布できないこと、原則として商用での利用ができないことが追加されたため OSM で KSJ2 データの利用することはできなくなっています。
ソフトウェア
- “QGIS Atlas”の入門チュートリアルです。この機能を使うと、地物周辺の地図集を作ることができます。
- Ilya Zverev 氏は新しいインポートツール OSM Conflator を公開しました。このツールはインポートしようとするデータと OSM 内のデータに一致するオブジェクトがあるかをチェックします。一致した既存のオブジェクトではタグを更新したり追加して、一致しない場合は新しいノードを作成します。
- Martin Ždila氏がToposcope Makerを 公開しました。Toposcopesとは、山頂などに設置され、周りに見える山やビルなどの方角が記された方位盤のことです。
プログラミング
- osm.org で削除されたデータを見られるようになるかもしれません。
- Geofabrik 社がダウンロードサーバーで現在提供しているすべての地域について、履歴情報も提供できるようになったと発表しました。このファイル(「.osh.pbf」)は Osmium を使って grep などが読み込めるテキストベースのフォーマット(「OPL」)に変換でき、履歴情報の分析に使うことができます。
リリース
ソフトウェア | バージョン | 更新日 | 備考 |
---|---|---|---|
SQLite | 3.17.0 | 2017-02-13 | 15 enhancements and three bugfixes. |
MapContrib | 1.4 | 2017-02-14 | Update the changeset comment, MapContrib is not a prototype anymore. |
Mapillary iOS * | 4.6.6 | 2017-02-14 | Fixed photo meta data to be compatible with server. |
OpenLayers | 4.0.1 | 2017-02-14 | Bugfix release. |
OpenStreetCam | 2.0.0.2 | 2017-02-16 | Reward system with top list. |
Overpass-Turbo | 2017-02-18 | 2017-02-18 | Switched to OSMNames geocoder for map location search, improvements to mapcss, updated translations |
Provided by the OSM Software Watchlist.
(*) unfree software. See: freesoftware.
ご存知でしたか?
- OSM の上にベルリンの古地図を重ねて表示できるサイト。古地図の透過度を調整することができます。
メディア掲載
- スイスのTages Anzeiger誌に地図サービスの比較記事が掲載されました。Googleマップより精度のよい地図はあるのでしょうか?OSMもその一つとして挙げられています。
その他の “ジオ” な事柄
- BBC Radio 3は英国およびドイツに関するニュースをポッドキャストで全世界に配信しています。「境界:地上の境界、地図上の境界、心の境界」と題するポッドキャストでは、様々な境界が人々に及ぼす影響について述べています(OSMに言及しているわけではありません)。
- 南アメリカのニュースサイトamerika21で、スマホアプリ”Metro”を使うことでハバナ市(キューバ)の公共交通機関ルート検索ができるようになったことが記事になりました。地図データにはOSMが使われています。
- インド宇宙研究機関ISROが、2/17にPSLV-C37ロケットを打ち上げました。世界記録となる104基の人工衛星を搭載しており、うち88基は米国スタートアップ企業Planetが開発したマイクロ人工衛星であるとのことです。
- アメリカの各州を人口基準でヨーロッパにあてはめるとどうなるでしょうか?逆にヨーロッパの各国をアメリカ大陸にあてはめると?
- 一こまウェブ漫画xkcdに、標準時間帯基準で世界地図を描いた絵が掲載されました。
まもなく開催
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